動的CMS・静的CMSの違いとは?|メリット・デメリットを解説!

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

企業のホームページやECサイトを効率的に構築・更新ができるCMS(Contents Management System)。「第3回 政策評価・行政事業レビュー有識者会議資料」によると、日本の各府庁HPをデジタル庁が統括してCMSを開発・運用する動きも出てきました。これにより運用者・利用者の利便性向上と各府庁の費用・負荷軽減が期待されています。

日本ではCMSと言えばWordPressが一般的となっていますが、カスタマイズ性に富んだCMSや数百万のコンテンツを管理できるCMSなど様々な種類があります。本記事では、動的CMSと静的CMSに着目し、その特徴やメリット・デメリット、構築・運用方法の違いについて解説します。

動的CMSと静的CMSとは

CMSには大きく、動的CMSと静的CMSが存在します。ここではそれぞれの特徴について解説します。

動的CMS

動的CMSは、リアルタイムでのコンテンツ更新が可能なシステムです。

データベースと連携し、ユーザーのリクエストに応じてコンテンツを生成します。動的CMSの例は、WordPressやDrupal、Magentoなどです。動的CMSはカスタマイズ性が高く、ユーザーごとにページを出力することが可能であるためECサイトやお問い合わせページが必要なサイトに利用されます。

静的CMS

静的CMSは、予めコンテンツを生成しておき、それをそのまま配信するシステムです。

動的CMSと異なり、ユーザーがサイト閲覧時にデータベースへの問い合わせが発生せず、HTMLファイルなどを表示させます。静的CMSの例として、Movable Type、TeamSite、WebReleaseなどが挙げられます。静的CMSはサーバー負荷が少なく、高速な表示が可能なCMSです。CMSによっては数百万ページもある企業HPなどを動かすことも可能となります。

CMSの違いによるメリット・デメリット

ここからはCMSの違いによるメリット・デメリットを解説します。各々の特徴と利点が異なるため、自社に合ったCMSを選びましょう。

動的CMS

動的CMSはユーザーごとにページをリアルタイムに生成できるメリットはありますが、その分サーバーの負荷・表示速度が遅くなるといったデメリットがあります。また、プログラムやデータベースと同一環境の場合は不正アクセスや改ざんなどのセキュリティリスクも発生します。

カスタマイズと柔軟性に優れている

動的CMSの最大の魅力は、そのカスタマイズ性と柔軟性にあります。ユーザーの行動や好みに基づいて、リアルタイムでコンテンツを変更することが可能です。さらに、プラグインやAPIを活用することで、様々な機能を追加し、ウェブサイトの機能を拡張できます。

リアルタイムなコンテンツ更新

動的CMSのもう一つの利点は、リアルタイムでのコンテンツ更新能力です。

コンテンツ管理システムを通じて、瞬時にウェブサイトの内容を更新し、訪問者に最新の情報を提供することができます。これは、ニュースサイトやイベント情報・在庫状況など、頻繁に情報更新が必要なサイトにとって特に重要です。また、Webサイト管理者にとっても更新内容がすぐに反映されるというメリットがあります。

高性能なサーバーが必要

動的CMSを効果的に運用するためには、高性能なサーバーが不可欠です。

リアルタイムのデータ処理と高度なカスタマイズ機能は、サーバーに大きな負荷をかけます。例えばWordPressの場合、ユーザーが1ページを閲覧するたびにサーバーとデータベース間で数回~数十回のやり取りが発生します。

・投稿やページの内容を取得するためのクエリ
・メニューやウィジェットなどのサイト構造に関連する情報のクエリ
・プラグインやテーマによる追加のクエリ

そのためサーバー負荷が上がると同時に、表示速度が遅くなるというデメリットが懸念されます。

セキュリティリスクがある

動的CMSの場合、WebサイトとCMS・データベースが同一環境であることが多いです。そのため、不正アクセスやデータ改ざんのリスクが発生します。データベースサーバーをプライベートなネットワークに移行する、セキュリティ関連のプラグインを導入する、定期的なセキュリティアップデート対応などが必要です。

静的CMS

続いて、静的CMSのメリット・デメリットについて解説します。静的CMSは表示速度が速く、高セキュリティといったメリットはありますが、更新作業にひと手間必要であったり、動的コンテンツを扱えないといったデメリットがあります。

堅牢なセキュリティ

静的CMSの大きな利点の一つは、その堅牢なセキュリティです。

静的CMSは、事前に生成されたHTMLファイルを使用するため、データベースやサーバーサイドスクリプトへの攻撃のリスクが大幅に減少します。特に、セキュリティが最優先事項となる企業や機密性の高い情報を扱うサイトにとって、静的CMSは理想的な選択肢と言えるでしょう。

表示速度の高速化

静的CMSは、サーバーへの負荷が少ないため、ウェブページの表示速度が速いというメリットがあります。ページの読み込み速度は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響を与える重要な要素です。SEOの観点からも、高速なページロードは検索エンジンランキングの向上が期待できます。

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更新に労力が必要

静的CMSのデメリットの一つは、ウェブサイトの更新にかかる労力です。静的CMSでは、コンテンツの更新のたびにファイルを再生成し、サーバーにアップロードする必要があります。また、コーディングスキルやLinux・FTP・CI/CDの知識が必要になることも、Web担当者の方にとっての障壁となる場合があります。

CMSによる構築・管理方法の違い

最後に、動的CMSと静的CMSによる構築や管理方法の違いについて解説します。動的CMSと静的CMSでは、ITインフラの構成方法が異なります。動的CMSでは、高性能なWebサーバーやデータベースサーバーなどが必要です。CDNを利用する際は、静的ページと動的ページの設定をしなければなりません。

冗長性を確保する場合、サーバーの共有ストレージのマウントや定期的な同期処理が必要となります。また、管理には定期的なセキュリティアップデートとパッチ対応が必要です。一方で静的CMSの場合、Web公開用サーバーは低スペックなものでも運用可能です。

もしくは、AWSのS3というストレージサービスの静的ホスティング機能を利用して耐障害性のあるサイトを構築できます。全サイトが静的なページであるため、CDNの導入が容易です。また、静的サイトはサーバー側の複雑さが少ないため、セキュリティアップデートやパッチが少ないことが特徴です。詳細な構築方法はテックブログの方でもご紹介していますので、是非ご一読ください。

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動的CMSや静的CMSはその特徴からユーザーエクスペリエンスや管理者のスキル、構築・管理方法など様々な違いがあります。そのため、CMSの選択と運用には専門的な知識が必要です。

そこで、弊社の「クロジカサーバー管理」をご紹介します。「クロジカサーバー管理」では、CMSの種類に関わらず最適なサーバー環境の提供と管理を行います。また、24時間監視やバックアップ・セキュリティ対応などサーバー管理をトータルでサポートします。CMSサーバー運用のことなら、私たち「クロジカサーバー管理」にお任せください。

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ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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