【介護業界向け】防災対策のステップとは?|具体的な対策を解説

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」介護業ライターの柴田です。

介護施設は、日常生活を送る上で介護が必要な高齢者が入所している施設です。火災や災害など自分で逃げられる高齢者が少ないため、消防法では避難訓練を年に2回実施することを定めています。とはいっても、最近では異常気象による大雨や土砂崩れ、大規模地震など想像をはるかに越える災害が発生しており、いつ、どこで災害に見舞われてもおかしくありません。

そこで、国は令和6年から全ての介護施設において、業務継続計画(BCP)の策定を義務化し、従来の避難訓練とは別に年1回以上のBCP訓練、研修を行うことを決めました。

この記事では、介護施設での防災対策を次のステップに発展させるために、クラウドストレージを導入するメリットとデメリットを事例とあわせて紹介します。

クラウドストレージを防災対策に導入するメリットとは

クラウドストレージは、インターネット上に設けられたデータ保管庫のようなものです。低コストで大量のデータを保存・共有できるため、近年では多くの企業が活用しています。

介護施設でもクラウドストレージを導入すれば、人手不足の解消や業務の効率化を図ることができます。とはいっても防災対策として活用できるという点では、あまり知られていません。この章では、クラウドストレージを防災対策に導入する3つのメリットを紹介します。

物理的な被災リスクがない

介護施設が自然災害に見舞われて困るのは、電気や水道などライフラインが遮断されることです。停電になると全てのデジタル機器がとまり、水害になると紙資料や機械が破損してしまいます。土砂災害や地震、火災がおこると、施設の中に立ち入ることすらできなくなってしまいます。

自施設で発電できる設備や発電機があったとしても、医療機器や福祉機器などが最優先となるので、データを扱う業務は数日ストップすることも考えられます。

クラウドストレージは、オンライン上にあるためライフライン遮断などの物理的な障害を受けません。スタッフは安全なところからBCPやマニュアルの確認、入居者やスタッフの安否状況などリアルタイムでデータ共有ができます。

災害時には情報収集が重要

災害時に困ることの一つに、電気や電話が使えず情報収集ができなくなり「地域がどうなっているのか」「行政からの支援情報がないのか」など不安を抱えて過ごすことがあげられます。クラウドストレージは、スマホなどでインターネットにつなげられればデータにアクセスできるので、情報の共有や業務の継続を行うことができます。

リモートアクセスにより二次被害を回避

地震がおさまってから被災状況を確認しようと外へ出たり、職場へ出かけたりして、建物の倒壊や土砂崩れに巻き込まれることを二次被害といいます。クラウドストレージを活用してデータの活用や関係機関との情報共有ができれば、安全な場所からリモートアクセスすることで、二次被害にあわなくて済みます。

クラウドストレージ活用して防災対策をしよう

この章では、クラウドストレージの活用方法を具体的に紹介します。日頃からやっておくことや、非常事態に備えた対策などがありますので、是非参考にしてください。

避難訓練や研修動画をいつでも確認

全ての介護施設は、令和6年からBCPに基づいた災害対策訓練を行わなければなりません。訓練の方法は特に決まっていませんが、火災から利用者を守る避難訓練や水害から施設を守る垂直避難訓練など災害に応じて訓練や研修を行う場合、多種多様な内容となり1回だけでは不十分といえます。

さらに事業所の規模が大きかったり、変則勤務の事業所があったりすると訓練に参加できないスタッフがでてきます。そんな時には避難訓練や研修内容を動画としてクラウド上に保存し、不参加のスタッフが閲覧できるように環境を整えることが介助事業所には求められます。

データのバックアップと保護は必須

業務効率を目的に様々な情報をデータ化することはとても有効です。とはいっても、ファイルの保存やバックアップをUSBメモリや外付けのハードディスクで行なっていては、停電や浸水、倒壊のリスクから情報を守り切ることは不可能です。また、物理的なモノで管理を行うため、盗難や紛失など個人情報や機密事項の漏洩といったリスクも考えられます。

クラウドストレージでは、バックアップのデータ移行も安全に行えるだけでなく、データ破損やセキュリティ面でのリスクにも対応してくれるものがあります。

安全で多機能なクラウドストレージを選ぶ際には、「誰もが簡単に扱える分かりやすさ」や「役職に合わせて閲覧規制できる機能性」、そして「セキュリティがしっかりしていて信頼できる」クラウドサービスを選ぶことをおすすめします。

