WebサーバーのBCP対策はお済みですか?対応方法を紹介!

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

日本は地震や台風、洪水などの災害が多発する地域であるため、企業のBCP(事業継続計画)対策は非常に重要です。中小企業庁が2019年に発表した「中小企業白書」によると、大規模災害の被災地の中小企業では、100万円以上の損害を受けた企業の割合が7割を超え、1,000万円以上の損害を受けた企業の割合も3割を超えていました。また、4日以上営業を停止した企業は3割を超え、それによる売上高の減少影響があったとされています。

今回は、WebサーバーのBCP対策についてご紹介します。

BCP(事業継続計画)とは

BCPとは、災害や事故などの緊急事態に備え、企業の事業活動を継続するための計画を指します。

企業にとってWebサーバーは、ホームページやアプリケーションを動かす重要なITリソースの一つとなっています。WebサーバーのBCP対策は、サーバーの稼働停止やデータの損失を最小限に抑え、迅速な復旧させるような対策を取ることが重要となります。それでは、具体的なWebサーバーのBCP対策について見ていきましょう。

WebサーバーのBCP対策

WebサーバーのBCP対策はWebサーバーの設置状況により項目が変わります。

自社のサーバールームにWebサーバーを設置している環境を「オンプレミス環境」と呼び、AWS(Amazon Web Service)などでWebサーバーを構築している場合は「クラウド環境」と呼びます。続いてはサーバー設置環境ごとのBCP対策を見ていきましょう。

オンプレミス環境のBCP対策

オンプレミス環境では、サーバールーム内の物理的な対策が重要です。

Webサーバーの転落防止

地震発生時は、サーバーを置いているラックからサーバーが転落する危険があります。特にデスクトップパソコンのような縦置き型のサーバーの場合は揺れに弱いため、対策が必要です。さらに、サーバーの転落により発火するなどの2次被害の恐れもあります。

サーバーラックに取り付けられる専用のサーバー用の固定バンドがありますので、転倒の恐れがあるサーバーは全て取り付けておきましょう。

電源設備対策

台風や落雷による停電に備えた、電源設備対策が必要です。電力供給の安定性を確保するために、会社建物のUPS(無停電電源装置)やバッテリーのバックアップを導入しましょう。しかし、UPSの電力は性能にもよりますが数分から数時間程度しか持たないため、別途発電機の用意も必要となります。

自社の電源設備とそのバックアップについて知らない場合は調べておきましょう。しかしながら、電源設備の増強は非常に高額であり、オフィスビルの場合は設置ができない場合もあります。リスク回避が不可能であれば、下記の「Webサーバー設置拠点」対策や、クラウド環境への移行をおすすめします。

オンプレミス・クラウド環境共通のBCP対策

オンプレミス・クラウド環境共通のBCP対策をご紹介します。

バックアップデータ取得

サーバーのバックアップデータを定期的に取得しましょう。災害によってサーバーが故障して交換が必要になった場合、新しいサーバーに旧サーバーと同様の設定を投入する必要があります。また、運よく故障したサーバーが起動しても、設定データが消失している可能性もあります。データの保存場所も数カ所に分散して保存し、災害時にも迅速に復旧対応ができるように準備しておくことが重要です。

Webサーバーの冗長対策

Webサーバーは冗長構成にしておきましょう。サーバー障害時に別のサーバーが自動的に稼働できるように設定します。さらに、サーバーの設置拠点は複数拠点にすることで、地理的な冗長構成を構築することができます。サーバーの冗長方式は下記の記事で紹介しております。

▼サーバーの冗長方式の解説はコチラ
Webサーバーの「冗長化」は必要?種類・メリット・注意点を解説

その他のBCP対策

ここまで、WebサーバーのBCP対策をご紹介しましたが、実際は故障したWebサーバーを復旧させる「人」や、対策を行う「資金」が必要です。Webサーバーに関連するBCP対策をご紹介します。

人的資源

災害時にWebサーバーの故障や停止があった際、担当者は障害対応を行うために会社に出社する必要があります。しかし、通勤電車が止まっていたり、社員である担当者も同じく被災している状態であるため、大きな災害時は人的資源が不足しかねません。また、担当社員だけでなく、指示系統ができる人材も必要です。会社内の地域が異なる別事業所等でも同じ品質で障害対応できるような準備をしておきましょう。

体制

企業のBPC対策は自社だけの行動・準備だけでは成り立ちません。取引先やサポート会社についても考慮する必要があります。災害時は取引先からの物的な供給が滞ったり、サーバーの保守・運用など十分なサポートを受けられない場合があります。取引先の住所や緊急時のサポート体制を予め把握しておきましょう。

物的資源(金)

一般的に、Webサーバーの購入には数百万掛かってしまいます。冗長構成や予備機の購入をする物的資源が必要です。また、事業所の拠点整備に掛かる部材費やそれらに掛かる人件費等のコストが掛かります。

このように、BCP対策は多大な労力や時間、資金を必要とし、さらに対策内容は際限がありません。コストを掛ければ掛けるだけ、堅牢なシステムができますが、費用対効果は下がってしまいます。会社の資金とリスクのバランスを考えてBCP対策を取りましょう。

BCPチェックリスト作成と訓練

BCP対策は一度実施すれば完了ではありません。継続的なBCP対策の項目チェックと災害を想定した定期的な訓練が必要です。

BCPチェックリストの作成

中小企業庁が公開している「BCP取組状況チェック」や各企業が出しているBCPチェックリストというものがあります。これらのチェックリストに沿って、自社で対応できているか確認しましょう。

これらのチェックは、人の異動や意識の風化から対策漏れが発生する可能性があるため、半年に1回など継続的に続けていく必要があります。

定期訓練の実施

災害を想定した定期訓練を実施しましょう。災害などの異常事態の場合は、人のパフォーマンスは極端に落ちてしまいます。また、異常時は担当者以外のサーバーに対する十分なスキルを持っていない人が対応する可能性もあります。サーバーバックアップからの復元手順や、社内の連絡体制などを確認しておきましょう。BCPの有効性を確保するためにも有効です。

Webサーバー管理を外部委託業者に任せるという選択

WebサーバーのBCP対策は人的資源や物的資源など、たくさんのコストが掛かります。特に、オンプレミス環境の場合は物理的な対策が必要であるため、クラウド環境に比べると数倍の費用負担が発生します。

また、災害時はWebサーバー復旧作業のために現地へ出社することが難しい場合もあるはずです。上記以外の一つの選択肢として、WebサーバーのBCP対策には、専門のサーバー管理会社へ業務を委託するという方法があります。

「クロジカサーバー管理」では、企業様のWebサーバー管理サービスを提供しています。サーバー管理を委託することで、サーバー異常時は企業様の担当者に代わって弊社担当者がサーバー状態の確認や障害対応を致します。さらに、「クロジカサーバー管理」はクラウドサービスであるAWSへのサーバー移行を無料で行っています。

クラウドサービスに移行すると、物理的なBCP対策から解放され、DR対策や冗長対策も簡単に導入が可能です。本サービスは24時間365日のサービスであるため、災害時以外の平常時もWebサーバーの管理を行います。

BCP対策と日常的な業務負荷軽減を同時に実現可能です。「クロジカサーバー管理」が気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。

ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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