こんにちは。「クロジカサーバー管理」コンサルティングチームの西原です。
自治体クラウドの導入において、情報システムの運用コスト削減や情報セキュリティ水準の向上、災害リスクの低減、参加自治体間での業務共通化など様々なメリットが期待できるとされ現在取り組みが加速して推進をされています。今回は、どのような実際のメリットと取り組みがあるのか触れていきたいと思います。
自治体クラウドのメリット
自治体クラウドには以下のような観点がメリットとして挙げられ、有効な取り組みとしてされています。
- 情報システムのコスト削減、業務負担の軽減
- 業務の共通化・標準化
- セキュリティ水準の向上、災害に強い基盤構築(データのバックアップの確保、 業務の継続性)
また、このほか、自治体クラウド の導入を契機としてコンビニ収納、コンビニ交付等の新しいシステムを導入することにより、住民サービスの向上や他の自治体と情報提供・情報共有を相互に行うことによって、他の自治体の取組を参考に自らの団体の業務の改善を図るなどの取組事例も見られています。
さらに、自治体クラウドの導入により削減された費用や投入されていた人的資源を他の分野で有効活用すること(セキュリティ強化や、より付加価値の高いサ ービス提供)が可能となり、その結果、より質の高いサービス提供や、よりセキュ アな情報システムが確保されることを期待されています。
自治体クラウドとは
行政情報システムについては、コスト削減、効率化の観点から、近年、国・地方ともにクラウド化が推進されており、このうち、地方公共団体の情報システムについては、「自治体クラウド」といわれるシステム形態の導入が増加しています。
「自治体クラウド」とは、地方公共団体が情報システムのハードウェア、ソフト ウェア、データなどを自庁舎で管理・運用することに代えて、外部において管理・運用し、ネットワーク経由で利用することができるようにする取組(いわゆる「クラウド化」)であり、複数の地方公共団体の情報システムの集約と共同利用を行っているものになります。
自治体クラウドの取組の特徴
自治体クラウドの取り組みおける特徴5つについて記載します。
- 全国的に取組が推進
自治体クラウドの取組については、地域的に極端な偏りがなく、北は北海道から南は九州まで広く行われています。
2. 構成団体数が多様
自治体クラウドグループの団体数については、全体的には5団体以上10団体未満の割合が最も高いものの、一般財団法人岐阜県市町村行政情報センター(34団体)を筆頭に10団体以上のグループも1割ほど存在するなど、構成団体数は様々な状態で取り組み検討が行われています。
3. 構成団体の組合せが多様
自治体クラウドグループについて、人口5万人以下の自治体同士の組合せが多いなど、同質性を有する自治体同士の組合せが見られるものの、以下の例のように 様々な団体の組合せも見られることから、自治体の同質性に必ずしもこだわる必要はありません。
ex,
- 中核市同市の組合せ:愛知県豊橋市(37.8万人)・岡崎市(38.1万人)
- 異なる人口規模の団体の組合せ:新潟県市町村情報システム共同利用連 絡会議(新潟県長岡市(27.9万人)・三条市(10.2万人)・見附市(4.2 万人)・魚沼市(3.9万人)・粟島浦村(400人))
- 都道府県の枠を越えた組合せ ・ 総合行政システム共同化推進機構(宮崎県川南町・都農町・高原町・ 木城町・えびの市・熊本県錦町) ・ 北部九州情報化推進協議会(福岡県飯塚市・直方市・大川市・うきは 市・遠賀町・芦屋町・長崎県大村市) ・ 和歌山県橋本市・奈良県大和郡山市
- 島に位置する自治体を含む組合せ ・ 新潟県市町村情報システム共同利用連絡会議(新潟県長岡市・三条 市・見附市・魚沼市・粟島浦村)
4. およそ3割程度の費用削減効果
自治体クラウド導入による費用削減効果については、各自治体の情報システム の整備状況が地域の実情等に応じて区々であり、一概には言えないが、自治体ク ラウドの取組事例においては、過半の団体において3割以上の費用削減効果があ り、又は費用削減効果が見込まれるとしている。
5. クラウド化業務範囲は住民情報・税務・国民健康保険・国民年金・福祉がメイ ン自治体クラウド導入団体のほぼ全てが、自治体の情報システムにおいて大きな ウエイトを占める基幹系システム(住民情報関連システム・税務関連システム・ 国民健康保険関連システム・国民年金関連システム・福祉関連システム)の全て をクラウド化しており、うち約半数が基幹系システムに加えて内部管理系システ ム(人事給与システム・財務会計システム・文書管理システム等)のクラウド化 も行っている
自治体クラウドグループ
自治体クラウド導入に向けた検討をグループを決定し推進しているもの。自治体クラウドについて平成28年1月時点では、全国で56グループ(構成市区町村数は347団体、自治体クラウド取組団体の人口の総計は約995万人)で取り組みがりが行われている。
さいごに
クラウド技術の活用によってコスト削減や業務負担の軽減、業務の共通化・標準化、セキュリティ水準の向上、災害対策への取組が進み様々なメリットをもたらしています。今後、人口の減少や働き方など生活の変化を背景に、自治体クラウドは公共分野において広がりを見せ更に加速することが想定されます。自治体クラウドに関するメリットと取組の理解に本稿が参考になれば幸いです。
出典:自治体クラウドの現状分析とその導入に 当たっての手順とポイントを加工しして作成
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