こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」介護業ライターの千葉です。
昨今の介護業界では、介護職員の負担を軽減しながら介護施設の生産性をアップさせる方法として、「ペーパーレス化」が注目を集めています。
紙管理のリスクをなくせることから、ペーパーレス化に興味のある介護施設経営者や事務職員の方も多いでしょう。この記事では、紙管理のリスクを解説してから介護業界におけるペーパーレス化のメリット・デメリットについてお伝えします。
Contents
介護業界における紙管理のリスクとは
介護業界における紙管理のリスクを解説します。
書類の劣化や紛失
介護保険に関する文書には保存期間が定められているため、書類の劣化や紛失は紙管理のリスクです。厚生労働省令によって、「サービスが終了した日から2年間」という保存期間が定められている文書があります。管轄する自治体の条例によっては、保存期間が5年の文書も存在します。
いずれにしても介護事業者は、定められた保存期間の間は安全に保存しなくてはいけません。もしも保存期間中に、書類が劣化したり書類を紛失してしまったりすれば、自社の信用が低下してしまうでしょう。
情報漏洩のリスク
介護業界における紙管理には情報漏洩のリスクもあります。
介護保険に関する文書には、利用者の氏名、生年月日、住所などの個人を識別できる情報が記載されており、万が一文書が盗難に遭ったりすれば、個人情報が漏洩してしまうかもしれません。
介護事業者は個人情報保護法における「個人情報取扱事業者」です。個人情報取扱事業者には、個人のデータを安全に管理する義務があります。仮に従業員が個人データを取り扱う際も適切な監督をするよう求められているのです。
保存するスペースが必要
文書を保存するためには、物理的なスペースを確保したり書類を保存するための設備を購入したりしなくてはいけません。設備購入費の膨張が、経営リスクを高める可能性もゼロではないでしょう。
スチール書棚などの比較的高額な設備から、書類収納ケースや製本に必要なホッチキスまで、しっかりとした保存スペースを作るには一定の出費が必要です。
また、保存する書類量は介護施設の運営年数に比例して増えていきます。保存スペースを拡大する場面では、新たな購入費用が必要になるでしょう。
本人や家族の目に留まる問題も
文書を保存するスペースが足りず保管場所が乱雑になっていた場合、その現場を利用者や家族に見られてしまう可能性があります。「個人情報をきちんと管理してくれているのだろうか?」と、施設に対してマイナスイメージを持たれるかもしれません。
介護施設には、利用を検討している本人や家族が見学に来ることがあります。サービスを利用している本人の家族や親戚などが面会に来ることもあるでしょう。紙管理を行う上では、事務所の外観にも注意が必要です。
紙管理リスクをなくす「ペーパーレス化」とは
それでは紙管理リスクをなくすためにどのような方法が考えられるでしょうか?効果的な方法がペーパーレス化です。
ペーパーレス化とは、紙媒体を電子化して保存・活用することです。紙媒体の情報を電子化することで、パソコン、スマホ、タブレットから情報にアクセスできるようになります。書類を保管するスペースが不要になるほか、業務効率改善やコスト削減にもつながる点も効果的です。
2023年現在、介護業界ではICTの導入・運用が政府主導のもと進められているため、ペーパーレス化を進める介護施設が増えていくのは間違いありません。
ペーパーレス化を効率化させるクラウドストレージ
ペーパーレス化の実現に欠かせないツールが、インターネット上にファイルを保存できる「クラウドストレージ」です。電子化された情報を保存するだけでなく、保存された情報を管理・運用できるため、介護現場の生産性アップに貢献します。
クラウドストレージは、インターネットがつながる環境であれば、パソコン、スマホ、タブレットなどから好きなタイミングでアクセスできるほか、セキュリティ対策を施すことで個人情報の管理も可能です。
介護業界におけるペーパーレス化のメリット・デメリット
介護業界でペーパーレス化を進めると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。具体的にみていきましょう。
ペーパーレス化のメリット
コスト削減
ペーパーレス化によって、保存スペースや保存するための設備にかかるコストを削減できます。文書を印刷する際のインク代、紙代、プリンターのメンテナンス費用などもかかりません。また、介護業界ではサービス提供記録やケアプランなど、印刷すべき書類が膨大に存在します。
少々細かい話ですが、そういった書類を印刷している間の待ち時間が発生しない点も、現場で働く職員にとって嬉しい変更点ではないでしょうか。
記録業務の短縮化
スマホなどから記録業務ができれば、作業時間の短縮化につながります。
具体的な内容がこちらです。
- 書類、ペン、机を用意する必要がない
- 移動中などの空き時間を活用できる
