こんにちは。「クロジカサーバー管理」プリセールスの高瀬です。
先日、制作会社様よりMovable Type クラウド版とAWSの組み合わせについてご相談をいただく機会がありました。今回はMovable Type クラウド版の特徴と制限について簡単にご説明した上で、AWSと組み合わせたご構成を紹介します。
目次
今回いただいたご相談
今回はエンド様のホームページおよびCMSの刷新にあたり下記を実現したい、というご相談でした。
- Movable Type クラウド版を利用することでCMSのメンテナンスに時間をかけないようにしたい
- CDNの導入およびWebサーバーを冗長化することでサーバー障害に強い構成にしたい
- サイト内にPHPで独自のスクリプトを動作させたい
Movable Type クラウド版の特徴や制限を確認しつつ上記の要件を満たす構成を考えていきます。
Movable Type クラウド版の特徴
インフラについて
Movable Type クラウド版はIDCフロンティア社のクラウド基盤で提供されており、Web、CMSのサーバーが1つに集約されています。
サーバープランは1CPU、メモリ1GBの小規模なものから2CPU、メモリ16GBのものまで豊富なパターンがあります。
アクセス負荷が大きいようであればプラン変更によるスペックアップや、オプションでCDNの追加が可能です。
サーバー機能
サーバーソフトはApache、Nginxから選択可能になっており、Apacheなら.haccess、Nginxなら専用に拡張された設定画面からアクセス制限やリダイレクトの設定が可能になっています。
また、下記の機能があり、サーバーにログインしなくてもWEB、CMSサーバーとして運用ができるようになっています。
- FTPSを用いて画像などのファイルアップロードや外部サーバーへのコンテンツ配信が可能
- Movable Type管理画面からディスク使用量やアクセスログの確認が可能
- 1日1回1世代データバックアップを保存することが可能
セキュリティ
前述のIP制限機能に加えて、「攻撃遮断くん」サーバセキュリティタイプをWAFとしてオプションで追加することが可能です。
Movable Type クラウド版の制限
Movable Type クラウド版ではサーバーやCMSの保守を行う必要がない一方で、下記のような制限があります。
- Webサーバーを冗長化する場合は外部サーバーが必要
- 独自のPHP、CGIは動作させることができない
- PHPモジュールなどを追加導入することができない
AWSと組み合わせた構成
上述の通り、Movable Type クラウド版はFTPSで外部サーバーへコンテンツ配信できるため、配信先のWebサーバー用にEC2を2台用意します。
EC2側は弊社でOS・ミドルウェアを構築するため、サイトの要件に応じてPHP、Perlなどのライブラリを導入して独自スクリプトを動作させることが可能になります。
また、サーバーへのアクセス負荷をCloudFrontで分散させることでさらにアクセス負荷に耐えられる構成にしております。
さいごに
Movable Type マネージドサービス版を利用することでMovable TypeでネックになりがちなPerlモジュールの準備や再構築の負荷対策などの手間をなくしつつ、常に最新版のCMSを安心して利用できるようになります。
一方でコンテンツ配信機能とAWSを活用することで冗長構成を実現しつつコンテンツ制作の幅を広げることが可能です。
CMS側に独自の機能が必要だったり、プラグインでは対応できないようなカスタマイズが必要な際はソフトウェア版の利用を想定してCMSサーバーを含めた構成もご提案可能ですのでぜひご相談くださいませ。
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