クラウド保守の範囲や注意点まで解説、クラウド保守会社 5社の比較も!

企業のIT環境は急速に変化しており、従来のオンプレミス環境からクラウドへの移行が加速しています。しかし、クラウド環境の導入後、その保守運用に課題を感じている企業も少なくありません。効率的なリソース管理、セキュリティ対策、コスト最適化など、クラウド環境特有の課題に直面しているのではないでしょうか。

本記事では、クラウド保守運用の基礎知識から、主要な保守会社の比較まで詳しく解説します。さらに、クラウド保守運用の注意点や保守運用をスムーズにするためのポイントについても説明していきます。本記事を通じて、皆様のクラウド保守運用に関する理解が深まり、最適な保守運用戦略の策定にお役立ていただけますと幸いです。

この記事でわかること

① クラウド保守運用の基礎知識
② クラウド保守運用の作業範囲
③ クラウド保守・運用会社の特徴比較

クラウド保守運用とは

クラウド保守運用とは、クラウド上で稼働するシステム(サーバーやソフトウェア)を安定的に維持し、最適化する一連の活動です。具体的には、24時間365日のシステム監視、ソフトウェアの更新やパッチ適用、セキュリティ管理、データバックアップ、障害対応などが挙げられます。

またクラウド保守運用においては、パフォーマンスの最適化やコスト管理も重要な要素です。適切な保守運用により、サーバーの安定性向上、セキュリティ強化、運用コストの最適化が実現されます。結果として企業のビジネス継続性(Webサイトの安定稼働など)と競争力の向上(保守運用コスト削減)に貢献します。そのためには、AWSやAzureといったクラウドプロバイダーとの責任分担を理解し、適切に管理することが重要です。

保守と運用の違い

保守と運用は、どちらもクラウドサービスの安定稼働に不可欠な要素ですが、それぞれ異なる役割を担っています。保守は、システムの安定稼働を維持するための活動であり、定期的なメンテナンスや障害対応などが含まれます。一方、運用は、システムを効率的に運用するための活動であり、パフォーマンスチューニングや負荷分散などの業務が含まれます。

保守・運用の範囲

クラウド保守の範囲は、クラウド保守会社によって異なりますが、一般的には以下の項目が含まれます。

インフラ管理

インフラ管理は、クラウド保守の中核を成す重要な要素です。これには、サーバー、ネットワーク、ストレージなど、クラウド環境を支える基盤技術の総合的な監視、管理、メンテナンスが含まれます。

具体的には、サーバーのパフォーマンス最適化、ネットワークの安定性確保、ストレージ容量の効率的な運用などが挙げられます。これらの要素を常時モニタリングし、潜在的な問題を事前に検知・対応することで、システム全体の安定稼働と高いパフォーマンスを維持します。

セキュリティ対策

クラウド保守運用のセキュリティ対策の主な目的は、大切なデータや情報を守ることです。インターネット上の悪意ある人々からの攻撃を防ぎ、システムの安全性を高めます。また、お客様の個人情報を適切に管理し、ビジネスの継続性を確保します。これらの対策により、企業の信頼性を維持し、安心してクラウドサービスを利用できる環境整備が実現できます。

セキュリティ対策の具体的な方法としては、ファイアウォールの設定と管理、侵入検知システム(IDS)および侵入防止システム(IPS)の導入・運用、そして定期的なセキュリティパッチの適用が挙げられます。

アプリケーション監視

アプリケーション監視とは、クラウド上で稼働するアプリケーションのパフォーマンスを継続的に追跡し、最適な状態を維持する活動を指します。具体的には、アプリケーションの応答時間、リソース使用率、ユーザーアクセス状況などを常時モニタリングします。

また、エラーログの分析も行い、潜在的な問題や異常を早期に検出します。これにより、アプリケーションの安定稼働を確保し、ユーザー体験の向上とシステム全体の効率化を実現します。

障害対応・復旧

クラウド保守における障害対応は、システムの安定性と信頼性を維持するための重要な要素です。予期せぬ問題が発生した際の迅速かつ効果的な対処を指します。具体的には、障害の検知後、直ちに原因調査を開始し、問題の根本原因を特定します。

その後、適切な復旧作業を実施し、システムを正常な状態に戻します。この過程では、影響範囲の最小化とダウンタイムの短縮が重要です。このような一連の障害対応を行った後は、障害の再発防止策を講じ、将来的なリスク軽減にも努めることを忘れてはいけません。

バックアップ

クラウド保守における「バックアップ」は、システムの安定性と事業継続性を確保するための重要な要素です。定期的なデータのバックアップを行い、障害や災害発生時に迅速にシステムを復旧できる体制を整えます。

これには、自動化されたバックアップスケジュールの設定、複数の地理的位置へのデータ分散が含まれます。適切なバックアップにより、データ損失のリスクを最小限に抑え、システムの可用性を確保することができます。

クラウド保守会社5社の比較

ここまでは、クラウド保守運用の概要や保守の上での注意点、ポイントを解説してまいりました。上記の内容は自社でクラウド保守を内製する際に活用いただければと思います。一方でクラウド保守運用の対応には膨大な人的コストと高い専門性が求められることもご理解いただけたのではないでしょうか。以下では、そんなクラウド保守運用を代行することができる代表的な会社を5社に絞ってご紹介します。

