こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」建設業ライターの東海林です。
建設現場の大型化や高度化によって設計図面や現場写真などの大容量化が止まりません。
業務上、社内における共有だけでなく、施主や元請、協力会社など社外との頻繁なデータのやり取りを避けられない建設会社にとって、データファイルの取扱いは悩みのタネです。
多くの作業員や関係者が出入りを繰り返す建設現場(作業所)では、日々の作業管理に伴って増える書類や法令により現場保管を義務付けられている書類も少なくありません。
ここでは、建設業における大容量ファイルのやり取りに関する注意点や今後の流れについて、工事本部や作業所の方々の声をお聞きしながら、現場目線で探ってみます。
Contents
現場がファイルをやり取りする背景
建設現場が図面や写真などをやり取りする背景について調べてみましょう。
いつ、どのような理由でファイルのやり取りが発生するのでしょうか?
社内とファイルを共有化する必要性
建設現場が日常的に扱っているファイルには、図面や施工写真など大容量のデータがかなりあります。建設会社にとって現場は独立した出店のような存在であり、工事本部が管理するのは現場の運営に関するすべてです。本店が支店を管理していることと同じです。
複数ある建設現場を一元管理している本部は、現場の状況についてリアルタイムで情報を求めています。
例えば、進捗は計画通りなのか? 協力業者の安全書類に不備はないか? など、本部が知りたい時に知りたい情報を即座に入手できるように作業所と密接に連携します。本部が目指しているのは、現場から個々の情報を得ることではなく、建設現場そのものを共有化することなのです。大手ゼネコンを筆頭に本部と現場の情報共有化はかなり進んでいます。
顧客や協力会社など外部とのやり取り
作業所がファイルをやり取りする主な相手先は次のように分けられます。
1. 現場を統括管理している社内本部
2. 顧客である施主または元請会社
3. 設計会社などの設計・監理部門
4. 協力会社や資材メーカーなどの仕入先
5. 役所関連や公益企業などの公的機関
このうち、2〜5はすべて社外であり、しかも相手先は多数です。
4の協力会社の数は特に多く、大規模な新築現場の場合では、建設現場としてファイルをやり取りする相手先が50ヶ所を超えるケースもあります。
例外的に役所に限っては紙媒体によるやり取りがまだ残っています。
現場はこうした相手先と業務上、常にファイルのやり取りを行います。顧客に定例報告をしたり、協力会社や資材調達先へ施工上の必要なデータを送ったりする必要があるからです。現場は常に多くの相手先とそれぞれ個別にファイルをやり取りしています。
ファイルをやり取りする方法と注意点について
それでは、実際に建設現場はどのようにファイルのやり取りをしているのでしょう?
いくつかの手法に分けて調べてみます。
コピーなどの紙媒体でやり取りする
建設現場と言えば、大きな図面を拡げて打合せをしているイメージがあります。いまも変わることのない現場風景ですが、これらは利用時に出力しているに過ぎません。図面などのデータを紙媒体でやり取りする習慣は減る傾向にあり、大手クラスではほぼ解消されています。
いまや図面の入ったタブレットを抱えた施工管理者が現場の最前線で働く時代です。
「そもそも紙媒体がSDG'sじゃない」「受け渡し管理が大変」とのご意見もありました。
電子メールやファイル送信サービスを活用する
建設現場がファイルの受け渡しで最も利用しているツールは電子メールです。
ファイル容量が大きい場合はファイル送信サービスを利用します。最近ではLINEでのやり取りも常態化しています。
電子メールやLINEは双方が時間や場所に縛られない便利なシステムですが、良いことばかりではありません。添付すべきファイルを選ぶ手間がかかったり、ファイル送信サービスでは受取期限があったりします。
人為的なミスも起こります。送信先を間違えたり、添付ファイルを間違えたりするケースです。送信側に不備がなくても、「データが重すぎる」「スマートフォンで操作できない(ファイルが開かない)」といった問題が発生することもあります。
また、ウィルスに感染して情報が流出したり、第三者に迷惑をかけてしまうリスクがあります。ウイルス対策ソフトなどで防衛しますが、こうした対策は片方だけでは不十分な点も見過ごせません。
USBなど電磁的媒体でやり取りする
ファイル容量が膨大で緊急性のない場合に限って優位性を発揮するのがUSBなどの電磁的媒体です。
建設現場が外部とのデータのやり取りに利用することは稀ですが、その場でデータを受け取れる便利さから多くの人がUSBメモリーを持ち歩いています。
電磁的媒体によるファイルのやり取りでは、間違った相手に渡してしまうリスクがなく、手渡しの場合は確実に相手に届きます。ネットを通じてデータが感染したり流出してしまうリスクもありません。
