こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」介護業ライターの若山です。
『電子帳簿保存法』と『介護』の二つの言葉が頭に浮かぶと、多くの人が困惑を覚えるかもしれません。しかし、これら二つは意外なほど緊密に結びついています。
電子帳簿保存法は介護業界の業務を効率化し、更なる進歩を可能にする大きな手段といえるでしょう。この記事では、電子帳簿保存法の基本的な理解から始め、その適用による介護業界の利益を詳しく解説します。また、クラウドストレージの活用例やそのメリットについても触れていきます。
本記事を読んで、電子帳簿保存法と介護業界の関わりを理解し、業務効率化のためのアイデアを習得しましょう。
Contents
電子帳簿保存法の基本を理解
電子帳簿保存法とは、会計帳簿やその添付書類を電子的に保存することを認める法律です。会社の帳簿や決算書などをデジタル化する際には『電子帳簿保存法』の理解が欠かせません。
まず電子帳簿保存法の基本や要件・経過措置について解説していきます。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、企業が税務に関する書類を電子的に保存することを許可する法律です。電子帳簿保存法の施行により、かつての紙ベースの帳簿や領収書を電子データ化し、保存できるようになりました。
また、帳簿をデータとして保存することで、経費の削減や情報の有効的な活用も可能になります。税務書類をデジタル化して効率的に保存するために、電子帳簿保存法の理解を深めておきましょう。
参考:国税庁『電子帳簿等保存制度特設サイト』
電子帳簿保存法の要件と経過措置
電子帳簿保存法には遵守しなければならない2つの要件があります。
- 真実性の確保
- 可視性の確保
これらの要件を守ることで、電子帳簿保存法に基づく電子的な保存が認められます。
また、本来であれば、電子帳簿保存法により2022年1月から電子取引における電子データの保存が義務付けられる予定でした。しかし、膨大な量の帳簿を全て電子化するためにはコストと時間がかかります。
こういった企業側の準備不足を考慮して、2年間の宥恕(ゆうじょ)措置が講じられました。この措置により、2023年12月31日までは紙での保存も容認されます。
優良な電子帳簿とは
電子帳簿には『優良な電子帳簿』と『その他の電子帳簿』の2種類があります。優良な電子帳簿とは、前述の電子帳簿保存法の要件『真実性の確保』と『可視性の確保』の2つを満たした帳簿を指します。
『真実性の確保』に求められる具体的な要件は以下のとおりです。
- 訂正・削除履歴の確保
- 相互関連性の確保
- 関係書類等の備付け
また、『可視性の確保』では以下の2つの要件が求められます。
- 見続可能性の確保
- 検索機能の確保
上記の要件を満たす、優良な電子帳簿の作成を心がけましょう。
参考:国税庁『電子帳簿保存時の要件』
優良な電子帳簿のメリット
優良電子帳簿を利用することで、過少申告加算税の軽減や青色申告特別控除の適用といった大きな税務上のメリットを享受できます。
これらのメリットは、e-Taxを使用した電子申告または優良電子帳簿保存のいずれかにより適用されます。適切な手続きを経て、これらの利点を最大限に活用しましょう。
介護業界における電子帳簿保存法への対応|クラウドストレージの活用例とメリット
介護業界における電子帳簿保存法の対応は、クラウドストレージの活用により、より簡便になります。では、どのように活用すればよいのか具体例をみていきましょう。
クラウドストレージの活用例
クラウドストレージの活用例として、主に次の3つが挙げられます。
- 請求書や経費のデータ管理
- 監査や法的な要求への対応
- 多拠点間でのデータ共有
以下で、それぞれ詳しく解説していきます。
請求書や経費のデータ管理
クラウドストレージの活用は、介護サービスの請求書や経費のデータ管理を効率化します。クラウドに保存することで、保存期間や保存方法の要件を満たすだけでなく、情報の追跡や整理の手間もかかりません。
請求書や経費の詳細を迅速に検索し、データの閲覧や編集が容易になります。さらに、データを一元管理できるため、情報の把握や管理がスムーズに行えます。クラウドストレージは請求書や経費のデータ管理を、より確実で効率的にするでしょう。
監査や法的な要求への対応
