こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
工場勤務は、一人で黙々と作業していてコミュニケーションをあまり取らないという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際は職員同士のコミュニケーションを密に取ることは重要です。
工場内の業務で、情報共有がうまくいかない、確認不足によるミスや事故が起きるなどの問題は決して少なくありません。コミュニケーションの重要性を把握して改善すると、多くのメリットを得られるでしょう。この記事では、工場内のコミュニケーションが重要な理由と効率化する方法を紹介していきます。
目次
工場内のコミュニケーションが重要な理由を解説
工場ではさまざまな製品が製造され、その工程では数多くの職員や部署が関わります。工場内でのコミュニケーションがスムーズに取れれば、作業を効率的に進められるでしょう。コミュニケーションが重要な理由を、それぞれのメリットを含めて解説していきます。
スケジュール管理が容易になる
製造業において「製品の納期を守ること」は重要です。そのために、工程管理表や生産スケジュールなどの計画を細かく作成します。ここで大事なのが、職員間のスケジュールの共有です。
作業に関わる職員が、しっかりとスケジュールを把握することが、納期を遵守するために必要です。作業の進捗状況をリアルタイムで情報共有すれば、遅れているチームをサポートするなど、効率的な行動を取れるでしょう。また、顧客からの仕様変更や納期の変更などの情報は、早急に共有しなければ作業のやり直しが発生してしまいます。
普段からリアルタイムでコミュニケーションが取れる環境を作ることで、スケジュール管理が容易になります。これは業務効率化につながり、生産性向上、コスト削減などが可能になるでしょう。
コミュニケーション不足による事故を防げる
大型の設備や機器を扱う工場では、確認不足や伝達ミスが大きな事故につながる危険性があります。過去に起きた労働災害やヒヤリハット事例を共有していくことは、同じような事故の防止に役立ちます。
現場でも、工場内は機械の大きな音で声が聞き取りにくい環境です。中央労働災害防止協会は、労働災害防止のためには「確認の会話」が必要と述べています。安全確認や手順の確認などのコミュニケーションがしっかりと取れる環境の構築が必要です。
改善には、スマホやウェアラブルデバイスを用いた、コミュニケーションツールの導入が効果的でしょう。情報共有の効率化も進むので、日々の業務も円滑に進められます。
職員が働きやすくなる
製造現場の作業場や倉庫管理業務などは、職員同士の持ち場が離れていて、コミュニケーションが取りにくい環境です。一人で作業をしていると、正しく作業できているか不安に感じる方もいるでしょう。簡単にコミュニケーションを取れる環境を構築すると、職員の不安を早期に解消できます。
また、職員同士のコミュニケーションが活性化されることで、職場の結束力が高まります。風通しの良い職場になると、職員も働きやすくなり長期雇用につながるでしょう。
無駄な連絡を減らせる
従来の電話やメールを用いた情報伝達は、「電話がつながらない」「相手がメールを確認したかわからない」などの問題点があります。電話の折り返しや確認のためのメールなど、多くの手間がかかります。現場の作業に集中するためには、このような無駄な連絡を減らすことが重要です。
チャットなどのコミュニケーションツールを用いて、全員が効率的に情報共有できる環境を構築しましょう。チャットの履歴を確認すれば、作業指示の再確認などの連絡を減らせます。指示を伝える側と受ける側の双方が無駄なやり取りを減らし、ストレスなく作業に取り組めるでしょう。
工場内でコミュニケーションが重要になる場面とは
工場内には、製造現場や倉庫管理業務など、さまざまな業務があります。効率的に業務を遂行するためには、職員同士のコミュニケーションが重要です。工場内で特にコミュニケーションが重要な場面を解説していきます。
工程・スケジュール管理
製造業では、納期などのスケジュールを守ることが重要です。そのために必要なのが、工程管理表などの計画を立てて、それを全員が共有し実行していくことです。工程に携わる全員が、納期までのスケジュールを把握し連携が取れると、効率的に作業できるでしょう。
特に、工程やスケジュールが変更されたときは、早期の情報共有が必要です。連絡の遅延による作業のやり直しは、作業員の負担の増加やモチベーションの低下につながります。早期に重要事項を共有できる環境を構築しましょう。
複数のチーム間の情報共有
工場内では、複数の生産ラインで作業を行います。全体の作業工程がスムーズに進んでいるかを、それぞれのチームが把握していることが重要です。リアルタイムで進捗を確認できると、作業が遅れているチームを早期にサポートできるなど、全体の作業効率を改善できます。
また、全体を把握できると、どのチームに負担が集中しているかがわかるようになります。適切に人員を配置できるようになり、過剰労働の防止にもつながるでしょう。
勤怠管理
職員の勤怠管理を把握することは、工程管理などの計画を遂行するためにも重要です。把握していないと、生産ライン間で作業員の負担が偏ったり、人員の配置が不適当で作業員が休みを取れないなどの問題が生じます。勤怠管理をしている職員とのコミュニケーションを円滑にして効率的に勤務すると、労働時間の削減などのメリットがあるのです。
