こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。
スマートフォンやパソコンから気軽に商品を購入できるECサイト。総務省「令和3年 情報通信白書」によると、オンラインショッピングは2020年3月以降に急速に増加し、二人以上の世帯の約半数以上が利用する状況が続いているようです。オンラインショッピングの需要が益々増える中、ECサイトの表示速度は非常に大きな影響を及ぼします。今回は、ECサイトの表示速度の影響や改善方法をご紹介します。
ECサイトの表示速度による影響
ECサイトの表示速度が遅いと、ページの表示が「読み込み中」から遷移しなかったり、真っ白なページの状態が続くことになります。ユーザーは表示速度が遅いと、ECサイトのページから離れてしまう傾向にあるようです。ここでは、ECサイトの表示速度が与える影響についてご紹介します。
表示速度が3秒以上かかると5割の人がWebサイトを離れる
Webページには「3秒ルール」という表現があります。
Googleの調査によると、Webページの表示までに3秒かかると、そのWebページを見ることなく、53%の人が別のサイトに移ってしまうそうです。そのため、Webページは検索サイトのクリック後、3秒以内にページが表示できることが望ましいとされています。ECサイトの利用者数が減少するため、サイトの表示速度は売上にも直結すると言えるでしょう。
SEOにも影響を及ぼす
表示速度が遅い場合、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)にも影響があるとされています。Googleなどの検索エンジンの表示順位が下がってしまい、ユーザーからECサイトが見つかりづらくなってしまいます。
決済エラーの原因にも
ページ表示速度が遅いと、決済エラーになってしまう場合があります。ユーザーが「購入する」をクリックした後に、次のページ表示が遅くなりサーバー側でタイムアウトのエラーとなってしまうのです。
ユーザー側も決済が成功したのか、失敗したのか分からなくなってしまったり、購入ボタンを複数回クリックして多重決済が行われてしまうなど、クレームやサービス品質の低下の原因となってしまいます。ECサイトはお金が関わるサイトであるため、決済システムは非常に重要です。
ECサイトの表示速度確認方法
次に、ECサイトの表示速度を確認する方法について見ていきましょう。表示速度を確認するには、表示速度計測ページやツールを利用します。
PageSpeedInsight
PageSpeedInsightはGoogleが提供する無料のツールで、ECサイトの表示速度を評価し、その改善案を提案してくれます。モバイルとデスクトップの両方の速度評価が可能です。
Code Profiler
WordPressなどのCMSを使用している場合、プラグインのパフォーマンスを評価するためのCode Profilerというプラグインが便利です。WordPressで使用されているプラグインやテーマに分けて処理時間を表示します。
Google Chromeデベロッパーツール
少し上級者向けの確認方法となりますが、Google Chromeのデベロッパーツールでも表示速度が確認できます。実際のページをデベロッパーツール上で確認することで、画像読み込みやテキスト表示の時間が計測可能です。表示速度だけでなく、キャッシュヒットやエラー内容も出力されるため、原因の特定にも繋がりやすくなります。
ECサイトの表示速度 改善対策方法まとめ
ECサイトの表示速度を改善するためにはどのような対策が必要なのでしょうか。ECサイトの表示速度は、ECサイト内のコンテンツやサーバーの構成を見直すことで対策が可能です。順に見ていきましょう。
ECサイトの不要なページ等を削除する
ECサイト内の不要なページを削除することで表示速度の改善が可能です。過去のキャンペーンページや、販売していない商品がある場合は削除しておきましょう。
プラグインの見直し・導入
WordPressを利用している場合は、使用していないプラグインの削除を行いましょう。また、表示速度を高速化するプラグインも公開されているため、必要に応じて導入することをおすすめします。高速化プラグインは、画像の圧縮化を行う「EWWW Image Optimizer」やサーバーのキャッシュ高速化が可能な「W3 Total Cache」などが挙げられます。ただし、プログラムのバージョン依存性や他プラグインとの競合があるため、インストールには十分な注意が必要です。
バージョン更新
使用しているプログラミング言語やCMSのテーマ、プラグインを最新バージョンにアップデートしましょう。新しいバージョンにはパフォーマンス向上に関する修正が含まれている場合があります。ただし、バージョン更新も他のプラグインやプログラミング言語に影響が出る可能性があるため注意が必要です。
プログラムの改修
プログラムコードの改修を行い、最適化することで表示速度が改善される場合もあります。例えば、Webサーバーはユーザー情報や画像ファイルを取得する際、別のデータベースサーバーやファイルサーバーにアクセスする場合があります。
Webサーバーが何度もデータベースサーバーやファイルサーバーにアクセスすると、その分表示速度が遅くなってしまいます。また、プログラムコードが長すぎる場合は、それだけ処理時間が長くなるため、コードを短くできる部分は短くする必要があります。
CDN・キャッシュ機能の追加
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を導入することで、ユーザーに近いサーバーからコンテンツを提供し、表示速度を向上させることが可能です。
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【Web担当者が知っておくべき】CDNとは?概要やメリットを解説!
サーバー構成・スペックの変更
サーバーの構成を負荷分散が可能なデュアルアクト(Act/Act)構成に変更する、サーバースペックを上げることで表示速度が改善可能な場合があります。しかし、オンプレミス環境(自社で購入しているサーバー環境)の場合、サーバーの構成やスペックを変えるには数百万円のコストが必要です。これを機会に、サーバー構成やスペック変更が簡単なクラウド環境への移行もおすすめです。
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ECサイトのサーバーはクロジカサーバー管理へ
ECサイトの表示速度が遅い場合、ユーザーの利用率やSEO、決済システムなどに影響が出てしまいます。自社のECサイトの表示速度を確認し、表示に3秒以上かかっている場合は対策を実施しましょう。
表示速度の改善は、不要ページの削除やプラグインの見直しなど簡単にできるものもありますが、バージョン更新やプログラムの更新、CDNやサーバーの構成変更などは専門的なスキルが必要です。自社で上記の対策が難しい場合は、サーバー管理の外部委託業者への依頼をおすすめします。
「クロジカサーバー管理」では、サーバーのトータルサポートサービスを提供しています。ECサイトのバージョン更新やCDN、サーバー構成の変更などを行い、表示速度改善のお手伝いを致します。また、オンプレミス環境からクラウド環境への移行も初期費用無しで導入が可能です。お気軽に「クロジカサーバー管理」へご相談ください。
ライター:kait78
元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。
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