製造工程におけるデータの可視化と分析を行うメリット|クラウドストレージ利用について

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」製造業ライターの堀内です。

製造業では各種データを活用して、生産性向上、品質の向上、コスト削減といった取り組みが進められています。特に製造工程はデータの可視化と分析を行うためにIT技術が欠かせない要素であり、そのIT技術の一つにクラウドストレージがあります。今回はクラウドストレージを利用してデータの可視化と分析を行うメリットと、データ分析の目的について解説します。

製造工程におけるデータ分析の目的とは?

製造工程でデータ分析や可視化が必要な理由には何があるでしょうか。IT技術を活用してデータ分析をする目的について解説します。

生産性向上

製造工程のデータを分析・可視化する目的の一つは、生産性を向上させるためです。従業員一人あたりの生産数や付加価値額を上げることができれば、企業として利益拡大になり、競争力を維持できるからです。

生産性向上の例としては、設備の稼働データを見える化し分析する、という方法が有名です。稼働データには稼働開始から終了時間、製品の出来高などの実績にかかわるものがありますが、たとえばIoTでそれらの実績データを収集すると設備別に稼働率を可視化します。

「どの設備がどのぐらいの時間停止していたか」が分かるため、稼働率を下げる要因を重点的に分析し改善すれば、生産性の向上に繋げることができるのです。

品質の向上

品質管理の基本はデータの可視化と分析になります。製品に関することを定量的に評価しなければ、品質に異常があるのか、異常があるとすればその原因はどこにあるか、などが分からないためです。

その証拠に品質管理の手法として有名なQC七つ道具は、データ収集と分析をするためのものです。QC七つ道具の一つ、管理図は製造工程のデータを時系列に表すものですが、管理図により日々の不良数を可視化しておくと工程に異常があったかどうかがすぐに分かります。

製造工程のデータはITシステムで全部門が共有できるようにしておくと、全社的な品質管理に役立てられるため、さらなる品質向上につながります。

コスト削減

IT技術でデータを可視化・分析すればコスト削減にもなります。コスト削減とデータ活用がどう結びつくのか一見すると分かりづらいですが、需要予測がその一例です。

需要予測は自社の製品やサービスの需要を予測するもので、具体的には「どの製品がいつ、どのぐらい売れるか」を予測します。需要予測が正確であれば適切な販売戦略を立てることができ、反対に需要予測が不確かだと売れ残りや欠品といったリスクが高くなります。

つまり、需要予測の精度が高ければ高いほど、在庫を最小限に抑えられるため、コスト削減にもなるのです。その需要予測にデータの活用は欠かせません。営業や生産管理が持っている販売実績や顧客情報、在庫といったデータを分析することで、予測の精度を上げることができるからです。

最近では、取り扱う製品数が増えたり市場の変化が激しかったりするため、人間が需要予測をするのではなく、クラウドやAIなどのIT技術を導入して精度向上を図る企業も増えています。

属人化の防止

製造業の業務は高度な技術やノウハウが必要とされるため、特定の従業員にしかできないことが多くあります。業務の属人化はベテラン社員が退職したり病気などで休んだりすれば、業務が滞るという問題がありますが、その属人化の解消にデータの可視化が役に立ちます。この場合のデータの可視化とは、これまでベテラン社員が過去の経験や勘で行っていた暗黙知を、誰もが分かる形で客観的に示すことです。

たとえば生産計画の作成に必要な製造時間や段取り替え時間をデータとして共有する体制にしておけば、ベテラン社員ではなくとも計画を作成できるため属人化の防止につながります。

人手不足の解消

製造業では人手不足が深刻化しています。経済産業省が出している『ものづくり白書』で中小企業の従業員数過不足DI(今期の従業員数が「過剰」と答えた企業の割合から、「不足」と答えた企業の割合を引いたもの)をみると、2022年はマイナス19.3と過去20年間で2番目に悪い数字です。

人手不足を解消する手段としては、データの可視化が効果的です。データを可視化すれば、現状の問題点を把握することができ、業務の効率化につながります。

経済産業省:『2023年版ものづくり白書』

クラウドストレージによるデータ可視化と分析のメリット

IT技術により製造工程のデータを有効活用できますが、その中でもクラウドストレージを利用したデータ可視化と分析があります。クラウドストレージによるデータの可視化と分析のメリットについて紹介します。

クラウドストレージとは

クラウドストレージとは、クラウド上にデータを保存し共有できる技術です。クラウドストレージを活用すれば、複数のデバイスでデータを共有できるほか、万が一のバックアップとしての役割も果たします。

製造工程ではファイル共有をリアルタイムにしなければなりませんが、クラウドストレージにファイルを保存することで、さまざまな部門や取引先とスムーズにファイル共有ができるため、情報共有として効果的です。

3つのメリット

では、クラウドストレージを活用したデータ分析にはどのようなメリットがあるでしょうか。代表的なメリットを紹介します。

サプライチェーンの強化

一つめのメリットはサプライチェーンの強化です。サプライチェーンは原料の調達から生産、販売までの一連の流れを指し、一般的には複数の企業で構成されています。

近年、顧客のニーズに素早く応え、自然災害などの思わぬトラブルにもどう対応するかが、サプライチェーンの課題としてありました。そのため、個別の企業だけが製造工程に関するデータを保有するのではなく、サプライチェーン全体で共有を図ることが大切です。

しかし、従来のファイル転送サービスやメールなどを使用したデータ共有は、事務工数がかかり情報をリアルタイムに把握できませんでした。そこでクラウドストレージを使用すれば、データをリアルタイムに共有・分析できるため、サプライチェーンの強化が可能となります。

新たな価値の創造

製造工程のデータをファイル共有により可視化・分析すれば、自社のサービスを改善し、顧客に新たな価値を提供することができます。たとえば顧客から収集したデータをクラウドストレージに保存し、パートナー企業と共有すればデータに基づいてサービスの改善を図ることができます。

生産計画の迅速な変更

生産計画を迅速に変更できる点もクラウドストレージによるデータ分析のメリットです。取引先からの内示に基づいて生産計画を作成する企業では、内示が頻繫に変わると計画変更に手間がかかり、過剰在庫につながる恐れがあります。

しかし、クラウドストレージで取引先の在庫量や販売実績をファイルとして共有すれば、将来の受注量をより正確に把握できます。また、内示に変更があった場合にも、あらかじめ予測しておくことで迅速に対応できます。

まとめ

製造業では生産性向上やコスト削減、品質管理、人手不足解消などのために、IT技術を活用してデータを可視化・分析する取り組みが進んでいます。

中でもクラウドストレージによりファイル共有をすれば、社内だけでなく、社外の取引先やパートナーともリアルタイムに情報共有ができるため、サプライチェーンの強化などにつながります。製造業を取り巻く環境が激しく変化する昨今、クラウドストレージを活用して企業の競争力を強化してはいかがでしょうか。

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ライター:堀内 孝浩

食品会社にて工程管理や設備管理、製造オペレーターを約7年経験。
製造業における生産性向上・コスト削減・DXなど幅広い領域で現場感に基づいた実用的な情報を提供します。

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