
「とにかく曖昧な情報をなくすところが大事で、言葉になっていないものは伝わらない。」
そう話すのは、機械制御システム学科に在籍しながら、当社のアプリAIコース※1でインターンを経験し、現在は学生エンジニアとしてアルバイトに従事する神﨑 睦人さんです。2025年4月にインターンを始めてから約1年が経ち、現在はプロジェクトリーダーも担っています。
これまで、機械系の学科に進みながら、情報系の研究室に入り、個人でウェブ開発やハッカソンにも取り組んできた神﨑さん。そうした選択の背景には、「なぜそうなるのかを理解したい」という一貫した関心がありました。
今回は、その価値観がどのように形づくられ、TOWNでの仕事の進め方や周囲との関わり方にどう表れているのかお話を伺いました。
※1 当社ではインターン制度で「アプリAIコース」と「インフラコース」を提供しています。詳細は下記をご確認ください。
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目次
ソフトウェアを作るなら、まずハードウェアから
── まずはインターンに参加される前のことをお聞きしたいのですが、そもそも神﨑さんがエンジニアを目指すようになったきっかけは何だったんでしょうか?
受験期に、プログラムを書いたりホームページを作ったりしていた時期があって、自分で書いたものが実際に形になっていくところに面白さを感じていました。そこから、情報系って面白いなと思うようになりました。
最初に面白いと感じたのは、スライドするとアニメーションが動くようなサイトを見た時でしたね。その他にも世の中にあるホームページを見ていて、使いやすさだったり、ボタンの配置、文字の使い方といった細かいところで「もっとこうしたらいいのに」というのはずっと思っていました。
── なるほど。そういった背景があって、情報系ではなく機械制御システム学科を選んだのはなぜですか?
大学に入る前から最終的には情報系に行こうという気持ちはずっとあったんですけど、ソフトウェアを開発するにあたってハードウェアを知らないとだめだと思って。途中で別の学科の研究室に入れることを知っていたので、先に機械系の学科で勉強してから情報系の研究室に入ろうというのは決めていました。
── 機械系の学科というのは、実際にどんなことを学ぶのですか?
機械制御はとにかく忙しい学科でして・・・(笑)。
例えば、ドラフターという巨大な製図台にA2サイズの紙を固定して、ひたすら図面を引いていくんですけど、授業時間内に終わる前提ではないんです。後期の課題なのに、夏休みの段階から「進めておいてください」と言われるくらいで。減速機や万力といった機械の設計もひたすらやっていました。

「なぜそうなるのか」を説明できないと、納得がいかない
── ちなみに、学業以外では、どんなことに取り組まれていたんですか?
大学1年から最近まで塾講師をやっていたのと、個人でウェブ開発をやっていました。塾講師は教えることが好きというのもあって続けていたんですけど、モヤモヤを解消しにいくプロセスが好きなので、そういう意味でも合っていたのかなと思います。
個人開発の方は、ウェブ系を中心にやっていて、その延長でハッカソンにも参加するようになりました。当時を振り返ると、自分が作ったものが実際の現場でどれだけ通用するのかを試してみたかったという理由でハッカソンに参加していましたね。
── 実際にハッカソンに参加してみて、印象に残っていることはありますか?
他のチームが作ったプロダクトについて質問した時に、フレームワークやライブラリは使えていても、「なぜそれで動くのか」を説明できない場面が結構あったんです。見た目は綺麗に仕上がっていても、なぜそうなっているのかが説明できないと、自分の中ではどうしてもモヤモヤが残るんですよね。
── そういった感覚は、大学1年から続けていた塾講師の経験とも通じるところがありますか?
そうですね。塾講師をしていたこともあって、「それって聞いて覚えただけじゃないの?」ということは結構気にしていて。やっぱりなぜそうなるのかを理解していないと、他の場面で応用が効かないんですよね。
あとは、1つ新しいことを勉強すると関連した技術をどんどん勉強したくなるので、モヤモヤを解消しにいくプロセス自体が好きなんです。知識のインプットだけでなくアウトプットするまでが自分の幸福感につながっているかもしれないですね。
── 1つ理解すると、関連する技術をさらに学びたくなるというお話がありました。ITの世界は終わりがないようにも思えるんですが、その感覚は神﨑さんにとってしんどさではなく、むしろ面白さに近いんでしょうか?
終わりはないんですけど、やっぱりその運用の仕方の最適解というのはどの時代もあるかなとは思っていて。使いやすいとか保守しやすいとか長く使えるという根底の考え方は世の中的には変わっていない。目指すべきところはずっと一緒なのかなと思っているので、そのために勉強し続けるのは楽しいですね。