会社名支援実績企業
※敬称略
24時間365日対応月額費用対応クラウド
クロジカサーバー管理LIFULL,JOYSOUND,明治大学¥ 59,800〜AWS,Azure,GCP 他
クラスメソッドロクシタン,東急,PayPay銀行要問い合わせAWS,Azure,GCP
サーバーワークスファミリーマート,みずほ銀行,丸紅要問い合わせAWS,Azure,GCP
NHNテコラス三菱地所,エアトリ,慶應義塾大学要問い合わせAWS,GCP
ジードentax,日本評論社,ビジネスステーション21¥ 38,500〜
※別途初期費用¥ 110,000
AWS,Azure,GCP
ビヨンド東京書籍,富士電機,マルコメ¥ 39,800〜
※別途初期費用が必要(要問い合わせ)
AWS,Azure,GCP 他
※上記は2024年9月11日時点での情報

クロジカサーバー管理

クロジカサーバー管理は、2004年の創業以来、法人向けにクラウドに精通したエンジニアによる高度なセキュリティを担保したクラウド運用を提供し続けています。有人対応の技術は当然のことながら、独自の自動復旧システムの構築により安定したサーバー環境を実現しています。クロジカシリーズ合計で1,800社以上の導入実績があり中止企業から大手上場企業まで幅広い支援を行っています。

クラスメソッド株式会社

クラスメソッド株式会社は、AWSのプレミアコンサルティングパートナーとして知られる日本のIT企業です。クラウド導入からアプリケーション開発、運用保守まで幅広いサービスを提供しています。特にAWSに特化したサービス提供に強みを持ち、多数のAWS認定資格保有者を擁しています。クラウド保守においては、24時間365日の監視体制を整え、障害対応や性能最適化、セキュリティ管理などを包括的に行っています。同社の実績は多岐にわたり、大手企業から中小企業まで、様々な規模・業種の顧客にサービスを提供しています。
参考URL:https://classmethod.jp/

株式会社サーバーワークス

株式会社サーバーワークスは、AWSに特化したクラウドインテグレーションサービスを提供しています。AWSプレミアコンサルティングパートナーの認定を受けており、クラウド移行からシステム構築、運用保守まで一貫したサービスを展開しています。クラウド保守においては、24時間365日の監視体制を敷き、独自開発のクラウド運用管理ツール「Cloud Automator」を活用した効率的な運用を実現しています。多数のAWS認定技術者を抱え、大手企業から中小企業まで幅広い顧客に対してサービスを提供し、多くの導入実績を有しています。
参考URL:https://www.serverworks.co.jp/

NHNテコラス株式会社

AWS・クラウド、ビッグデータ解析などのIT分野で包括的なサービスを提供しています。クラウド保守においては、オンプレミスとクラウドの両方に精通したエンジニアが、初期設計から移行・導入、ハイブリッド環境の統合管理までワンストップでサポートしています。同社のManaged Cloud構成・運用サービスでは、24時間365日の監視体制を整え、クラウド環境の安定運用と最適化を実現しています。
参考URL:https://nhn-techorus.com/

株式会社ジード

株式会社ジードは、クラウドの運用代行、導入時の構築、およびクラウド上でのシステム開発を専門とする企業です。Azure、AWS、GCPの3大クラウドに対応し、24時間365日の監視体制を整えています。クラウドの稼働状況、システムやネットワークの死活監視、リソース監視などを専門スタッフが常時行い、障害発生時には原因究明と初期対応を実施します。また、日々の運用管理として、各種設定変更やソフトウェアのアップデート、バージョンアップなども代行しています。
参考URL:https://www.zead.co.jp/

株式会社ビヨンド

株式会社ビヨンドは、AWSやGCP、Azureなどのマルチクラウドに対応したクラウド/サーバー構築および24時間365日の運用保守サービスを提供しています。オンプレミスからクラウドへの移行や、古いサーバー環境から新しいサーバー環境への移行をサポートし、顧客の目的や用途に合わせた最適なクラウド設計・構築を行っています。ゲームやアプリ、ECサイト、メディアサイトなどの大規模なWebサービスのインフラ構築・運用に強みを持ち、数十台から数百台にも及ぶ大規模な構成や高負荷なインフラ環境のスケール対応、パフォーマンスチューニングをサポートしています。
参考URL:https://beyondjapan.com/

クラウド保守運用代行会社の選定ポイント

クラウド保守運用会社を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

・保守契約内容:運用・保守の範囲、監視体制、障害対応時間、責任範囲など
・料金体系:月額料金、初期費用、追加費用など
・経験実績:過去の運用実績、顧客満足度など
・サポート体制:電話サポート、メールサポート、チャットサポートなど

また複数の会社から見積もりを取り、比較検討することは欠かせません。

今回は、クラウド保守の概要から保守範囲まで解説いたしました。ご覧いただいたようにクラウド保守運用は、クラウドサービスを利用する上で欠かせない要素です。適切な保守運用を行うことで、システムの安定稼働を維持し、ビジネスの継続性を確保できます。

また、自社でクラウド保守体制の構築が難しい場合は後半でご紹介したクラウド保守会社5社を参考に保守運用代行を検討されてみてはいかがでしょうか。以上本記事が、皆様の会社にとって最適な運用方法を見つけていただけるきっかけになりますと幸いです。

監修者:クロジカサーバー管理編集部

コーポレートサイト向けクラウドサーバーの構築・運用保守を行うサービス「クロジカサーバー管理」を提供。上場企業や大学、地方自治体など、セキュリティ対策を必要とするコーポレートサイトで250社以上の実績があります。当社の運用実績を踏まえたクラウドサーバー運用のノウハウをお届けします。

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