建設業における自然災害とクラウド|災害時の具体的な対策を解説

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」建設業ライターの東海林です。

ここ数週間の間に震度6強を記録した石川県能登地方に続き、千葉県南部でも震度5強の地震が発生しました。地震や台風などの自然災害は毎年のように日本列島を襲い、被災地域では長い時間と資金をかけて復旧作業に取り組みます。

そのなかで建設業は一刻も早い再起動を義務付けられている業種の一つです。今回は緊急テーマとして、社会インフラを支える建設業界における自然災害とクラウドの関係について考えてみました。

被災時における建設現場の保全とクラウド管理

建設現場は被災地における初動の拠点

建設業にとって自然災害、とりわけ地震への対応は建築基準法の改正の歴史とも言えます。大きな災害が発生するたびに耐震基準などが改正され、最新の新耐震基準では震度6強〜7クラスでも倒壊しない構造となっています。

大規模な自然災害が発生した場合、建設中の建物も被害を受ける可能性があります。野ざらしの現場は、完成している建物よりも被害を受けやすいことは明らかです。一方、建設現場には機材や資材、建設技術者がそろっています。この点で建設現場は被災地における初動の拠点にもなりえます。

被災時の建設現場の対応は、先ず人員の安全確保、その次に現場の保全です。災害への対応については大手建設会社を中心にマニュアル化されており、また関連機関への連絡網や避難訓練などにより機動的な対応ができる体制が構築されています。

ただ、大規模な災害が発生した場合では、現場への立ち入りが難しくなるケースもあり、建設会社による現場保全が十分に出来ないケースも考えられます。津波や火災で現場事務所そのものが消失してしまう可能性もあるでしょう。

クラウド管理について

現場が管理している施工データなどは被害状況の調査や工事再開のために欠かせませんが、平時からこれらのデータをクラウドで管理・共有することにより、被災時にはオフサイトから取り出すことが可能となります。

更に、建設現場が被災地域における緊急拠点となる場合においても、クラウドによって資機材と技術者等の情報が共有化されていれば、離れた場所から緊急対応に当たることができます。

このように建設現場におけるデータ管理をクラウドにより共有化することは、バックアップなどのデータ保存上の安全性だけでなく、災害への対応面でも効果を発揮できる可能性を含んでいます。データの分類や整理がしやすいクラウドでは、必要なデータの優先順位を設定する事が可能です。

災害データの分析と共有化への期待

欠かせない災害データの分析

災害大国である日本では、過去の災害データの分析は欠かせない作業の一つです。これまでの耐震基準の見直しも災害データに基づいた結果であり、災害以外で建築基準法が改正されたのは耐震設計偽装(姉歯事件)が発覚したケースだけです。この時は設計基準の強化ではなく、運用面での大幅な見直しが行われました。技術者の良心ではなく法令により偽装を排除する手法へと抜本的な変更が行われました。

日本を襲う代表的な自然災害には台風や大雨(雪)、地震があります。地震の場合、震源の強さ(マグニチュード)や場所によっては津波が発生するケースもあります。

こうした自然災害のうち、地震を除いた台風や大雪などによって起こりうる被害については、刻々と伝えられる気象情報を元に一定の予測が可能です。

具体的にどの程度の被害が発生するのかなどの分析においては、損害保険業界が豊富なデータを蓄積しています。例えば、気象庁が発表する台風の強さや進路予報を元に、どの地域にどの程度の被害が発生するかを予測します。実際、損保会社では被害の発生が予測できた段階で災害対策本部の準備に入ります。

大規模な自然災害が発生すると、職人に代表される専門作業員や資材・機材が圧倒的に足りなくなります。近年ではこうした災害が毎年どこかで発生するようになりました。

先月に発生した能登地域での地震(最大震度6強)では職人や資材が足りず、復旧のメドが立たない被災住宅が数多く確認されています。

令和元年に千葉県に上陸した台風15号では、ブルーシートで応急処置されたままの建物が長期間にわたって残されました。

情報共有の推進

こうした災害データの収集・分析は、損保会社のような体力のある企業でなければ取り組めません。また、戸建住宅など小規模な建物の復旧は地元の工務店や専門業者に依存することが多く、業界でゼネコンと呼ばれている一定規模の建設会社はほとんど関与しません。このため、実際に復旧に携わる工事関係者の多くが分析データに触れる機会がないのが現状です。

コストの問題を別とすれば、災害データの分析を小さな単位(エリア)で進めることができれば、接近中の台風による影響でどんな部材がどの程度のロットで必要になるのかなどの予測ができるようになってきます。

情報の共有が進めば、メーカーや資材販売会社、建設業者などの工事関係者の動きがスムーズになり、被災地域の復旧にも寄与することが期待できます。

また、過去の災害データの分析による予測情報が住民にも共有されると、人的・物的の両面で減災への効果が期待できます。気象庁や政府、行政機関の発表とあわせ、地域に特化した分析データを活用することにより、その地域ならではの災害リスクを予想することが可能となります。

被災時の広域連携とクラウド

被災地域の復旧にあたって建設業が果たすべき役割の一つに早期の再稼働があります。被災した地域を復旧するのが建設業だからです。ただ、被災の規模によっては建設会社そのものが機能不全から復帰できないケースも想定しなければなりません。

このような場合、被災エリアの周辺からの支援が必要となり、いわゆる行政間で提携されている広域連携とは別に、建設会社間の広域連携も重要となってきます。

これは建設会社のBCP(事業継続計画)とも関連するテーマであり、現状では建設業団体や全国に拠点を持つ大手ゼネコンが率先して取り組んでいます。

大規模地震のような広いエリアで一気に災害が発生するケースでは、域内の建設会社の機能は麻痺すると考えておいて間違いありません。例え機能を維持できる建設会社が存在したとしても、周辺の建設関連企業がダメージを受けていれば結果的に機能不全を免れることはありません。建設業は目的物が大規模になるほどピラミッド型の施工体系を必要とする産業ですから、非常時の1社ができることは非常に限定的です。

このような事態に陥った場合、被災を免れた周辺地域からの支援や援助が必須となります。この時に重要となるのが被災地域内からの正確な情報です。

災害時には膨大な情報が発生・錯綜します。この中から必要かつ正確な情報だけを関係者で迅速に共有する必要があります。

その際、クラウドによる情報管理は非常に有効なツールとなります。もちろん、不正アクセスや情報漏洩に対するセキュリティ対策も重要です。

まとめ

自然災害が発生する際、建設業にとってのクラウドによる情報共有の有効性について解説いたしました。

クラウドではデータの安全な保管だけでなく、分析や分類なども最も得意とする機能ですから、必要なデータをどこからでも迅速に取り出せるクラウドによる情報管理は非常時にこそ威力を発揮します。

そのためには、災害に備えた平常時から情報共有の態勢を整備しておくことが必要です。関係者の間で情報共有のルールを策定したり、定期的な訓練などを通じて、いざという時のために協力体制を維持しておくことが大切です。

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参考:【国土交通省】土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン

ライター:東海林

取材記者として約10年、建設会社の経営者及びコンサルタントとして約20年の経験を活かしてライターや企業コンサルとして活動中。幅広い分野への知見を持ち、特に建設業界に関する深い理解や洞察力により実用的な記事執筆を得意とする。

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