製造業界における、IT化とリスキリングの必要性|具体的ステップと考慮すべきポイントを解説

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」マーケティングの畝です。

2018年に経済産業省が公開した「DXレポート」により、各企業でDX推進が必要であるという認識が高まりました。その後も経済産業省から「DXレポート2.2」まで公開されていますが、必要性や重要性の理解はされつつも、DXの実行にまで至っている企業はまだ少ないと感じます。

2022年3月に実施された(独)中小企業基盤整備機構による「中小企業のDX推進に関する調査」では、中小製造業界でDXが必要だと答えた企業は81.6%と多数の企業が必要性を感じているにもかかわらず、実際に取り組んでいる企業は30%にも満たない結果となっています。

DX推進が遅れている要因の一つとして、国内全体でIT人材が不足している事があげられます。国内全体でIT人材が不足している中で、中小製造業が新卒や中途採用でIT人材を獲得するのはかなり厳しいため、リスキリングにより社内従業員をIT人材へ育成する事が必要不可欠となるでしょう。

製造業のIT化、なぜ必要?

製造業でIT化が必要な理由として「業務効率化」と「生産性を上げる事」があります。

厚生労働省が公開している「2022年版ものづくり白書」によると、製造業の就業者数は年々減少しております。また、若年就業者数の割合は全産業の中で低く、逆に高齢者就業者数の割合は高くなっており、今後も製造業の就業者数は減少し続ける可能性が高いと言えます。この状況下で製造業が就業者の確保及び就業者の離職を防ぐためには、社内のIT化が重要となってきます。

IT化のメリット

社内のIT化を進めることにより、「働きやすい環境が整う」ことが最大のメリットです。具体的には、IT導入により業務の効率化や生産性が向上し、労働時間の短縮や残業時間の削減ができ、労働者の負担が減少し、企業の利益率も向上します。これ以外にも原材料や製品などの在庫品の適正化によりキャッシュフローの改善にも効果があり、現状IT化が進んでいない企業ほどIT化の恩恵は大きいでしょう。

既存システムの見直し

既に何らかのシステムを導入している場合、今さらIT化について考える必要はないと思われているかもしれません。しかし、受発注、在庫管理、生産管理、入出荷、入出金などの大量のデータを収集分析し、分析データからスピーディーな経営判断が必要なDXにおいて、既存のシステムでは対応しきれないことがほとんどではないでしょうか。

無理に既存システムで対応し続けることにより、システムのレガシー化が進み、結果として従業員への負担も増加するといった悪循環に陥ることも考えられます。そうならないためにも、今後の経営戦略において既存システムに問題がないか、見直してみることも必要でしょう。

DXに必要なIT化とは

製造業においてDXに必要なIT化は大量のデータをスピーディーに収集し分析できるようにすることです。受発注管理や生産管理、請求業務などが単体のシステムで稼働していた場合、月次決算などのデータが迅速に集計できない、あるいは集計を急ぐあまり、従業員の残業の増加やデータ集計の間違いなどに繋がります。

このような状況に陥らないために製造業の基幹となる受発注、入出庫、生産管理、在庫管理、見積り請求、入出金については単体システムではなく、パッケージ型システムなどで各データを連携させることが大切です。データが連携されることにより業務の効率化が図れ、企業規模が大きくなった場合でも対応する事が可能でしょう。

製造業のIT化に必須のリスキリング

製造業のDXが進まない理由としてIT人材の不足があります。国内全体でIT人材は不足しており、新規採用や中途採用により確保することはかなり厳しく、リスキリングを取り入れ従業員へITに関する知識を習得させることが、今後のDX推進のキーとなるでしょう。

リスキリングとは?

今の仕事とは全く違う仕事をするために、新たなスキルを身につける、または身につけさせることがリスキリングにあたります。リスキリングは政府も推進しており、新規事業の立ち上げやデジタル人材の育成などの人材育成に関して、条件を満たしていれば費用が助成されます。
参考:厚生労働省 人材開発支援助成金

リスキリング対象者の選定

リスキリングを行う際に注意しておくべきことに対象者の選定があります。リスキリング対象者の選定が失敗すれば、余分な費用と時間をかけてしまうことになります。選定時に重視することは「現場業務の理解力とコミュニケーション力」「マネジメント力」「向上心・好奇心・忍耐力」があるかということです。

IT知識は後から身につけることが可能ですが、これらの能力は簡単に身につけることができないため、必然的に各部のエース級の人材が必要となるでしょう。また、リスキリング導入には従業員の異動など、一時的な負担増加が伴うことがあるため、経営層の役割として、リスキリングの重要性を全社員に伝えることも必要です。

リスキリングで習得するスキル

企業のDXに必要なスキルはIT知識以外にも下記のようなものがあります。どういった人材を育てるのかをよく考え、リスキリングに必要なスキルを習得させましょう。

  • コミュニケーションスキル(コーチング、ファシリテーションなど)
  • マーケティングスキル(行動心理、セールスライティングなど)
  • データ分析スキル(統計学、機械学習など)

リスキリングの手法

リスキリングの手法については主に次の3つの方法が考えられます。

1.自己学習
テキストや書籍、eラーニング講座などを利用し、従業員が自ら学習する方法です。IT知識を習得するだけであれば、自己学習が基本となるでしょう。資格試験や認定試験を受験する事で教育効果が期待できそうです。

気をつける事としては、個人の裁量に任せる部分が多いため、狙った期間にスキルを習得できない可能性があるので、習得したスキルがアウトプットできる場を用意するなど、学習の進捗を確かめる工夫が必要でしょう。

2.ワークショップ研修
ワークショップ研修では、数名が同じ場所に集まり、グループ討議をし結果をまとめ発表するといった、実践に似た能動的な学習が可能であると同時に、「他人から刺激を受ける」「他人へ教え、アウトプットできる」など、学習効果をアップさせる要素があることも魅力です。

3.実務で教育
DX人材を育成するうえで、実務教育は欠かすことができません。新しい知識を用いて、今まで携わったことのない仕事をどのように進めていくか、実務を通して考え、実行していくことでDX人材の育成ができます。

経営層は育成する人材の現状のスキルを把握した上で、どのような手法でリスキリングを行うのか計画し、対象者のモチベーションを保つ工夫も取り入れながら、継続的な取り組みをしていくことが、リスキリングを成功させる上で重要となります。

リスキリングにかかる時間

リスキリングに必要な時間は、受講する社員の現状のスキルやどのようなリスキリングを行うかによって変わります。仮に短期間のeラーニング講座を受講したとしても、終了までに3ヶ月程度かかり、受講した社員の理解力次第ではさらに時間がかかることもあるでしょう。

またリスキリングは一度行えば終了というわけではなく、その後もデジタル技術の発展や市場の変化に対応するために継続的に行っていく必要があります。社員の育成をしつつ、社内DXを出来るだけ早く進めたいという場合にはクラウドストレージの導入がおすすめです。導入や操作が非常に簡単で、ITに関する知識もほとんど不要で、データの共有による業務の効率化や大容量ストレージによる製図や画像などのデータ保存にも適しています。リスキリングを進めつつクラウドストレージの導入も同時に検討することは、社内DXを進める上で有効な選択肢の一つでしょう。

まとめ

中小製造業のDXが進まない要因は、DXやITに関わる人材が不足していることでした。今後、IT化が進まず働く環境が変わらない企業には、人材が集まらない可能性が高まります。国内全体でIT人材が不足している今、社内のリスキリングを計画的に取り入れ、IT人材を育成すると同時に、DXを推進し環境の変化に対応し続けられる企業を目指しましょう。

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