AWSの冗長化とその必要性をわかりやすく解説

AWSを利用する際、ビジネスの継続性を確保するために冗長化は非常に重要です。本記事では、AWSの冗長化の必要性と最適な冗長化を実現するための効果的な戦略について詳しく解説していきます。Webサイトと安定的に稼働させたいと思われている方にピッタリの内容となっております。

この記事でわかること

① 冗長化ってそもそも何?
② 冗長化をすることで得られるメリット
③ 障害復旧を早める対策と障害を早期に検知する仕組みづくり

AWSで冗長化をする必要性は?

そもそも冗長化って?基本的な概念の解説

冗長化とは、システムやデータの複製を作成し、障害発生時に別の複製に切り替えることで、システムの停止やデータの損失を防ぐための技術です。例えば、Webサーバーを2台用意し、片方のサーバーが故障した場合でも、もう片方のサーバーが稼働することで、サービスを継続的に提供できます

可用性について

可用性とは、システムが正常に動作している状態を指します。システムが常に稼働し、ユーザーがいつでもアクセスできる状態を維持できている状態は「可用性が高い」と言えます。可用性は、システムの信頼性を示す重要な指標であり、高い可用性を達成するためには、冗長化が不可欠です。

AWSの可用性

ここで、世界No.1シェアを誇るクラウドサーバーであるAWSの可用性については触れておきます。AWSは世界中にデータセンターを展開しており、高い可用性を提供しています。AWSでは、冗長化されたインフラストラクチャ(サーバーの基盤)、自動化された障害回復機能、監視システムなどを利用することで、高い可用性を実現しています。

キャンペーンサイトやLPで活用されることの多いAmazon S3の可用性を例にあげると「99.9%」の可用性が保証されています。

▼ Amazon S3の特徴を解説した記事はコチラ ↓
Amazon S3の特徴・利用シーンとその料金内容とは?

可用性を高める手段としての“冗長化”

冗長化は、AWSにおける可用性を高めるための重要な手段です。冗長化を実装することで、障害が発生した際にもシステムの継続的な運用を可能にします。以下では冗長化により可用性を高める方法を詳しく解説してまいります。

冗長化で可用性を高める方法とは

マルチリージョン構成

マルチリージョン構成とは、複数のリージョン(サーバーが設置されたエリア)にシステムを分散配置することで、1つのリージョンで障害が発生した場合でも、他のリージョンでサービスを継続的に提供できるようにする構成です。

例えば、東京リージョンと大阪リージョンにシステムを分散配置することで、東京リージョンで障害が発生した場合でも、大阪リージョンからサービスを提供できます。

マルチAZ構成

マルチAZ(アベイラビリティゾーン)構成とは、同一リージョン内の異なるアベイラビリティゾーン(独立したデータセンター)にシステムを分散配置することで、1つのアベイラビリティゾーンで障害が発生した場合でも、他のアベイラビリティゾーンでサービスを継続的に提供できる構成です。

例えば、東京リージョン内の異なる2つのアベイラビリティゾーンにシステムを分散配置することで、1つのアベイラビリティゾーンで障害が発生した場合でも、もう片方のアベイラビリティゾーンからサービスを提供できます。

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Webサーバーの「冗長化」は必要?種類・メリット・注意点を解説

障害復旧を早める対策

パイロットライト

パイロットライトとは、本番環境とは別に、常に稼働しているテスト環境のことです。本番環境で障害が発生した場合、パイロットライトでテストを行い、障害の原因を特定したり、復旧方法を検証したりすることができます。

例えば、イベントを開催する際に、全ての設備を整える前に小規模な試験的なリハーサルを行うことを考えてみましょう。この試験的なイベントが「パイロットライト」に相当します。これにより、実際のイベントでの問題を事前に把握し、改善することができます。
このように、パイロットライトはリスクを軽減し、効率的な運用を目指すための重要な手段です。

ウォームスタンバイ

ウォームスタンバイとは、本番環境の複製を常に稼働させておくことで、本番環境で障害が発生した場合、すぐに複製環境に切り替えることができる構成です。ウォームスタンバイでは、複製環境は常に最新の状態に保たれているため、障害発生時の復旧時間が短縮されます。

ウォームスタンバイを日常生活の例で説明すると、以下のようになります。

スポーツの試合で、ベンチに座っている控えの選手のような存在。この選手は常にウォームアップをしており、いつでも試合に出られる状態です。実際にメインの選手が怪我をしたら、すぐに交代して試合に出場できるように控えています。このように、ウォームスタンバイは「いつでも出番に備えている予備の仕組み」と考えることができます。

マルチサイト

マルチサイトとは、複数のデータセンターにシステムを分散配置することで、1つのデータセンターで障害が発生した場合でも、他のデータセンターからサービスを提供できる構成です。マルチサイトは、マルチリージョン構成よりもさらに高い可用性を提供できます。

マルチサイトを日常生活の例で説明すると、以下のようになります。

全国チェーンの店舗のような仕組み。全国チェーンの店舗では、日本国内の各店舗(ウェブサイト)が独立して営業しています。そのため、ある店舗が休業しても他の店舗で同様のサービスを提供できます。
さらに本部と各店舗で情報を共有することで、常に最新の市場動向などの状態を保っていられることができます。

このように、マルチサイトは「複数の場所で同じサービスを提供し、互いにバックアップし合う仕組み」と考えることができます。

バックアップと復元(リストア)

バックアップとは、システムやデータの複製を作成し、障害発生時に元の状態に復元するためのものです。バックアップは、定期的に行うことで、障害発生時のデータ損失を最小限に抑えることができます。また復元(リストア)とは、バックアップからデータを復元することで、システムを元の状態に戻すことです。

障害を早期に検知する仕組みづくり

AmazonCloudWatch

AmazonCloudWatchは、AWSリソースの監視とログ収集を行うサービスです。AmazonCloudWatchでは、システムのメトリクス(パフォーマンス指標)やログを監視することで、障害を早期に検知することができます。

AmazonRDS イベント通知

Amazon RDSイベント通知を活用することで、データベースの状態変化をリアルタイムで把握し、迅速な対応が可能になります。

まとめ

【復習】AWSを冗長化する必要性

AWSでの冗長化は、システムの可用性を高め、障害時のリスクを最小限に抑えるために不可欠です。適切な冗長化を実施することで、ビジネスの継続性を確保し、ユーザーに安定したサービスを提供できます。

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参照:AWS Direct Connect の回復性に関する推奨事項

監修者:クロジカサーバー管理編集部

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