- テンプレートを複数の職員で使いまわせる
- 入力情報の転記がすぐできる
紙管理に比べて大幅な作業時間短縮も可能です。
業務効率の改善
ペーパーレス化は業務効率の改善にもつながります。
例えば、新規利用者のフェイスシートをクラウドストレージにアップロードして情報を共有すれば、その場にいない職員にも必要な情報を周知できるようになります。業務マニュアルを電子化してクラウドストレージにアップロードすれば、困ったときでも迅速に確認できるでしょう。
セキュリティの確保
セキュリティ面が心配という人も多いかもしれませんが、クラウドストレージ管理ではセキュリティ対策も万全にできます。また、ペーパーレス化とクラウドストレージ管理の活用によって、省スペース化を進められる点もメリットです。事務所の外観をスッキリさせれば、利用者や家族がマイナスイメージを持つことも避けられます。
ペーパーレス化のデメリット
導入・運用にコストがかかる
電子化に必要な設備には導入・運用コストがかかります。
紙媒体を電子化するためのソフトウェアやクラウドストレージには、どうしても初期コストが発生するのです。スマホやタブレットを活用したい場合、台数分のコストも発生します。セキュリティ対策ができる担当者も必要になるため、運営側の手間が増えることも予想されます。
操作方法を共有するのが大変
介護職員が適切に操作できるように、全体研修などを通じて操作方法を共有しなくてはいけません。しかし、入居施設の場合、介護職員は夜勤を含めた不規則なシフトで働いているため、スケジュールを合わせるのが大変です。事前に全体研修の日程をアナウンスしておき、できるだけ多くの職員が参加できるように配慮する必要があるでしょう。
業務によっては紙媒体の方が有利なことも
手書きの方が効率的に進む業務も存在します。
食事量を記録したり排泄の有無についてチェックしたりする場面では、手元のメモにサッと書いた方が効率的かもしれません。スマホやタブレットの場合、機器の立ち上げや入力画面の切り替えなどに時間がかかることもあります。その際は、記録に残す項目を優先的にペーパーレス化させるとよいでしょう。
介護業界におけるペーパーレス化の進め方
ペーパーレス化を進める際は、介護職員へ周知するのを忘れないようにしてください。
なぜなら、ペーパーレス化をスムーズに導入して費用対効果を高めるためには、介護職員の協力が欠かせないからです。万が一導入後に反対されてしまうと、費用に見合った成果を得られなくなる可能性があります。
職員へ個別に説明する必要はありませんが、全体会議や社内広報などを通じてペーパーレス化導入についてアナウンスしておきましょう。事前にペーパーレス化を進める理由やメリットを徐々に伝えてから、具体的な使い方をレクチャーしていく方法がおすすめです。パソコンやスマホの操作が苦手な職員がいるかもしれませんので、IT機器の操作が得意な職員を現場のメンター役にするのもよいでしょう。
まとめ
ペーパーレス化は、介護職員の負担を軽減して介護施設のスムーズな運営に役立ちますので、ぜひこの機会に紙管理からペーパーレス化への移行を検討しましょう。
電子化した情報を適切に管理運用するためには「クラウドストレージ」が効果的です。ぜひ一緒に検討してください。なお、ペーパーレス化が業務効率化に役立つ理由についてこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
介護業でのファイル管理に「クロジカ大容量ファイル管理」
「クロジカ大容量ファイル管理」は、サービス計画書・ケア記録やケアプラン、事故報告書など様々な文書やデータを扱う介護業において、データ管理の"はじめの一歩" となるサービスです。
文書によっては、2年~5年の保存義務があることで物理的に書類管理をするのは年々困難になると予測されます。クラウドストレージはインターネット上に重要な書類を安全に保管して、簡単に必要な情報にアクセスすることのできるサービスです。
「クロジカ大容量ファイル管理」は初期構築費用を無料でスタートすることができます。
さらにマルチデバイス対応なので、タブレットからスマートフォン、PCからスマートフォンなどデバイスをまたいでデータ交換が可能です。また、施設長や責任者のみならず、職員の方々や利用者のご家族とのデータ共有をする場合は、利用者数に合わせたプラン選択ができます。
簡単に導入でき、安心安全で利便性の高い機能を備えています。
ファイル管理でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
ライター:千葉 拓未
高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護・福祉施設に約13年間従事。
相談員として5年間の勤務実績もあり。介護業界における労務環境・情報管理・
はたらきやすい職場づくりなど、様々な分野で専門性の高い記事を作成している。
国家資格「介護福祉士」「社会福祉士」所持。