ただ、一つだけ注意すべき点があります。受け取った人がUSB本体を紛失したり盗まれてしまうことです。「受け渡し記録が残らないことは問題」とする声もありました。いずれにしても、作業所がやり取りする手法としてはあまりオススメはできません。
クラウド上に格納して共有する
クラウド上のストレージにデータを保管し、必要に応じて取り出す方法です。作業としてはファイルの受け手が一方的にクラウドへ取りに行くだけです。
あらかじめクラウド上のストレージにファイルが格納されていれば、場所とアクセスキーを教えるだけで現場の作業は完了します。データそのものを送る必要がありません。本部で一元管理できるメリットもあります。
例えば、すべての図面をクラウドに格納しておけば、アクセスキーを貰った協力業者は必要な図面だけクラウドから取り出すことができます。アクセスキーに制限をかけておけば余計なデータを見られる心配もありません。
ただ、インターネットに接続しているリスクは解消されませんから、サイバー攻撃や不正アクセス、システムダウンなどのリスクは残ります。間違ってデータを消去してしまうヒューマンエラーもあるでしょう。こうした理由から導入に躊躇している企業も見られます。
クラウドでの共有が主流になっていくワケ
ここまでの分析で分かったことをまとめてみましょう。
・建設現場がやり取りするツールは、電子メールまたはクラウドが現実的
・ハッキングやウィルスなどのリスクはどちらにも残る
・電子メールでは相手に届かない場合がある
・クラウドは一元管理が可能
・建設現場の手間としてはクラウドが有利
などです。
簡易な連絡や単発のデータ送信などでは引き続き電子メールやLINEが活用されますが、多くの利用者が見込まれる大容量のデータのやり取りではクラウド上での共有に軍配が上がりそうです。図面や安全書類など共通して使用されるデータがもっとも適しています。
どちらを選択しても残されるリスクが同等なら、より効率的だったり省力化を見込めるクラウドの選択が進むはずです。人材不足が各社共通の悩みとなっている建設業界では尚更でしょう。
こうした流れは今後、加速する可能性があります。初期コストが低いことも新規導入を後押しする重要な材料となります。
実際、クラウドサービスを導入している建設会社からは、「オンプレミス(自社サーバーによるシステム構築)は無理だが、クラウドだから低コストで導入できた」「現場労務を削減できる」「自社にシステムの専門家が不要」「本社で一元管理できるから作業所の手間は原則ない」などの評価が聞こえてきます。
「セキュリティが心配」「一定のITリテラシーがないと難しそう」「維持費がけっこう高くなる」「自由度が小さい」といった消極的な見方もありますが、これらの問題を解決していくのはサービスを提供している事業者です。
セキュリティ対策、操作性、拡張性、価格などの要素はすべて、サービスを提供する事業者に与えられている課題です。ユーザーは自社に適したサービスを選択するだけです。
一方、ユーザーとして利用者のITリテラシーの向上に努めることは、現場の高齢化が進んでいる建設業界に限ったことではありません。あらゆる産業でIT化が最大速で進んでいる現状、特定の産業だけが遅れていい理由など存在しません。
まとめ
中小規模の建設会社に対して今後、クラウドが普及していく見込みであることが朧げながら見えてきました。今のところは規模と体力のある会社による導入がゆっくりと進んでいる状況ですが、あらゆるデータの共有化は意外なところで良い効果を生む可能性もあります。
例えば、先日の札幌における施工不良事件では、共有化されたデータの有効活用を進化させれば、もっと早い段階で現場の偽装を見抜けたかも知れません。
また、本来のクラウドの導入効果はファイルのやり取りだけではありません。施工管理や売上管理などの建設業務のほとんどをクラウドで共有することにより、業務効率の改善や省力化、信頼性や確実性の向上が見込めます。近い将来、データの共有化は建設会社が生き残るための必要条件となっているかも知れません。
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ファイル管理でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
参考:【国土交通省】建築行政のデジタル化対応について
ライター:東海林
取材記者として約10年、建設会社の経営者及びコンサルタントとして約20年の経験を活かしてライターや企業コンサルとして活動中。幅広い分野への知見を持ち、特に建設業界に関する深い理解や洞察力により実用的な記事執筆を得意とする。
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