こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。
今回はAWS、Azure、GoogleCloudのようなクラウドサービスを、それぞれの特徴や強みを解説し、実際の利用事例も併せてご紹介します。自社に合ったクラウドサービスをご検討される際の参考になりますと幸いです。
目次
はじめに
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、インターネット上のクラウド内で提供されるサービスのことを指します。従来の自社サーバー室にサーバーを設置するオンプレミスのシステムと比較すると、クラウドサービスは仮想的な環境を提供するため、オンプレミスと比べて柔軟性が高く、コストを抑えることができます。
クラウドサービスは2006年頃から提唱され、本格的に利用が始まりました。AmazonやMicrosoft、Googleなどの企業がクラウドサービスを展開しています。日本の企業でもアプリケーションやシステムにおいてクラウドサービスを利用している企業が増加しています。
企業におけるクラウドサービスの重要性
クラウドサービスを利用することで、企業は以下のようなメリットがあります。
- サーバーやストレージなどのITリソースを、必要な時に必要な分だけ使用できる
- コストを抑えられる
- 急激なトラフィック増加にも柔軟に対応できる
- セキュリティや可用性の向上などのメリットがある
AWSの特徴と利用用途
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。
AWSの特徴
AWSの特徴は、以下の通りです。
- 世界に多くのデータセンターを構築しており、柔軟な構築が可能
- 245の国と地域でAWSを利用することが可能です。日本にいながらフランスのデータセンター内でサーバーを構築することができます。これによりDR(Disaster Recovery)などの災害対策が国を跨いで実現できます。
- 提供サービス数が多い
- 2023年現在234個のサービスがローンチされています。サーバーやデータベースの基本的なサービスから、AIやIoT、画像認識など先端サービスまで簡単に触れることができます。
- さまざまなサードパーティー製品を活用できる
- 各システム会社が自社の製品を利用できるパッケージをAWS内に設置しています。これらを利用することでソフトウェアインストールやセキュリティ設定などをスキップしてサービスを開始することができます。
主な用途と事例
- ウェブサイトやアプリケーション開発
- NetflixやAirbnbはAWSを採用しています。全世界で利用されているサービスであるため、クラウドサービスは非常に有用です。個人でもブログやホームページ作成で利用されているWordPressが簡単に利用できるサービスも提供されています。
- NetflixやAirbnbはAWSを採用しています。全世界で利用されているサービスであるため、クラウドサービスは非常に有用です。個人でもブログやホームページ作成で利用されているWordPressが簡単に利用できるサービスも提供されています。
- ビッグデータの処理や分析
- 大創産業(ダイソーを運営している会社)はPOSデータシステムのビッグデータの処理・分析に活用しています。各企業がデータウェアハウスやデータレイクとしてAWSを利用しています。
- 大創産業(ダイソーを運営している会社)はPOSデータシステムのビッグデータの処理・分析に活用しています。各企業がデータウェアハウスやデータレイクとしてAWSを利用しています。
- バックアップやアーカイブの保存
- テレビ東京はテレビ映像のアーカイブをAWSに移行させることで年間数千万円の直接費の削減を実現させています。
Azureの特徴と利用用途
Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。
Azureの特徴
- Microsoft製品を活用したサービス
- AzureはWindows、Office、Microsoft365などとの親和性が高く、これらを利用しているユーザーにメリットがあります。
主な用途と事例
- ICT活用
- 日本の行政、自治体でAzureを利用したICT・DX活用が行われています。経済産業省、大阪府、福井県、佐賀県などがプラットフォームとして利用しています。
- 日本の行政、自治体でAzureを利用したICT・DX活用が行われています。経済産業省、大阪府、福井県、佐賀県などがプラットフォームとして利用しています。
- AI分析
- SMBCグループはAIシステムを構築し、自然言語処理を実現しています。既存の AI システムと比べて 1/10 程度のデータを入れるだけで使えるレベルとなり、学習コストなどの課題を解決しています。
Google Cloudの特徴と利用用途
Google Cloudは、Googleが提供するクラウドサービスです。
Google Cloudの特徴
- 大量のデータ処理が得意
- 検索エンジンを運営するGoogleは大量のデータ処理が得意です。
- 検索エンジンを運営するGoogleは大量のデータ処理が得意です。
- AI分野サービスの充実
- TensorFlowやBigQueryを活用し、AI分野のサービスが利用できます。Google Serch Consoleなどを運営しているためデータ解析などに強みがあります。
主な用途と事例
- ビッグデータ活用
- 京セラコミュニケーションシステムはBigQuery、Compute Engineなどを駆使して膨大なデータのサービス化に成功しています。これにより工数を半分〜3分の1程度に削減できたとしています。
- 京セラコミュニケーションシステムはBigQuery、Compute Engineなどを駆使して膨大なデータのサービス化に成功しています。これにより工数を半分〜3分の1程度に削減できたとしています。
- AI開発
- 自動車メーカーであるSUBARUは「アイサイト」開発にGoogleCloudを利用しています。これにより丸1日かかっていた処理が30分程度で完了するなど劇的に開発スピードが改善されました。
AWS、Azure、Google Cloudの比較
価格
AWS、Azure、Google Cloudは従量課金制の料金体系となっています。さらに各サービスの中でも利用するサービスやデプロイする地域によって違いがあります。
