Webサイトのセキュリティ対策を一覧表付きでわかりやすく解説

Webサイトのセキュリティ対策を一覧表付きでわかりやすく解説

こんにちは。「クロジカサーバー管理」コンサルティングチームの西原です。

セキュリティ対策をどう講じるべきか、悩んでいる方は少なくありません。かつては大企業が主な標的とされていましたが、近年では中小企業のWebサイトも攻撃対象になっています。こうした背景を踏まえ、本記事では代表的な攻撃手法と具体的な対策についてわかりやすく解説します。


Webサイトにまつわるセキュリティで最低限注意しておきたい、
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Webサイトのセキュリティ強化が重要視される背景

近年、Webサイトは企業の信頼やブランド価値を示す重要な場となっています。その一方で、攻撃者にとっても魅力的な標的となりやすく、セキュリティ対策の強化は企業規模を問わず急務となっています。

実際に、IPAが発表した「情報セキュリティ10大脅威 2025[組織編]」では、KADOKAWAのランサムウェア被害など具体的な被害例とともにセキュリティ対策の重要性が説かれています。そのような状況下では、まずWebサイトやシステムが直面しうる代表的なサイバー攻撃の概要を把握することが必要です。以下に、主な攻撃手法を紹介します。

Webサイトへのサイバー攻撃

前述のとおり、近年はサイバー攻撃が増加・多様化しており、従来型のファイアウォールだけではウェブサイト内で動作するアプリケーション層への脆弱性攻撃に対応しきれない場合もあります。そこで以下では、代表的なWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃について解説します。

バッファオーバーフロー

アプリケーションに処理能力を超えるデータを送りつけ、バッファをあふれさせることで誤作動を引き起こす攻撃です。不正な命令が実行され、最悪の場合はシステムが乗っ取られる可能性があります。

ブルートフォースアタック

ブルートフォースアタックは、別名「総当たり攻撃」とも呼ばれています。その名の通り、無数のパスワードを自動生成し、ログインできるまで生成したパスワードで試行を繰り返す攻撃方法です。

SQLインジェクション

SQLは、数多くのアプリケーションで使用されているデータベース言語であり、データベースの定義や操作を行うために利用されています。このSQLを不正に利用することで、Webサイトに対して不正な命令を実行させ、データの改ざんや抜き取りを行います。

クロスサイトスクリプティング(XSS)

スクリプトと呼ばれるプログラムをWebサイトに不正に埋め込んだり、掲示板などに書き込んでトラップを仕掛ける攻撃手法です。利用者がこのトラップにかかった状態で特定のWebサイトを閲覧すると、スクリプトが実行され、個人情報入力用のダミーサイトに誘導される等の被害が発生します。

DoS/DDoS攻撃

DoS(サービス拒否)攻撃は、単一の攻撃元から大量のリクエストを送り付けてサーバーやネットワークを過負荷にし、正規利用者のアクセスを阻害する手法です。

また、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃では、複数のマシンを乗っ取って同時に攻撃を仕掛けるため、トラフィックの発信元を特定しにくく、DoS攻撃と比較して防御がより困難になります。これにより短時間でサイトがダウンし、サービス停止や業務影響、ブランド信頼の低下といった深刻な被害を引き起こします。

主要なサイバー攻撃の一覧表

攻撃の種類攻撃による被害例
バッファオーバーフローアプリケーションの誤作動、不正命令の実行、システム乗っ取り
ブルートフォースアタックログイン認証の突破、不正アクセス、情報窃取
SQLインジェクションデータベース内の顧客情報などの不正取得、改ざん、削除
クロスサイトスクリプティング
(XSS)
利用者を偽のサイトへ誘導し、個人情報(ログイン情報やクレカ情報等)を詐取
DoS/DDoS攻撃サーバー過負荷によるダウン、業務停止、ユーザーアクセス不能

Webサイトのセキュリティ対策5選

Webサイトを安全に運用するためには、優先順位を定めて対策を講じることが必要です。ここでは、サイバー攻撃を防ぐ5つのセキュリティについてご紹介します。

ファイアウォール

日本語に直訳すると防火壁という意味になるファイアウォールは、インターネット上での不正アクセスを防止するセキュリティシステムのことです。ファイアウォールには様々な種類があり、オペレーションシステムに搭載されているものや、セキュリティソフトにより設置するものだけでなくルーターに搭載されているものや、企業単位で設置されているものなどがあります。どのファイアウォールにおいても、不正アクセスを防止するという目的は変わりありません。

WAF(Web Application Firewall)

ファイアウォールの一種で、Webサイト上のアプリケーションに特化したものです。リアルタイムで通信の解析を行い、不正通信を遮断していきます。アプリケーションの脆弱性をターゲットとした攻撃は通常のファイアウォールでは対応できないこともありますが、WAFであれば対応が可能です。

脆弱性診断

IPSと呼ばれる侵入検知システムやファイアウォール、アプリケーション層の脆弱性を点検する診断です。診断結果をもとに、想定されるリスクから対策に優先順位を設定し必要な対策を提供します。

改ざん検知

Webサイトへ詐欺サイトやマルウェアを埋め込まれるなどして、不正な改ざんが行われた場合に検知するサービスです。サービスの中には、改ざんが検知された場合に、自動でメンテナンス画面へ遷移する機能を搭載したものもあります。

侵入防止システム:IPS(Intrusion Prevention System)

サーバーへの不正アクセスの中には、DoS攻撃のように1秒間に1,000回以上もアクセスを行うものもあります。IPSでは、そのような攻撃を感知すると、不正アクセスの破棄やアクセス元のIPアドレスからの通信遮断を実行します。リアルタイムで実行されるため、サーバーへの過負荷によるダウンや、セキュリティホールを突いた侵入を防ぐことが可能です。

ファイアウォールは主にポートを制限する方式のセキュリティ対策ですが、IPSはファイアウォールで保護されていないポートへの不正アクセスも防御することができます。

主要な攻撃への対策一覧

攻撃の種類攻撃への対策対策の内容・効果
不正アクセス
(総当たり・踏み台化など)
ファイアウォールネットワークレベルで不審なアクセスや通信を遮断し、入口でブロック
既知/未知の
脆弱性を突いた攻撃
脆弱性診断ファイアウォールやアプリの脆弱性を定期的に診断し、事前にリスクを把握・優先対応
改ざん・
マルウェアの埋め込み
改ざん検知サービスコンテンツの不正変更を即時検知し、被害拡大前にメンテナンス画面へ切替などで対応
DoS/DDoS攻撃
などの過負荷系攻撃
IPS
(侵入防止システム)
高頻度な攻撃トラフィックをリアルタイムで遮断し、サーバーダウンや侵入を未然に防止
Webアプリケーション
への攻撃
WAF
(Webアプリケーション
ファイアウォール)
SQLインジェクションやXSSなど、アプリ層の脆弱性を悪用した攻撃を通信解析で検知・遮断

本記事で解説したようなサイバー攻撃による被害は、企業の信頼失墜や法的責任にまで発展する可能性があります。そうしたリスクを避けるためにも、セキュリティ対策は常に最新の状態に保つことが大切です。この機会に、自社サイトの対策状況を見直してみてはいかがでしょうか。

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監修者:クロジカサーバー管理編集部

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