災害用BCPの訓練、評価もクラウド上で可能

この章ではクラウドストレージを活用して、災害用BCPの実施訓練を行う方法を紹介します。この訓練方法は参加者が自宅や職場から個別にクラウドストレージにアクセスして、与えられた課題を解消していく訓練です。

なお、いずれの研修においても終了後に実施状況、課題、改善事項を共有し、評価結果を記録として残しておくことが重要です。なぜなら一連の作業は訓練の質を高めるだけではなく、行政による運営指導における確認項目とされているからです。

訓練目的方法所要時間   
情報発信、収集訓練全ての介護スタッフに指定した日時に、クラウド上のデータにアクセスしてもらい、署名など足跡を残す30分程度
バックアップ訓練クラウド上の指定フォルダに、定められた書式や最新データ、リストが揃っているか確認する45分程度
災害想定リモート訓練管理者が時系列に地震、被災状況をクラウド掲示板で発信。参加者は「現在勤務中である」と想定し、次々掲示板に発信されるミッション(「停電した」「隣接する川が危険水位を超えた」)などに対応方法を回答していく60分程度

クラウドストレージのデメリットは?

いつでも、どこからでもデータにアクセスでき、物理的な障害を受けないクラウドストレージでも、デメリットはいくつかあります。とはいっても、弱点を把握し対策をしておくことで、さらに活用の信頼度は上がります。

インターネット環境が不可欠

クラウド上でのデータをやり取りするには、インターネットに接続できる環境が必要となります。ところが実際に災害が発生して停電が起こると、Wi-Fi経由でアクセスしている場合、インターネットにつなぐことができません。

クラウドストレージを導入する前には、事業所内外のインターネット通信環境をよく確認したうえで、停電対策や代替通信手段を検討しておくことが重要です。

セキュリティ対策が肝心

クラウド上にデータが保管されているため、第三者によるデータアクセスや個人情報の漏洩などセキュリティ面でのリスクが気になるところです。

多くのクラウドストレージサービスプロバイダーはセキュリティ対策には特に力を入れており、データの暗号化やアクセス制御などの保護機能を具体的に公表しているところがあります。どのサービスを利用しようか迷っている場合は、選定の目安として参考にしてはいかがでしょう。

そして介護施設においてもクラウドストレージを導入したからといって安心せずに、ログインパスワードの管理や定期的なバックアップ、システム更新作業を怠らないようにしましょう。

まとめ

クラウドストレージの活用には、メリットやデメリットがあることをお分かりいただけたでしょうか。

介護施設では、日頃から様々な情報やデータを扱っているので、ただちに全てをクラウドでデータ管理することは困難でしょう。大切なことは、それぞれの保管方法やデータ、情報の特徴を把握し、適切な方法で管理することです。

平時から事業所内やスタッフで災害を話題にして、データの保管先を分散させたり、ネットワークが遮断された場合の対策を考えたりすることが、次の防災対策のステップへとつながるでしょう。

介護業でのファイル管理に「クロジカ大容量ファイル管理」

「クロジカ大容量ファイル管理」は、サービス計画書・ケア記録やケアプラン、事故報告書など様々な文書やデータを扱う介護業において、データ管理の"はじめの一歩" となるサービスです。

文書によっては、2年~5年の保存義務があることで物理的に書類管理をするのは年々困難になると予測されます。クラウドストレージはインターネット上に重要な書類を安全に保管して、簡単に必要な情報にアクセスすることのできるサービスです。

「クロジカ大容量ファイル管理」は初期構築費用を無料でスタートすることができます。
さらにマルチデバイス対応なので、タブレットからスマートフォン、PCからスマートフォンなどデバイスをまたいでデータ交換が可能です。また、施設長や責任者のみならず、職員の方々や利用者のご家族とのデータ共有をする場合は、利用者数に合わせたプラン選択ができます。

簡単に導入でき、安心安全で利便性の高い機能を備えています。
ファイル管理でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

参考:【厚生労働省】自然災害BCPガイドライン

ライター:柴田 崇晴(しばた たかはる)​

福祉系大学を卒業後、特養相談員や地域包括支援センターで20年従事し、現在養護老人ホームの園長に就任。複数の介護事業所を管理する傍ら、都道府県の介護支援専門員会副会長、私立看護学校での非常勤講師を兼務し、研修講師、人材育成を積極的に行う。
【資格】
社会福祉士 主任介護支援専門員

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