
「書類整理の時間をなくしたい」——
そんな想いから業務改善に取り組んだのが、千葉県松戸市ののぞみ会居宅介護支援事業所様です。
介護の現場では、利用者への支援と並行して、ケアプランやアセスメント、モニタリング記録、サービス事業所からの報告書など、さまざまな書類を継続的に扱う必要があります。医療法人社団のぞみ会が運営する同事業所でも、多くの書類を日々扱うなか、書類の整理や管理がケアマネジャーの大きな負担となっていました。
そこで目指したのが「すべての書類を一元管理できる状態」です。
クロジカAI書類管理の導入をきっかけに紙を前提とした業務を見直し、提供票の印刷・発行を月722枚からゼロに。書類整理・ファイル整理にかかる時間も、ケアマネジャー1人あたり月4.5時間から月1.5時間へと削減しました。
さらに、今回の取り組みで生まれたのは時間だけではありません。
ケアマネジャーは個人の判断で業務を進めることが多く、全員で一つの課題に取り組む機会は限られています。今回はその特性を踏まえ、職員全員が「チームプレー」で改善を推進しました。書類業務の改革が現場にどのような「余白」を生み出したのか、管理者様にお話を伺いました。
目次
「すべての書類を一元管理したい」—各人に依存していた書類業務を変える
のぞみ会様では、医療ニーズの高いケースや地域包括支援センターからの緊急依頼なども多く、急なプラン変更や訪問、会議録の作成などによって書類が増えていく状況にありました。さらに、経験年数の異なる職員が在籍し、ICT全般への理解度にも差があるなかで、業務を標準化することも課題となっていました。
──「クロジカAI書類管理」導入前、書類管理についてどのような状態を理想としていましたか?
管理者様:すべての書類がPC内でまとめて管理されている状態です。事業所から届く報告書や計画書、実績票など、紙で保管していた書類もすべてPCに入れて、必要なときにすぐ探せるようにしたいと思っていました。
── 書類管理における理想に対して、現実はどうだったでしょうか?
管理者様:モニタリングなど一部は介護ソフトでデータ化していましたが、それ以外の書類はほぼ紙のままでした。紙やFAX、介護ソフトに情報が分散し、保管ルールもバラバラだったため、必要な書類を探し出すまでにかなりの時間と手間がかかっていました。
書類管理における理想と現実の差——
この差を職員全員で共有した上で、のぞみ会様は課題を明確に設定しました。
最も優先したのは、紙書類そのものを減らすことと、人によって異なっている業務のやり方をしっかり揃える(標準化する)ことです。
「クロジカAI書類管理」の導入にあたっては、自分たちに合うソフトを選ぶ必要があり、操作を覚えることへの不安もありました。また、職員ごとにICT全般への理解度に差があるなかで、使い方を統一するための時間も必要でした。
職員が書類を管理するために、多くの時間と手間を使っている。その状況を変え、職員がより本来の業務に向き合える環境をつくることが、今回の業務改善の出発点となりました。

業務改善にいきなり着手するのではなく、職員全員で課題の整理と実行計画の策定を入念に行い、現場主導での取り組みに向けた土台を構築した(参照:株式会社NTTデータ研究所「のぞみ会居宅介護支援事業所による業務改善の取り組み報告〜AI活用で『50代・60代・ICT知識ゼロ』から始めた働きやすい職場づくり〜」)
提供票722枚をゼロに——「紙を処理する仕事」から「本来の仕事」へ
「クロジカAI書類管理」の導入をきっかけに、のぞみ会様では書類をデジタル化するだけでなく、紙を前提とした業務そのものを見直しました。FAXを紙で出力しない、提供票もデータでやり取りするなど、紙からデジタルを起点とした業務へと移行していきました。
── 具体的には、どのような変化がありましたか?
管理者様:まず、提供票の印刷・発行が月722枚からゼロになり、郵送関連コストが月14,746円からゼロになりました。また、提供票関連業務を月6時間35分から月3時間10分と50%以上削減できたことに加えて、書類整理・ファイル整理については、ケアマネジャー1人あたり月4.5時間かかっていたものが、1.5時間になりました。

