建設コンサルとITリテラシー|建設コンサルの活用とIT化推進

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」建設業ライターの東海林です。

国や地方自治体からの依頼により、様々な公共事業を担う建設コンサルタント(以下、「建設コンサル」と称する)は建設における「建てる」や「つくる」といった業務を除いた、企画立案から構想・計画、さらに地質調査など社会資本整備全体に携わります。

そんな建設コンサルが抱える課題などからITリテラシーに紐付けて、 DX化推進の足掛かりとなるような情報を紹介します。

技術者不足が進む建設コンサル業界

建設コンサルタントってどんな仕事?

建設コンサル業は戦後復興期における公共事業の増加に伴い、政府が民間技術力の活用を決めたことが始まりです。公共事業で建設されるのは道路や空港など税金で整備される社会資本であるため、独立した第三者として発注者に代わって事業全体を統括する役目を担うのが建設コンサルです。

このため、建設コンサル業に従事する者は国土交通省への登録が必要となっており、現在でも建設コンサルが活躍している主な舞台は公共事業です。

公共事業では施工者として建設会社も参加していますが、施工や施工管理のみを受け持つ建設会社と違い、建設コンサルは発注者(国や地方自治体など)の依頼を受けて企画・開発計画や事業化調査から施工監理、維持管理までを含めた事業全体をマネージメントします。

『企画』『計画』『調査』『設計』『施工』『維持・運用』を建設事業の流れとすれば、建設コンサルが案件形成から完成後の運用までのすべての段階で関与するのに対し、建設会社が受け持つのは『施工』(=工事)に限定されます。

分かりやすく言うなら、建設コンサルが担当しないのは工事だけであり、建設会社による『施工』をチェックするための施工監理は建設コンサルの仕事です。施工管理(=現場管理)は建設会社の『施工』に含まれます。

建設コンサル業が抱える問題

建設業界では花形の職種である建設コンサルですが、技術者の不足など建設会社とよく似た問題を抱えています。

建設コンサル業界にはどのような問題があるのでしょうか。

・納期の集中

年間を通した仕事量が平準化しておらず、年度末に納期が集中する傾向があります。納期集中は以前ほどではないものの、建設コンサルが受注する契約のうち2〜3月に納期を迎える割合は直近でも7割を超えています。これが過重労働を発生させる一因となっています。

・長時間労働と育成期間

豊富な知識と経験を要する業務の特性上、長い育成期間が必要であり、指導者のもとで経験を積まなければなりません。また恒常的に長時間労働などの激務が続き、建設業界で言われる3Kのうち『きつい』が建設コンサルでは酷く、若手を中心とした高い離職率を発生させる原因となっています。

・定着率の悪化

若手を中心とした定着率の悪化により、業界の高齢化が更に進んでいます。このまま若手技術者が不足した状態が続くと、将来の技術継承などの面で大きな損失が発生します。最近の大手コンサル会社における離職率は非常に高まっております。

このように、建設コンサル業は社会資本整備を支える最先端で活躍できる分野にもかかわらず、労働環境の改善が進まなければ人材難の解決は望めそうにありません。業界をあげて取り組んでいる働き方改革などは緒についたばかりです。

建設コンサルのITリテラシーについて

ITリテラシーが建設事業を効率化

・多岐にわたる建設コンサル業務

建設事業とは企画から設計・施工・維持管理までの一連を指します。事業全体をマネージメントする建設コンサルは、最新の建設技術や工法の収集・評価をし、計画に反映させる役割を持ちます。

この他にも脱炭素やカーボンニュートラル、SDG’s、防災・減災や国土強靭化、デジタル化やDX、高齢化社会など、建設コンサルの業務に関連するキーワードは多岐にわたります。

・インフラ分野のDX

国土交通省が旗振り役となって進められている『i-construction』においては、建設コンサルの役割はこれまで以上に重要です。すべての建設事業が対象ではありませんが、社会資本整備におけるIT化を推し進めるため、建設コンサルにはより高度なITリテラシーが求められています。

