サーバーを分離するメリットとは?|マイクロサービスについて解説!

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

アプリやホームページの基盤となるサーバー。サーバーの冗長化や負荷分散・スケールアップをすることで、Webサイトの可用性・耐久性を向上させている企業も多いでしょう。

しかし、サーバー運用に関するソリューションは上記以外だけではありません。本記事では、アプリケーションや機能を細かい単位で分離・組み合わせて構築するマイクロサービスアーキテクチャについて解説します。

マイクロサービスとは

マイクロサービスとは、1つのアプリケーションを小さなサービスの集合体として構築する考え方です。ここでは、マイクロサービスとその対義語であるモノシリックアーキテクチャについて解説します。

マイクロサービスアーキテクチャ

マイクロサービスアーキテクチャは、Webサーバー・データベース・メール配信機能・ストレージなどそれぞれの機能を分離し構築する手法です。

各サービスは独立しており、それぞれがAPIにより通信を行います。また、各サービスは単一の機能しか持ち合わせていないことも特徴の一つです。デジタル庁が策定した「デジタル社会推進標準ガイドライン」では、クラウド開発時においてはマイクロサービスアーキテクチャの採用が有効であるとされています。AmazonやNetflixの大手企業もマイクロサービスアーキテクチャを採用しています。

モノリシックアーキテクチャ

モノリシックアーキテクチャは、アプリケーションを単一の大きな単位として開発する手法です。本手法では、すべての機能が一つのアプリケーション内に統合されています。具体的には、1台のサーバー内にプログラムコードやデータベース・メール送信・認証・決済機能などを組み込みます。

モノシリックアーキテクチャは、初期の開発や小規模アプリケーションには適していますが、アプリケーションが成長するにつれて複雑化し、新機能の追加や既存機能の更新が難しくなります。また、アプリケーションの一部を修正した場合も、修正していない箇所を含む全体を再ビルド・デプロイしなければなりません。

中~大規模なアプリケーションの場合、1回のビルド・デプロイだけでも数十分~数時間掛かる場合もあります。その間、開発メンバーは別の開発も進められなくなるため工数増加やモチベーションも低下してしまいます。

マイクロサービスのメリット

ここからは、マイクロサービスアーキテクチャのメリットを詳しく解説します。マイクロサービスアーキテクチャでは、柔軟性やセキュリティ・コスト効率などあらゆる面においてメリットがあります。

柔軟性・拡張性が高い

マイクロサービスアーキテクチャは柔軟性・拡張性が高いというメリットがあります。

独立したサービスの集合で構成されているため、特定の機能を改善または追加する際、全体のアーキテクチャを変更する必要がありません。これにより、新しい技術の導入や市場の変化への迅速な対応が可能になります。また、個々のサービスが分離しているため、全体のシステムに影響を与えることなく、継続的な改善や拡張が行えます。

セキュリティ・耐障害性

セキュリティ・耐障害性の面でもメリットがあります。

各サービスは独立して運用されるため、不正アクセスにより一部のサービスへの侵入を許してしまった場合でも、その単体サービスが所有している局所的な情報のみの被害となります。

また、一つのサービスに問題が発生しても他のサービスへの影響を最小限に抑えることができます。これにより、システム全体のダウンタイムを減らし、サービスの可用性を高めることが可能です。

コスト効率

マイクロサービスアーキテクチャは、コスト効率の面でも優れています。各サービスは必要に応じて個別にスケールすることができるため、使用されていないリソースへの投資を削減できます。

例えば、データベースは一般的なWebサーバーよりもメモリを多く消費します。そのため、モノシリックアーキテクチャの場合はWeb・データベースなどそれぞれの特性を考慮してサーバースペックを選定しなければなりません。また、ストレージもモノシリックアーキテクチャの場合はWeb・メールなどそれぞれにパーティションを調整しながら運用する必要があります。

マイクロサービスアーキテクチャの場合は、単一のサービスごとにスケールアップ・ダウンをするため、該当サービス以外のサービスに影響を与えることなく作業が可能です。また開発時においても、単体サービスごとに構築が可能であるため、効率よく開発を進めることができます。これによりプロジェクト全体のコストを抑えた開発・運用が実現できます。

AWSとマイクロサービス

ここからは、クラウドシェアNo.1である、AWS(Amazon Web Services)を利用したマイクロサービスアーキテクチャの構築方法をご紹介します。

AWSにおけるマイクロサービスの運用

AWSは、マイクロサービスアーキテクチャ運用に適した200以上のサービスを提供しています。

例えば、Webサーバーとして、Amazon EC2やAmazon ECSなどのコンピューティングサービスを、データベースとしてAmazon RDSやAmazon DynamoDBを導入します。さらに、メール配信のSES、監視機能サービスであるCloudWatch、ファイルストレージであるS3など多数のサービスが存在します。

上記のようなサービスを複数組み合わせて1つのアプリケーションを構築します。これにより、マイクロサービスアーキテクチャの構築を可能にし、柔軟性や可用性・コスト効率のよいシステムが実現できるのです。

具体的なAWSサービスの例

それでは、AWSサービスを利用した具体的なマイクロサービスアーキテクチャの例を見ていきましょう。今回は会員制の動画プラットフォームサービスを例に挙げてAWSで構築する場合の構成例をご紹介します。

・EC2(Webサーバー機能)
CMS(Contents Management System)、Webサーバーとして利用します。プログラムコードを設置し、RDSやSES・S3に実行命令を行います。

RDS(データベース機能)
個々の動画のタイトルやアップロード日時、動画の説明文、S3に保管されている動画のパス情報、会員情報など、データベースとして情報を保管します。

ALB(負荷分散機能)
ロードバランサーとして、EC2の負荷分散を行います。ログイン状態を維持するスティッキーセッションや負荷分散方式の制御も可能です。

S3(ストレージ機能)
動画コンテンツの保管を行います。ストレージ機能に特化しており、容量無制限・低コストなどのメリットがあります。

SES(メール配信機能)
会員に対するお知らせや、登録時のウェルカムメールなどを配信します。

CloudFront(CDN機能)
CDN機能を用いて静的ファイル・動画コンテンツのキャッシュ配信を行います。

▼CDNについての詳しい解説記事はコチラ
【Web担当者が知っておくべき】CDNとは?概要やメリットを解説!

CloudWatch
EC2やALB、RDSのCPUやMemory・log・5xxErrorなどインフラリソースの監視を行います。以上のように、マイクロサービスアーキテクチャでは各機能を分離させて構築していきます。

その他にも、DDoS対策やファイアウォール・暗号化・オートスケーリングなどの実装も可能です。これにより柔軟且つ効率的なシステムが完成します。

AWS移行・サーバー運用は「クロジカサーバー管理」へ!

本記事では、サーバー機能を個々に分離して構築するマイクロサービスアーキテクチャのメリットとマイクロサービスを構築可能とするAWSのソリューションについて解説しました。

マイクロサービスはそれぞれが疎結合の状態で構築されるため、セキュリティリスクや障害時のリスクを最小限に抑えることが可能です。また、システムの機能追加やスケールアップも簡素化できるため開発効率の向上が期待できます。

しかし、AWSの構築・移行には一定の技術的なスキルや経験を必要とします。AWSエンジニアを採用し、サーバー環境の移行と運用を行うには時間・コストが掛かってしまいます。そのため、AWSへの移行・運用は外部へアウトソースすることをおすすめします。

そこで、弊社が運営する「クロジカサーバー管理」のご紹介です。「クロジカサーバー管理」は、AWSへの移行及び移行後の運用のトータルサポートサービスを提供しています。

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ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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