クラウドストレージの利用は、電子帳簿保存法に基づく監査や法的要求への対応を容易にします。クラウドストレージでは保存データの検索や提供が素早く行えるため、必要な情報を迅速に取り出すことが可能です。その結果、監査の遂行や法的要求への対応がスムーズに進行します。クラウドストレージは法的な要求や監査への対応を円滑に進めるための優れたツールと言えます。
多拠点間でのデータ共有
多くの介護施設や関係者が存在する場合でも、クラウドストレージの活用によりデータの一元管理やリアルタイム共有が可能になります。例えば、施設Aで作成した請求書を施設Bでも同時に確認でき、必要な情報を迅速に共有することが可能になります。クラウドストレージは多拠点間でのデータ共有を円滑に行うための重要なツールと言えるでしょう。
クラウドストレージを活用するメリット
クラウドストレージを活用すると多くのメリットが得られますが、以下では次の3つに注目してみます。
- セキュリティとデータ保護
- ストレージの容量と柔軟性
- 書類ごとにアクセス制限が可能
- バックアップ機能によりデータ喪失のリスクを軽減
それぞれ、詳しく解説していきましょう。
セキュリティとデータ保護
クラウドストレージは介護業界のデータ保護に非常に役立ちます。その理由は、高いレベルのセキュリティ保護を提供しているからです。
例えば、データの暗号化は、情報を外部からの不正なアクセスから守ります。介護サービスのデータは利用者の個人情報を含むため、安全性は非常に重要です。
このようなセキュリティ対策により、クラウドストレージは介護業界のデータを安全に保存するための強力なツールとなります。
ストレージの容量と柔軟性
クラウドストレージは、大量のデータ保存とその管理を可能にします。介護業界では多種多様なデータが発生するため、大容量ストレージは必要不可欠です。
例えば、利用者の情報やサービス記録など、さまざまなデータを一括して管理できます。また、クラウドストレージの特徴として、データ量が増えた際には容量を増やすことが可能です。
クラウドストレージは、データ量が日々増加する介護業界にとって、効率的なデータ管理と容量調整の柔軟性を提供します。
書類ごとにアクセス制限が可能
クラウドストレージを使用すれば、書類ごとのアクセス制限が可能になります。各職員の役職や権限に応じて、見られるファイルを設定できます。
例えば、管理者だけが見られる重要なファイルと、一般職員が閲覧できるファイルを分けることが可能です。同様に、個々の利用者に関する情報も、関係者だけが閲覧できるように設定できます。
クラウドストレージを利用すると、書類ごとのアクセス制限が可能になり、適切な情報管理が行えます。
バックアップ機能によりデータ喪失のリスクを軽減
バックアップ機能を活用することで、データの喪失リスクの大幅な軽減が可能です。クラウドストレージでは自動的にデータのバックアップが取られます。
例えば、介護記録や請求データが偶然消去されたとしても、バックアップから簡単に復元できます。また、万が一のシステム障害や天災でも、バックアップデータが保管されているため、データが喪失されません。
クラウドストレージのバックアップ機能により、データの喪失リスクが軽減され、安心して業務に集中できます。
まとめ
電子帳簿保存法は、デジタルデータの管理と保存を規定した法律であり、その要件と経過措置の理解が重要です。電子帳簿の適用は、介護業界の業務効率化に寄与するでしょう。
クラウドストレージは、介護業界での電子帳簿保存法への対応に重要な役割を果たします。今回、紹介した『請求書や経費データの管理』『監査への対応』『多拠点でのデータ共有』といった活用例を、ぜひ参考にしてください。
また、クラウドストレージがもつ『セキュリティ・データ保護』『ストレージ容量の調整』『書類ごとのアクセス制限』『バックアップ機能』といった、多くのメリットを活かしていきましょう。
電子帳簿保存法と介護業界との関わりを理解し、クラウドストレージの活用を進めることで、業務効率化とデータ管理の改善に向けた大きな一歩を踏み出しましょう。
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ライター:若山
介護福祉士として従事している傍ら、介護歴10年の経験を活かし、介護/福祉に特化した記事を執筆。介護現場のIT・デジタル化にまつわる課題や悩みに対して現場に即した、有益なアイデアを提供します。