東証区分再編で増えている?!IRサイトのリニューアルで見えてくる課題とは?

こんにちは。「クロジカサーバー管理」コンサルティングチームの西原です。

東京証券取引所の市場区分見直し(以下、東証再編)が、約半年後の2022年4月4日に迫ってきました。東証再編前後は、今まで以上にIR活動に力を入れていきたいという企業も多いのではないでしょうか。そのような事情を背景に、IR用Webサイトのリニューアルをお考えのご担当者様も多くなってきています。この記事では、東証再編に伴いIRを含めたコーポレートサイトのリニューアル検討に伴いご相談いただいたお話を元に、Webサイト並びにIRサイトの現状、課題に触れていきます。

リニューアルの検討で見えてくる様々な現状

Webサイト並びにIRサイトのリニューアルをご相談いただいた方に、リニューアルの検討を通じてどのようなことが見えてきているのかをお聞きしてみました。

現状サイト内検索がないため導入したい

現状ではサイト内検索機能がないため、Webサイトリニューアルを機に導入したいと考えていますが、費用との兼ね合いを懸念しています。安価で導入できるものもあるため、Webサイトのユーザーが求めている機能をリストアップし、その中から優先順位をつけて費用対効果を検証していくことを想定しています。

Webサイトの更新頻度が少ない

情報の更新頻度は、更新がある月と全くない月が存在し、更新を行う場合は新着情報とIR情報のみというのが現状です。今後は、商材の追加情報のアップなど、アクティブに更新していきたいと考えています。全社的な事業レベルの情報発信頻度は少ないと想定されるものの、各事業部については、月に1回程度の頻度でニュースリリースを発信していければと考えています。また、話題のサステナビリティに関する情報や採用情報についても、今後は情報発信を行っていく可能性があります。更新を頻繁に行っていく場合は、制作会社に依頼する手間が増えてしまうため、更新が行えるCMSでWebサイトの構築を考えています。

現状のWebサイトはCMSを使っていない

現状では、CMSは利用していません。2年ほど前に制作会社からWordPressを提案されたことはあるものの、現在までリニューアルせず5年以上経過しているため、この機会にWordPressへの移行を視野に入れています。

東証再編に合わせてWebサイトを全面リニューアルしたい

東京証券取引所では、市場第一部、市場第二部、マザーズ及びJASDAQの4つの市場区分がありますが、以下の2つの課題があります。

各市場区分のコンセプトが曖昧であり、多くの投資者にとっての利便性が低い。

市場第二部、マザーズ、JASDAQの位置づけが重複しているほか、市場第一部についてもそのコンセプトが不明確。

上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けが十分にできていない。

例えば、新規上場基準よりも上場廃止基準が大幅に低いことから、上場後も新規上場時の水準を維持する動機付けにならない。また、市場第一部に他の市場区分から移る際の基準が、市場第一部への新規上場基準よりも緩和されているため、上場後に積極的な企業価値向上を促す仕組みとなっていない。

東京証券取引所は、課題を踏まえて市場区分の見直し進め、2022年4月4日に、現在の市場区分を「プライム市場・スタンダード市場・グロース市場」の3つの市場区分への再編を予定しています。上場会社においては、東証再編区分で3つのいずれかを目指しており、様々な準備が進む中で、Webサイト並びにIRサイトのリニューアルを検討するきっかけになっています。

上場会社のWebサイト並びにIRサイトリニューアルは大規模であり、制作期間は半年以上の想定が一般的です。東証再編や株主総会の期日に併せて公開を希望する場合は、半年以上の期間を逆算して相談・検討することを想定しています。期間的に難しいケースの際は、Webサイトリニューアル項目の優先順位を設けて、完成したコンテンツから順次公開していくことも視野に入れています。また、多言語のWebサイト並びにIRサイトを同時にリニューアルする場合は、その分の期間確保と調整を想定したいと考えています。

Webサイト公開から期間が経過して生じる課題

東証区分再編に伴うWebサイトリニューアルのリニューアルを検討することで、様々な必要性や現状が見えていますが、お聞きした中には課題についても触れていました。

インフラ面の保守をしていないのでバージョンアップが必要

既に稼働しているWebサイトは、サーバー環境やその他インフラに関するメンテナンスを行っておらず、バージョンアップの対応やセキュリティ対策など課題を抱えています。今回のリニューアル後は、定期的なメンテナンス含めた運用保守の取り組みが必要になるため含めて検討したいと考えています。

WebサイトやPDFの更新・修正を行えるようにしたい

WebサイトやPDFの更新・修正を現状は制作会社に依頼しています。今後はCMSを導入することで、できる限り社内で運用を行えるようにしたい希望があります。IR情報も現状はPDFをアップロードしている更新になるため、CMS導入後はコンテンツとしてのIR情報の発信も視野に入れています。IRツールの導入についても検討中のため、WebサイトとIRツールの運用におけるランニングコストを考える必要があると思います。

5年以上前から大きく改修を行っていないため内容が古い

現状のWebサイト並びにIRサイトは、5年以上前から大きく改修を行っていないため、構造や機能、コンテンツ内容やデザイン含めて他上場企業のスタンダードと比較しても差異が存在し古くなっている印象があります。また、 IR情報は秘匿性が高いという特性上、公開日時をまちがえないための工夫など欲しいというニーズもあります。

さいごに

現状のWebサイト並びにIRサイトは必要と考える機能の実装や活用頻度が行えていないことから、CMS(WordPress)を想定したリニューアル構築を行うことで、IR情報や各事業におけるニュースリリース、サステナビリティなど会社としての取り組み情報を積極的に発信を行いたい点や、Webサイト並びにIRサイトの公開環境において、バージョンアップの対応やセキュリティ対策など対外的に情報提供を行う環境のあり方についても定期的なメンテナンスを含めた運用保守の取り組みを行いたい希望が存在しました。

今回は、東証再編というきっかを元にリニューアルをお考えのご相談内容から紹介させていただきましたが、企業規模や業態業種にかかわらず、企業におけるコーポレートサイトをはじめとしたWebサイトの稼働する環境、運用において、現状はもとより、今後を視野に入れた最適な情報提供のあり方が重要です。本稿が見直しや検討のきっかけになれば幸いです。

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