『インフラ分野のDXの推進』は社会資本や公共サービスの在り方を変革し、さらに業務や組織そのものまでの変革をめざして令和2年度から国交省が『i-construction』の延長線上として推し進めている施策です。

・ITがコンサル業務と建設事業を効率化

建設コンサルは強力なITリテラシーを身に着けることにより、事業計画をブラッシュアップするための膨大な一次情報を効率的に処理し、建設事業の上流部門における生産性を高めることができます。

上流部門の生産性が改善されることで、設計や施工、維持管理方法の効率的で環境、安全などを考慮した高い品質の事業計画の策定が可能となり、建設会社におけるITリテラシー向上との相乗効果により下流部門の生産性が高まります。

建設コンサルのITリテラシーは、自らの業務の生産性や品質を高めるだけでなく、関与する各工程や事業全体のあらゆる面に好影響を与えます。

多様化するコンサル業務と住民参加

現在では利益や効率の追求だけで成立する事業はなくなり、建設コンサルの業務も多様化する傾向にあります。かつて公共事業の悪玉として批判にさらされた箱モノに代表されるような住民後回しの事業計画は遺物となり、建設コンサルは計画の妥当性や合理性の検証はもとより、民間資金の導入など発注者の財務面からの検討、環境や防災への配慮、地域住民との連係など、あらゆる角度から事業計画を練り、評価します。

住民参画型の事業計画も増えつつあります。住民とは事業が計画されている地域に暮らす人々であり、事業から直接・間接的に影響をうける当事者であり、納税者です。事業計画の初期段階から住民が参画することにより、透明性が高く、地域にとって無駄のない合理的なインフラ整備が見込めます。住民との連係も建設コンサルの大事な業務の一つです。

クラウドが解決する建設コンサルの課題

問題解決のカギは情報共有化

・コンサル担当者の負担を軽減

建設コンサル業界の人材不足を解消するためには、その原因を取り除く必要があります。原因の一つである過剰労働を緩和させる手段としては、一人当たり業務量を減らす、または業務効率の改善が挙げられます。

日頃の膨大な業務を効率化したり、長い期間をかけて一人の建設コンサルを育成するまでの過程を少しでも短縮するためには、情報の共有化が欠かせません。

技術者や事業者との間で情報を共有することにより、不足している実務経験値を補ったり、最新技術などの獲得が進みます。

また、多様化が進む日常業務では、共有した情報をAIと融合させることにより、業務効率の改善や省力化が見込めます。

・情報共有による相互理解

増える傾向にある住民参画型の事業計画においては、地元との調整業務は建設コンサルの重要な業務の一つです。そこでは情報の共有化と双方向化が重要な役割を果たします。

建設コンサルは住民の意見や問題点などをリアルタイムで収集し、事業計画の策定や修正に反映させます。誰でも計画の方向性や進捗を常に確認できることにより、住民の事業への関心や理解が深まります。結果的に事業の透明性が高まり、建設コンサルを通じた事業者と地元の切れ目のない調整が期待できます。

このように、情報の共有化は建設コンサルの業務上の負担を軽減し、事業者と地元の相互理解を深める効果を生みます。

まとめ

建設コンサル業界の問題解決や新しい社会資本整備にとって、建設コンサルが備えるべきITリテラシーの重要性が分かりました。建設コンサルのITリテラシーは建設事業全体の生産性をも左右します。

建設コンサル業界そのものを改革する上でも、これからの社会資本を整備する上でも、建設コンサルには高度なITリテラシーが求められます。

また、クラウドによるリアルタイムな情報共有化は、建設コンサルのITリテラシーの向上やこれからの社会インフラ整備において大きな役割を果たします。

災害大国である日本においては、データ保全の面からもクラウドによる管理が優れているとする声もありました。

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参考:【国土交通省】建設業におけるITの活用について

ライター:東海林

取材記者として約10年、建設会社の経営者及びコンサルタントとして約20年の経験を活かしてライターや企業コンサルとして活動中。幅広い分野への知見を持ち、特に建設業界に関する深い理解や洞察力により実用的な記事執筆を得意とする。

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