こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。
自社ECサイトの売上やサービスの問い合わせ数を増やすことは、企業やWebディレクター・サイト担当者にとって非常に重要な課題です。しかし、突然のアクセス数増加はサーバーダウンを引き起こし、企業の信頼性やブランドに影響を及ぼす可能性があります。本記事では、AIと機械学習を活用してアクセス数を予測し、サーバーダウンを防ぐ方法について解説します。
目次
Webサイトとアクセス数の関係
はじめに、Webサイトとアクセス数の関係について解説します。アクセス数が増えることは担当者にとって嬉しいことではありますが、それだけではありません。
アクセス数の変動による影響
突然ですが、自社Webサイトのアクセス数はどのように変動しているでしょうか?Webサイトのアクセス推移は日次・月次・年次によっても変わります。例えば、1日1万人が見るWebサイトであっても、時間別に解析すると日中帯のアクセスがほとんどで深夜帯は数十人程度という場合もあるでしょう。
このような状態は日次だけでなく、月や年間を通して変動があるはずです。上記のような場合、アクセスが集中している時間帯はWebサイトが重くなるなどの影響が発生します。逆に、アクセスが集中していない時間帯はWebサイト自体にも余裕があり、せっかくのリソースを持て余しているということになります。
サーバーダウンに繋がる場合も
サーバーダウンは、予期せぬアクセス増加によって発生します。
例えば、突然のメディア掲載やSNSでの拡散により、予想を超えるアクセスが集中すると、サーバーは負荷に耐えられずにダウンすることがあります。サーバーダウンは、顧客に対して悪影響を及ぼすだけでなく、検索エンジンにも影響が出ます。特にオンラインストアや予約システムを運営する企業にとっては、売上へのダイレクトな影響があるため、サーバーダウンのリスクを最小限に抑えることが重要です。
AI・機械学習を活用したアクセス数予測
続いて、AI・機械学習の概要と、それらの技術を活用したアクセス数予想について解説します。
AI・機械学習の概要と現状
近年、AI・機械学習分野はお掃除ロボットやChatGPTの開発など、私たちにとっても身近な存在となっています。まず、AIとは人工知能とも呼ばれ、コンピューターが人間の知能を模倣する技術です。一方で機械学習とは、コンピューターがデータから学習して、経験に基づき決定や予測を行う技術です。
AIという分野の中に機械学習が包括されており、顔認証システムやAmazonなどの推薦システム(おすすめの表示)、音声アシスタントなどに活用されています。総務省「令和2年版 情報通信白書」によると、AI・IoTシステムを導入した企業の79.8%が「効果があった」と回答しています。
しかし一方で、AI・IoTシステムの導入をしていない企業の理由として、「導入すべきシステムやサービスが分からないから」が46.0%と最も高く、次いで、「使いこなす人材がいないから」(43.7%)となっています。つまり企業は、AIなどのシステムを利用する恩恵はあるが、使いこなせる人材が不足しているという現状があります。
アクセス数予測
AI技術はWebサイトのアクセス数予測に応用することが可能です。AIは、過去のトラフィックパターンを分析し、将来のアクセス数を予測します。例えば、特定の日に予想外のアクセスがあった場合、AIはその日の特性を学習し、同様のイベントが再発する可能性がある日に対してアラートを出すことも可能です。事前にアクセス数の予測を立てることで、サーバーのキャパシティ・リソースを最適化することができます。
その他の活用方法
AIと機械学習の活用はアクセス数予測だけではありません。商品の売上予測やシステムの不正アクセス検出など、Webサイト運用に活用することができます。特に不正アクセス検出では、人間よりも早く検知することが可能であるため、個人情報流出や乗っ取りなどの被害を最小限に食い止めることが可能です。
AWSでサーバーダウンを未然に防ぐ方法とは
次に、AI・機械学習の具体的な導入方法について解説します。
AIシステムを一から構築するには、何万件もの学習用データの準備や学習方法のチューニングなど、非常に手間・コストが掛かります。そこで、クラウドサービスであるAWS(Amazon Web Service)を利用すると、手軽に導入が可能となります。
Auto Scalingで予想スケーリングする
AWSのAuto Scalingとは、トラフィックの変動に応じてWebサイトを動かすサーバーのリソースを自動でスケールアップ・ダウンすることができる機能です。この機能の中に予想スケーリングという機能も搭載されており、機械学習によりトラフィック変動の発生を予測してサーバー数の調節が可能となります。
これにより、システムの繁忙期や閑散期や日中・夜間帯のアクセス数の増減に対応でき、無駄なリソースを消費せずにサーバー運用ができるようになります。
AWS Compute Optimizerで適切なインスタンスタイプを
AWS Compute Optimizerは、使用中サーバーのリソース(CPUやメモリ)を分析し、最適なインスタンスタイプを推奨する機能です。このサービスを利用することで、サーバーの過剰なリソース割り当てや不足を防ぐことができます。
AWS ForecastやAmazon SageMakerで売上やニーズも予測
上記以外にもAWSは様々な機械学習のソリューションを提供しています。AWS Forecastは、機械学習を活用してビジネスの売上や需要を予測するサービスです。過去の売上データや水道光熱費などのデータをインポートすることで簡単に時系列予測をすることができます。
また、Amazon SageMakerでは分野・利用方法を限定せずに、機械学習モデルを構築することが可能です。AWSの機械学習関連サービスは、Amazonが20年以上に渡って投資・研究してきた経験に基づいて提供されているサービスです。私たちはこの技術を手軽・低コストで活用できるため、非常に有益であると言えます。
サーバー管理は「クロジカサーバー管理」へおまかせ
Webサイト運営にはアクセス数やサーバーリソースの最適化などサーバー管理が不可欠です。しかしながら、日々の業務に追われる中で、サーバーの運用や管理・機械学習の知識やスキルを身に着けることは容易ではありません。
「クロジカサーバー管理」では、お客様のサーバーを24時間365日監視し、安定したサーバー運用を提供することが可能です。また、オンプレミスからAWSへの移行からAuto Scalingの設定・サーバースペックの適正化などトータルでサポートしています。万が一障害が発生した場合でも、専門のスタッフがバックアップのリストアからお客様への報告までワンストップで提供致します。
他にも、事業会社様のウェブサイトをデザインされるWeb制作会社様でクライアント様から「サーバー管理まで対応してほしい」というお声がある場合、Web制作会社様向けのパートナープログラムもご用意しておりますので、詳細のご質問などについてお気軽にお問い合わせください。
▼パートナープログラムについて
https://kurojica.com/server/partner-program/
ライター:kait78
元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。
コーポレートサイトをクラウドでセキュアに
無料ではじめるサーバー管理
クロジカガイドブック
- コーポレートサイト構築・運用の課題を解決
- クロジカサーバー管理の主な機能
- 導入事例
- 導入までの流れ