【製造業向け】「カイゼン」のための具体的なアクションとは?

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」製造業ライターの黒髪 リノです。

製造業の生産現場で日々発生する問題に、頭を抱える経営者や現場責任者も多いのではないでしょうか。業務改善が必要だとわかっていても、日々の作業に追われてしまい、具体的に何から始めてよいのかわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、日本を代表する企業であるトヨタ自動車の、トヨタ式「カイゼン」をご紹介します。トヨタ式「カイゼン」は、トヨタの強さの源の一つです。チームで知恵を絞って仕事のムダをなくし、失敗を繰り返さないことによって成果を上げます。

トヨタ式「カイゼン」は、製造業だけではなく、多くの業界で実践されています。「カイゼン」実施方法や成功事例も詳しく解説していますので、自社に業務カイゼン文化を取り入れたい方は、是非参考にしてください。

トヨタ式「カイゼン」とは?

トヨタ式「カイゼン」とは、徹底的にムダを省き、生産効率を上げるために社員全員が参加して取り組むカイゼン活動です。また、トヨタ式「カイゼン」は、トヨタ生産方式の中核をなす考え方の一つでもあります。トヨタ生産方式は、ムダを排除し、原価を低減する考え方が基本です。モノづくりの方法について、さまざまな面から合理性を追及するトヨタ独自の製造技術です。今日では、多くの日本企業が取り入れている考え方であり、日本の製造業の強さの源となっています。

トヨタ式の考え方3選

トヨタ式「カイゼン」を取り入れる場合に、押さえておきたいトヨタ式考え方を3つご紹介します。

3Mの削減

トヨタの生産現場では、ムリ・ムダ・ムラを取り除きます。3Mの「M」は、ムリ・ムダ・ムラの頭文字を表しています。

トヨタ式の考え方における「ムリ」とは、作業者の心身に過度の負担がかかることです。たとえば、現場で作業者が屈んで部品を取らずに済むように、立ったままで部品が取れる置き場に変えるなどが「ムリ」の削減に該当します。

「ムダ」とは、付加価値を生まず、原価が高くなってしまう現象や結果のことです。他部署からの情報提供の待ち時間や、運搬の二度手間など、作業者の行動にもムダが潜んでいます。

3つ目の「ムラ」とは、製品の生産計画と、実際の生産量が一致せず増減することです。ムラを取り除くことで、仕事量のバラツキをなくし、効率的な生産を目指します。

このように、トヨタ式「カイゼン」では、ムリ・ムダ・ムラを徹底的に洗い出して撲滅しているのです。

トヨタ式5S活動

5S活動とは、職場環境をカイゼンする活動です。次の5つの行動の頭文字を表しています。

・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・しつけ

5Sは、どのような職場でも応用できます。整理整頓は、必要な時に効率的に取り出せる状態にすることです。見た目をキレイに見せるのではなく、本当に必要なものだけを残すので、仕事の生産性や効率アップにつながるのです。

ボトムアップ式

トヨタの「カイゼン」は、ボトムアップ式です。ボトムアップ式では、現場の実務担当者が主体となって、課題を経営者や管理職に提案し、改善を実施します。経営者や管理職の指示ではなく、現場担当者が自らが考えて動くため、自然と当事者意識が生まれるでしょう。

一方、ボトムアップ式の対義語として、「トップダウン式」があります。トップダウン式は、経営者や、管理職が中心に決めた対策を一般社員に展開する方法です。

製造業だけではない?さまざまな分野のカイゼン

トヨタの製造現場から生まれたトヨタ式「カイゼン」ですが、製造業だけではなく、さまざまな分野で実践されています。ここでは、とある特別養護老人ホームが取り組んだトヨタ式「カイゼン」をご紹介します。

【特別養護老人ホーム】人材確保の取り組み

広島県にある特別養護老人ホームでは、介護業界の人手不足を解消するため、社員にとって魅力的な職場を作るべく、トヨタ式「カイゼン」を実施しました。

まずは、収納ルールがなく、備品が乱雑に置かれていた施設内の整理整頓に着手。在庫が一定量まで減ったタイミングで発注する仕組みをつくり、在庫の最適化を図りました。また、食堂のバックヤードや事務室でも5Sを導入し、動線の効率化やムダを削減します。

これらの取り組みにより、「見える化・標準化した介護の仕組みをつくる」という社員の共通認識が生まれました。その結果、場当たり的ではなく、根拠に基づいた判断で仕事をする習慣が定着しています。

カイゼンの進め方5ステップ

トヨタ式「カイゼン」は、現場から上がった声から課題を見つけるボトムアップ式で進めます。
ここでは、具体的なカイゼンの進め方を、5つのステップに分けてみてみましょう。

1.業務プロセスの見える化

まずは、業務プロセスを視覚的に認識します。改善のための具体的なアクションを検討する際に、見える化することで問題点やムダを発見しやすくなります。カイゼンチームのメンバーに、業務フローチャートを作成してもらいましょう。