しかし、こうした数字以上に大きかったのが、現場で感じる負担の変化です。
書類がどこにあるか探す手間が完全になくなりました。利用者様別に仕分けてファイルに綴じるストレスがなくなり、気持ちが本当に楽になりました。デスクの上もいつも綺麗な状態です。
業務改善の取り組み後に実施した事業所内のアンケートでも、記録業務の安心度は「クロジカAI書類管理」導入前後で5点満点中1.2から4.8へ、利用者とのコミュニケーションの充実度も1.6から4.8へと向上しました。
この取り組みで生まれたのは、単なる「削減時間」ではありません。
書類を処理するために使っていた時間を、利用者と向き合うことや、より本質的な仕事に使える「時間のゆとり」へと変えていく。今回の取り組みは、業務のあり方そのものを考えるきっかけにもなりました。
のぞみ会様も実践したAI活用の書類管理方法が
「クロジカガイドブック」にまとめられています。
「個人プレー」から「チームプレー」へ——「わからない」を放置しない姿勢が、チームを強くした
今回の取り組みで特に印象的なのが、職員同士の関係にも変化が生まれたことです。
ケアマネジャーの仕事は基本的に個人で完結しがちですが、今回は職員同士で協力してやり遂げることができました。全員が心をひとつにして一生懸命取り組んだという意味では、間違いなく「過去イチ」ですね。本当に大変でしたが、一人ひとりが役割を持ち、本業と両立しながら真剣に向き合ってくれました。組織としても非常に良い経験になったと感じています。
改善の推進にあたっては「わからないことをわからないままにしない」という方針を徹底。職員自らがマニュアルや手順書を作成し、お互いに操作を確認し合うなど、これまでの業務にはなかった協力体制が芽生えました。こうした自発的な連携が生まれたことで、組織全体の活性化にもつながっていきました。
職員同士が同じ課題に向き合い、協力して環境を変えていく経験そのものが、チームに新しい変化をもたらしたのです。

運営指導の準備でも実感した「探しやすさ」
こうした業務改善の成果は、今夏実施された運営指導に向けた準備でも活かされました。
運営指導に向けては、クロジカ側でも書類タイトルの整理を中心に伴走支援。必要な書類を探しやすく、準備しやすい状態を一緒に整えていきました。
今回、運営指導に向けた準備で「クロジカAI書類管理」が特に役立ったのは、書類タイトルを整理する場面です。タイトルが揃ったことで、必要な書類を検索しやすくなりました。運営指導に向けて必要な書類をどれだけ早く、正確に探し出せるかという準備段階での価値を「クロジカAI書類管理」には感じました。
必要な書類が完璧に揃っていたことで、運営指導当日も市の担当職員の方とスムーズに確認を進めることができました。さらに、事前準備段階では「クロジカAI書類管理」による書類整理に加えて、別のAIツールも活用しながら対象となる書類を読み込み、点検を進めていました。
書類を整理して終わりではなく、必要な情報をすぐに確認できる状態まで整えておく。
今回の運営指導は、書類管理を見直してきた日々の成果を実際の業務で実感する絶好の機会となりました。
(従来の)紙で印刷してファイリングする手間がいかに面倒で大変なものだったか、今回の運営指導の準備を通して改めて身にしみて分かりました。デジタル化の効果を強く実感しました。
さいごに

今回、のぞみ会様が取り組んだのは、書類をデジタルに置き換えることだけではありません。
「人が書類を管理する」状態から、「必要な情報を必要なときに使える」状態へ。それによって、書類を探す時間が減り、職員の精神的な負担が軽くなり、さらには職員同士が協力して業務を変えていく経験にもつながりました。
職員が年齢を重ねても無理なく仕事を続けられるように、職員の負担をできるだけ減らし、人が担うべき仕事に集中できる環境をつくっていく。書類を減らすことは、単に業務時間を削減することではありません。
人が担うべき仕事に、人の時間を戻していく。
介護の現場では、限られた時間のなかで、利用者への支援と日々の業務を両立していくことが求められます。だからこそ、AIやICTの役割は、単に「作業時間を短くする」ことだけではありません。そこで生まれた余白を、利用者と向き合う時間や、より良い支援のあり方を考える時間へとつなげていく。
のぞみ会様の取り組みは、書類業務を変えることを起点に、職員が無理なく長く働き続けられ、利用者により向き合える環境をつくっていくための一歩となっています。
| 事業所名 | のぞみ会居宅介護支援事業所 |
| 事業内容 | 居宅介護支援 |
| Webサイト | https://rikoudai.com/kyotakukaigo/ |
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