
ルーチンワークはAIに任せ、人間はクリエイティブな未来をデザインする
「まずはやってみる」——。この軽快なフットワークで新しい介護のカタチを追求するのが、広島県福山市のcare design(フジミレニアム有限会社)様です。同社は福祉用具のレンタル・販売や住宅改修を行う一方、自社での知見を活かしたICT導入支援も展開しています。
運営する事業所名「ケアデザイン」には、介護や福祉のあり方を自らデザインするという強い想いが込められています。その対象はプロダクトにとどまらず、スタッフの働き方や環境、そして「子どもたちが本気で働きたいと思える魅力的な会社作り」にまで及んでいます。
既存の自社サーバー運用を維持したまま「クロジカAI書類管理」を導入し、どのように月4,000枚もの書類業務を効率化したのか。テクノロジーで現場の進化を牽引する代表取締役の藤井 伸成様と、事務リーダーとしてDX推進を支える濱田 江梨子様に、AI導入による業務変革の舞台裏を伺いました。
段階的な改善でも解消しきれなかった「3日間の壁」
── 以前は、書類管理にどの程度の負担がかかっていたのでしょうか?
濱田様:毎月4,000枚前後の書類整理を担当していましたが、以前はスキャン作業だけで丸3日間は予定を確保しなければなりませんでした。さらに、その後の仕分けや「正しく入っているか」の確認作業を含めると、トータルで月初から10日ほど(1ヶ月の1/3)は、「書類管理に時間を割く」というスケジュールが、自分の中で当たり前のサイクルになっていました。
── すでに独自で効率化にも取り組まれていたと伺いました。
濱田様:はい。一部自動化の仕組みを導入して、複合機から直接サーバーへ飛ばせるようにはなっていました。ただ、スキャンをする際に「1枚から5枚ごとに、その都度保存先のフォルダを選択する」という操作が必要だったんです。
藤井様:介護業界はFAXや郵送による紙の書類が圧倒的に多く、それらが溜まっていくと濱田さんが見て見ぬふりをしたくなるほどの束になります。一部自動化していても、結局は3日間つきっきりでスキャン機の前でフォルダを選び続けなければならない。これをもっと楽にできないか、という問題意識は常にありました。
濱田様:当時はそれが「当たり前の業務」だと思っていましたが、優先順位を判断しながら他の業務と並行して3日間を捻出するのは、かなりの負担でした。
── 多くのツールがある中で、なぜ「クロジカAI福祉書類管理」を選ばれたのでしょうか。
藤井様:きっかけは、以前からお付き合いのある「介福本舗」さんから、AIを使った書類管理サービスがあると教えていただいたことでした。もともと「クロジカスケジュール管理」を全社で活用していたこともあり、同じメーカーのサービスなら……と、興味を持ちました。
── 既存ユーザーとしての安心感に加え、同業者の紹介が後押しになったのですね。
藤井様:はい。ただ、導入にあたって最大の壁となったのは、当社が8年以上運用してきた自社サーバー(Synology NAS)との連携でした。クラウドだけで完結させるのではなく、これまで積み上げてきた既存資産を活かしたまま自動化したい。この難しい要望に対し、クロジカは認証周りの開発から手探りで始めてくれました。
── 開発段階からかなり密にコミュニケーションを取られたそうですね。
藤井様:「実装できるか分からない」という初期段階から、「やってみましょう」とリソースを割いて伴走してくれた体制が、最終的な決断の決め手になりました。この柔軟な対応がなければ、導入には至っていなかったと思います。
濱田様:代表が「まずはやってみる」と即座に判断したので、私も迷う間もなく、AIが実現する未来に期待して使い始めることができました。
書類管理の時間を70%カット。組織に生まれた「余白」が次の挑戦を加速させる
── 実際に「クロジカAI福祉書類管理」の運用を始めて、現場はどう変わりましたか?
濱田様:以前は私が月初に3日間、他の予定をブロックして行っていた作業が、今は全体で1日分程度にまで凝縮されました。私の体感としては、書類管理に費やす工数を70%以上削減できています。
── 具体的には、どのような運用に変わったのでしょうか?
濱田様:今は私自身がスキャンをする必要はなくなり、他のスタッフにお願いできています。スキャンしてアップロードさえしておけば、AIが自動でサーバー内のフォルダへ振り分けてくれる。その様子を最初に見たときは、「あ、本当に(自動で)入ってる!」と、その速さと正確さに驚きました。今はもう、以前のように手作業で仕分けをしていた頃には戻れませんね。
── 浮いた時間は、今どのような業務に充てられているのですか?
濱田様:以前は全く手が回らなかった、SNSでの情報発信やRPA(業務自動化)の構築、そして社内のICT環境の整備といった業務に注力できています。事務作業という「ルーチン」から、次の10年を作るための「新しい挑戦」に時間を割けるようになったことは、私自身のモチベーションにも繋がっています。
藤井様:濱田さんに時間の「余白」が生まれたことは、組織全体にも大きな影響を与えています。誰かが事務作業に追われてピリピリしていると、オフィスにはどうしても閉塞感が漂い、本来なら拾い上げられるはずの会話や、スタッフ同士の細やかな気配りもできなくなります。その「余白」ができたことで、職場の風通しが良くなりました。
── 組織の雰囲気という、目に見えない部分にも効果があったのですね。
藤井様:はい。誰がやってもいい作業をAIに90%任せ、人間は最終的な10%のチェック(介入)をするだけで済む。毎回やらなければならない単純作業に時間を費やすのではなく、新しく何かを生み出す方にパワーを使う方が、仕事は絶対に面白いですから。今回の導入で、まさにその第一歩を踏み出せたと感じています。

── 最後に、介護業界のDXに取り組もうとしている方へアドバイスをお願いします。
藤井様:これからの20年、社会保障制度や人口構造は大きく変わっていきます。その中で、介護・福祉の仕事が「子どもたちが目指したい」と思える魅力的なものであり続けるためには、テクノロジーの活用が欠かせません。
見積もりや報告、書類の仕分けといった「人間がしなくてもいい作業」は究極、全部AIに任せてしまえばいい。そうして空いた時間を、人間にしかできない「心を通わせる部分」にしっかり費やしてあげる。 それこそが、これからの時代に提供すべきサービスの姿だと思っています。
── 特にどのような事業所に、この変化が必要だと感じますか?
藤井様:特に「在宅・訪問系」のサービスですね。現場を移動する中で紙の書類を探す時間は本当にもったいない。データ化されていれば一瞬で見つかりますから。
また、小規模な事業所こそメリットは大きいです。事務作業をAIに任せられれば、極端な話、専任の事務員がいなくても現場のスタッフだけで業務が回るようになります。コストパフォーマンスで考えても、これほど効率的な投資はありません。
── 迷っている背中を押す一言をお願いします。
藤井様:僕は「みんなと同じ道を行くと競争が激しく走りにくいけれど、誰もいない道は走りやすい」という考え方が好きなんです。
DXが進まない業界だからこそ、先に走ってしまえばいい。「子ども達が働きたい会社にするためにチャレンジする」このような軸があれば、失敗してもまた考え直せばいいだけです。難しく考えず、なにか軸を決めて小さなことから「やってみる」。
その一歩が、自分たちの仕事を最高に面白いものに変えてくれるはずです。

| 社名 | care design(フジミレニアム有限会社) |
| 事業内容 | 福祉用具貸与・販売 |
| Webサイト | https://care-design.jp/ |
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