しかし、AWS、Azure、Google Cloudで比較すると似たようなサービス、同様の地域でもそれぞれ設定価格が若干異なっています。
また、各クラウドサービスにより無料利用枠が設定されています。GoogleCloudでは永久無料のサービスも提供されているなどあるためそれぞれの特徴と利用シーンを考えて選択する必要があります。
機能
AWS、Azure、Google Cloudは、それぞれ独自の強みを持っています。
AWSは、特にコンピューティングリソースにおいて強みを持っています。大規模な処理や高負荷のシステムでも安定したパフォーマンスを発揮します。また、多様なプラットフォームやサービスがあります。
Azureは、マイクロソフト製品との相性がよく、ハイブリッドクラウドの構築がしやすく、WindowsやLinuxなどの多様なOSに対応しています。
Google Cloudは、AIや機械学習などの最新技術に特化しています。また、Googleの検索エンジンやYouTubeなどのサービスに使用されている技術を使用することができます。
シェア率
AWS、Azure、Google Cloudの3つのクラウドサービスのシェア率を比較すると、2020年時点では以下のような状況です。
- AWS: 32.4%
- Azure: 19.6%
- Google Cloud: 7.6%
AWSは圧倒的なシェア率を誇っており、Azureも一定のシェアを持っていますが、Google Cloudはまだまだシェアを拡大する余地があります。ただし、Googleの特徴である機械学習やAIに強いサービスは、Google Cloudの利用者から高い評価を受けており、今後も成長が期待されます。
企業におけるクラウドサービスの導入のポイント
導入前に考慮すべき点
クラウドサービスを導入する前に、以下の点を考慮することが重要です。
- セキュリティ
- クラウドサービスはインターネットを介して接続するサービスとなります。そのため、何も対策をしなければオンプレミスやスタンドアローン環境よりも情報漏洩のリスクは高まります。しかし、しっかりとセキュリティ対策を行えば、サーバー室などの物理環境の対策が不要且つセキュリティ関連のサービスを利用すればオンプレミスと同様かそれ以上のセキュリティ対策が可能となります。
- クラウドサービスはインターネットを介して接続するサービスとなります。そのため、何も対策をしなければオンプレミスやスタンドアローン環境よりも情報漏洩のリスクは高まります。しかし、しっかりとセキュリティ対策を行えば、サーバー室などの物理環境の対策が不要且つセキュリティ関連のサービスを利用すればオンプレミスと同様かそれ以上のセキュリティ対策が可能となります。
- コスト
- クラウドサービスは、従来のオンプレミスのシステムに比べて、初期投資が少なく、柔軟な利用が可能ですが、長期的なコストを見据えた場合には、コストがかかることがあります。クラウドサービスの利用料金の詳細を確認し、長期的な利用コストも含めて検討する必要があります。また、簡易にサーバーを立ち上げることができますが、サーバーの削除を忘れてしまうとその分だけ課金されるため無駄なコストが発生する場合があります。
- クラウドサービスは、従来のオンプレミスのシステムに比べて、初期投資が少なく、柔軟な利用が可能ですが、長期的なコストを見据えた場合には、コストがかかることがあります。クラウドサービスの利用料金の詳細を確認し、長期的な利用コストも含めて検討する必要があります。また、簡易にサーバーを立ち上げることができますが、サーバーの削除を忘れてしまうとその分だけ課金されるため無駄なコストが発生する場合があります。
- 運用管理
- クラウドサービスの導入に伴い、運用管理の方法が変化します。どのような運用管理が必要か、従業員のスキルや経験を考慮する必要があります。それぞれの学習コストも発生します。
導入にあたってのアドバイス
- 従業員のスキルアップ
- クラウドサービスを導入する場合、それを開発・運用する従業員のスキルアップは不可欠です。それぞれのクラウドサービスには資格制度やスキルアップを目的とした無料セミナーが開かれています。
- クラウドサービスを導入する場合、それを開発・運用する従業員のスキルアップは不可欠です。それぞれのクラウドサービスには資格制度やスキルアップを目的とした無料セミナーが開かれています。
- 情報のキャッチアップ
- クラウドサービス市場は急激に成長している分野です。日々アップデートや新規サービスが開始されています。情報のキャッチアップを行うことで、今の業務の効率化や新しいビジネスのヒントに繋がります。
- クラウドサービス市場は急激に成長している分野です。日々アップデートや新規サービスが開始されています。情報のキャッチアップを行うことで、今の業務の効率化や新しいビジネスのヒントに繋がります。
- 運用管理の外部委託
- クラウドサービスを外部委託で運用管理を任せることができます。サーバーのメンテナンスや障害管理を外部委託に任せることで、従業員は本来の業務に専念することができます。
おわりに
クラウドサービスであるAWS、Azure、Google Cloudの違いについて解説しました。
それぞれのクラウドサービスは得意としている分野や価格・機能において違いがあります。自社サービスがどのクラウドサービスに合っているか考え選択することが必要です。
クラウドサービスを導入すると業務のやり方やビジネスの考え方が変わります。従業員のスキルアップや外部委託などを利用して効率よくクラウドサービスに対応していきましょう。
サーバー管理のアウトソーシングなら「クロジカサーバー管理」
今回は主要な3つのクラウドサービスについて比較解説してまいりました。「クロジカサーバー管理」では、AWSを中心としたホームページのサーバー管理に特化しており、オンプレミスやレンタルサーバーの環境からクラウドへの乗り替えをはじめ、脆弱性への対応やバックアップ、障害時の一次復旧など月々の運用保守をすべてお任せいただけます。
ホームページの規模感や用途に合わせて、セキュアで安定したクラウド環境をご提供しますので、お気軽にお問い合わせください。
ライター:kait78
元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。
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