曖昧な情報をなくすことが、全ての基本
── ここからはTOWNでのお話を伺いたいのですが、まずはTOWNのインターンに応募したきっかけを教えてください。
ハッカソンに参加した時と同じように、自分がやってきたことが実際の現場でどこまで通用するのかを試してみたかった、というのが出発点としてはありました。ただ、ハッカソンは短い期間で自分が作ったプロダクトを発表する場であることが多いので、周りの方に意見をもらっても、どうしても自分で設定した枠組みの中に留まるようなものになってしまうんです。
一方で、TOWNのインターンは約1ヶ月のカリキュラムを経てアルバイトとして継続できる形になっているので、実際にリリースされるようなサービスに継続的に触れることで、新たな観点で考えられるようになると思ったことも、参加を決めた理由の一つでした。
── 実際に入ってみて、個人開発と違うと感じたのはどんな点でしたか?
個人開発と一番違うと感じたのは、既存のシステムに機能を追加していくことでした。内部構造や、背景にある意図がすぐには見えないことも多いですし、仕様書に書けることにも限界があるので、作った人しか分からない背景情報が結構あるんです。
あとは、コードを変えて保存する段階にも必ずテストが入るし、テストを通っても適切な設計の考え方に沿っていなければ切り捨てるべきだとかというのが細かくあったりするので、授業では全く習わないところは多いですね。
── そういった環境の中で、仕事を進める上で意識されていたことはありますか?
仕事を進める上で一番大事にしているのは、曖昧な情報を残さないことです。言葉になっていないものは、やっぱり伝わらないので。そのため、バックログのチケットやプロジェクトシートには、必要な情報をできるだけ明文化するようにしています。仕様が決まったらなるべく細かく書いて、他の人にも伝わる形で残しておくことは、ずっと意識しています。
自分自身、情報が足りなくて困った場面が多かったので、そこを怠ると後で面倒になることは身に染みています。だからこそ、ここは基本として徹底しています。
── チーム開発ならではのやりがいを感じた場面はありましたか?
チームで実際に動くサービスを完成させていく経験は、それまであまり多くなかったので、毎回やりがいを感じていました。入って3か月ほどの頃には、RAG環境を構築するプロジェクトにも関わりました。
Azureの複数のサービスを組み合わせて作る中で、やはり最初はうまく動かないことも多かったです。そういう時は、英語のドキュメントを確認しながら、まずはログをできるだけ全部出して、起きていることを一つずつ可視化していく。そうやって一個ずつ解決していったのが印象に残っています。
「次に来る人のために」を続けたら、役割が広がっていた
── TOWNに入ってからこの1年で、担当する仕事はどのように変わっていきましたか?
最初はプロジェクトの途中から入ったこともあって、細かいタスクを一つずつこなしていく形が続いていました。ただ、プロジェクトリーダーを担うようになってからは、まず成果目標を定めて、そこから逆算してタスクを分割していく進め方に変わりました。最初の段階で細かく決めておかないと、後で時間が足りなくなることが多いので、この過程は欠かせないですね。
── リーダーになったのはどういう経緯だったんですか?
明確な境目があったわけではないんですけど、メンバーの頃から、次に来る人が困らないように必要な情報をコメントに残すことはずっと意識していました。そういう習慣を見ていただけるタイミングはあったのかな、とは思います。
── メンバーに仕事を教える立場になって、意識していることはありますか?
「これをやってね」と一発で指示することは、あまりありません。理由は二つあって、一つは自分が常に正しいとは限らないですし、他の人がどう考えるのかも知りたいということ。もう一つは、なぜそれをやるのかを理解しないまま進めると、毎回パターンとして覚えるだけになってしまって、別のプロジェクトで「あの時の考え方がここでも使える」と気づきにくくなるからです。
応用できるようになってほしいからこそ、どう考えればいいのか、ゴールまでどうたどり着くのか、といった考え方を一緒に整理していくことが多いですね。
── リーダーになってから、仕事への視点で変わったことはありますか?
AIの発展でプロジェクト全体のスピードがどんどん速くなっていて、本番環境を直接触るタイミングも増えてきました。そういった中で意識するようになったのが、社員の方がどういった切り口でどの粒度を見ているかを事前に把握しておくということです。レビューの視点を理解しておくことで、実装の前の設計段階からその懸念点を先回りして解消できるようになってきました。

AIをうまく使いこなしながら、自分の強みを問い続ける
── 今後、エンジニアとしてどういった方向に進んでいきたいですか?
AIによってプロジェクト全体のスピードが上がる中で、人間がどこで価値を出すのかは、よく考えるようになりました。
例えば、コードを書く時も設計する時も、まずは自分の知識で一度やってみます。その上で、AIがどう指摘してくるかを見るようにしています。AIを使うこと自体は前提になっていくと思いますが、その中でも自分が持つ知識や強みをどう出していくかは大事だと感じています。
── 今後の目標を教えてください。
目下はレビューのプルリクエストを一発で通すことですね。コードの変更をレビューに出すと「ここを直してください」と指摘が返ってくることがまだあるんです。その指摘をどんどん少なくしていくのが、エンジニアとして上達していく道かなとは思っています。
その先の話でいうと、AIをうまく使いこなすためにも、新しい技術に対してきちんと対応できる知識をどんどん増やしていきたいと思っています。ゆくゆくはAIそのものを作る側にも関われるくらいの知識を身につけていきたいですね。
── 最後に、インターンに参加する前の神﨑さんに伝えたいことはありますか?
忙しい時ほど面白い、というのはすごく感じています。だから、当時の自分にもそこは伝えたいですね。持っていた考え方自体は大きく変わっていないんですけど、それでも1年あれば一つ大きく変わるんだな、というのは実感しています。
── 神﨑さん、本日はありがとうございました!「なぜそうなるのか」を曖昧なままにせず、言葉にし、整理し、次の人に伝わる形にしていく。神﨑さんの仕事の進め方には、そうした姿勢が一貫して表れていました。それは知識を増やすためだけではなく、仕事を前に進めるためであり、他の人が同じところで立ち止まらないためでもある。神﨑さんの働き方からは、そんなTOWNでの仕事観が見えてきます。