2.課題の洗い出し

ステップ1で作成した業務プロセスの各プロセスに、悩みごと・困りごとを書き出します。たとえば、「顧客からクレームが多い」「出張清算書の記載ミスが多い」「残業が多い」など、個人、職場全体レベル問わずできるだけ多く書き出します。ブレインストーミングをするのも一つの方法です。関係者で集まって、自由な発想で課題を洗い出せば、多くの視点を取り入れることができるでしょう。

ほとんどの課題は、小さな要素が絡み合って大きな課題になっています。大きな課題を解決しようとするのではなく、小さな課題から取り組むのがコツです。課題を分解し、自分たちが取り組める具体的な問題にまで分解します。

3.カイゼン目標と具体的なアクションを決める

取り組む課題が決まったら、カイゼン目標を設定します。カイゼン後の具体的な効果や成果を明確にすることがポイントです。

目標を実現するために必要な具体的なアクションを整理します。目標達成までの期間や各アクションを、ガントチャートなどの計画表に落とし込みましょう。いつまでに誰が実行するのか、期限を定めることが重要です。

4.カイゼン実践

ステップ3で決めた計画に従って、カイゼンを実施します。定期ミーティングを設けて、各アクションの進捗を確認し、計画の遅れがないか進行状況を把握します。

5.効果確認

カイゼンを実施した後、必ず効果を確認しましょう。カイゼン結果を数値やグラフ化することで可視化します。カイゼン報告会を開催し、目標達成度やカイゼンの効果を評価する機会を設けることが有効です。発表の機会があるからこそ、カイゼンを怠らないようになるでしょう。

カイゼン効果を高めるポイント

カイゼンは継続することが大切です。一度実施したカイゼンも、放置したままであると、カイゼン効果が持続しません。では、カイゼン効果を持続させるためには、何が必要なのでしょうか。

社員の意識改革

カイゼン効果を持続させるためのカギとなるのは、社員の当事者意識です。経営者や管理職が社員に業務改善効果をいくら促しても、実施するのは社員です。カイゼン活動未経験の社員の中には、「カイゼンは面倒だ。」というイメージを持っている人もいるかもしれません。

経営者や管理職も、社員が業務改善に取り組みやすい環境を作ることが大切です。社員も、カイゼンによって作業が楽になった経験をすれば、自分からカイゼンしたいという気持ちに変化していくことでしょう。

最新ITツールの活用

カイゼン効果を持続させる一つの方法として、最新ITツールの積極的な活用があげられます。カイゼン活動の情報共有や、業務の効率的な仕組みを作るためには、ITツールが欠かせません。

リアルタイムで情報を共有できるビジネスチャットや、クラウドストレージを活用することで、関係者が必要な情報に瞬時にアクセスできます。迅速な意思決定やコミュニケーションが可能になります。

IT活用は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一つの手段です。DXを推進する経済産業省のDXレポートによると、「日本企業はIT技術の活用の重要性(DX)に気づいているが、実際のビジネス変革にはつながっていない。」としています。DX推進に乗り遅れないためにも、クラウドやITサービスの導入を積極的に検討しましょう。

参考:経済産業省|DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~

まとめ

本記事では、トヨタ式「カイゼン」を自社に取り入れたい経営者の方に向けて、トヨタ式の考え方や、カイゼンの実施方法を解説しました。トヨタ式「カイゼン」は、ボトムアップ式で行われるため、社員自ら課題を提案し、カイゼンします。「やらされ感」ではなく、自分の頭で考え、仕事にやりがいをもって取り組む社員が育つでしょう。

カイゼンは継続することが大切です。一度実施したカイゼン活動も放置したままでは、カイゼン効果が持続しません。カイゼン活動を習慣化し、組織全体の文化としてカイゼンが浸透することが理想的です。

トヨタ式カイゼンで業務効率化に「クロジカ大容量ファイル管理」

トヨタ式「カイゼン」で業務効率化を目指すなら、「クロジカ大容量ファイル管理」の導入をおすすめします。「クロジカ大容量ファイル管理」とは、大容量ファイルを保存できるクラウドストレージです。トヨタ式「カイゼン」のように、チームと協力してカイゼン活動を行う際に最適です。

チーム内でカイゼン計画表をリアルタイムで共有でき、複数のメンバーが同じファイルにコメントを追加できます。その結果、意思決定のスピードが向上し、カイゼン活動が円滑になるでしょう。高度なセキュリティ対策もばっちり。サーバーの状態は、24時間365日自動で監視されており、万が一異常を検知した場合は、エンジニアが状況を把握し、一時復旧などの対応を行います。

「クロジカ大容量ファイル管理」には導入コストがかかりません。通常20~100万円かかるクラウドの初期構築も無料です。安心して導入をご検討ください。

ライター:黒髪 リノ

製造会社で16年にわたり、国際間のドキュメント翻訳・管理業務を担当。
製造業の「データ管理」「ファイル共有」にまつわる課題や悩みを
豊富な現場経験をもとに、実務に落とし込める形でお届けします。

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