効率的に人員配置すると、職員も働きやすくなります。職員の負担軽減により職場への満足度が向上して、長期の人材確保につながるでしょう。
工場内のコミュニケーションの問題点
工場内のコミュニケーションには、以下のような問題点があります。
- 作業員の持ち場が離れているので、全員に指示を届けることが難しい
- 機械の騒音で会話が聞き取りづらい
- 電話による連絡は、作業を止めてしまう
- トラブルが起こった際に、すぐに管理者に連絡を取れない
- 離れた工場と作業の進捗状況を共有するのが難しい
このような問題点の理由として、「工場内の広さ」、「作業員や部署の多さ」、「工場内の騒音」の3点が挙げられます。
工場内は広く、離れた場所にいる作業員への情報共有が難しいです。トランシーバーなどを使用していても、音声が聞き取りづらかったり、電波が混信したりして、スムーズな連絡が難しい場合があります。連絡が取れなければ、管理者が指示を直接現場に伝えなければならず、余計な手間がかかるでしょう。
工場内では多くの作業員が、それぞれの部署ごとに作業を進めています。重要な情報を全員に共有するには、従来の電話やメール、口頭での伝達では多くの時間がかかります。情報共有が遅れたり、伝わらなかったりすると、作業のやり戻しが発生するなどの問題が起こるでしょう。
工場内は大型の機械が稼働していて、大きな騒音を出しています。そのような状況では、近くにいてもスムーズに会話するのは難しいです。しっかりと指示を確認できないまま作業すると、効率的に作業できないばかりか、事故が発生する危険性があります。
このような問題を解決するには、工場内のコミュニケーションのIT化が有効です。工場内のコミュニケーションを効率化して、これらの問題を改善する方法を解説していきます。
ITツールで工場内のコミュニケーションを効率化
ITツールの活用方法とメリット
工場内のコミュニケーションを効率化するには、ITツールの導入が欠かせません。具体例を下記に挙げています。
- スケジュール管理ツールにより作業スケジュールなどの情報共有を効率化できる
- スマホやウェアラブルデバイスを用いて、騒音の中でもスムーズな会話ができる
- チャットツールを用いて日々の連絡を記録し、いつでも確認できる
スケジュール管理ツールを導入すれば、職員がいつでも簡単にスケジュールを確認できます。それにより、他の職員に質問して作業を止める必要もなくなります。必要な情報を効率よく把握し、職員が自分の作業に集中できる環境を作りましょう。
スマホやタブレットなどのモバイル端末は、職員が常時携帯できるので離れていても瞬時に連絡を取れます。工場の騒音の中でも、ウェアラブルデバイスを用いると円滑な会話が可能になります。ハンズフリーで会話できれば、作業を止めずにコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
日々の業務連絡にチャットツールを使用すると、離れた工場とも円滑に連絡を取れます。連絡のやり取りが記録されるので、職員はいつでも業務連絡などを確認できます。休みを取っている職員もチャットを確認することで、連絡の内容を把握できてスムーズに業務に取り組めるでしょう。
ITツールのデメリット
このように工場内のコミュニケーションをIT化によって効率化することは、情報共有の効率化、生産性の向上、事故の防止など多くのメリットを与えてくれます。では、IT化を進めるときに注意する点は何かあるのでしょうか。
それは、「誰でも簡単に使えるツールか」、「情報共有をリアルタイムで行えるか」の2点です。多くの機能が付いたシステムでも、それを使いこなせなければ意味がありません。
使いこなせたとしても職場の管理者に限られるなど、結局属人化してしまえば、効率的に業務を行うのは難しくなってしまいます。誰でも簡単に情報にアクセスできるツールの導入が望ましいでしょう。
情報共有はリアルタイムに行うことに意味があります。連絡が来ていても、作業が終了したあとに確認したのでは、作業のやり戻しなどが発生するかもしれません。重要な情報を、リアルタイムで共有できるツールなのかを確認して導入する必要があるでしょう。
まとめ｜工場内のコミュニケーションをツールの導入で効率化
工場内のコミュニケーションは、作業の効率化や納期の遵守、事故の防止、職場環境の改善など多くの面で重要になります。効率的にコミュニケーションを取れれば、作業のやり戻し防止や連絡の確認が容易になるなど、作業員が自分の業務に集中できます。業務の効率化によるコスト削減、作業環境の改善による労働時間の削減など、企業と作業員の双方に大きなメリットがあるでしょう。
工場内のコミュニケーションの効率化には、ITツールの導入が必要です。適切に導入できれば、「全員の情報共有が難しい」、「騒音で会話が聞こえにくい」など、工場内のコミュニケーションの問題点を改善してくれます。実際に使用する職員の声も確認しながら、効果的なツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
スケジュール管理のことなら、私たちにご相談ください。
私たちは、予定共有ができるスケジュール管理クラウド「クロジカスケジュール管理」を提供しています。 豊富な知見を活かし、お客様のお仕事に合ったご利用方法をご提案します。 チームの情報共有でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。
