【介護業界向け】介護の見える化を実現するクラウドストレージ

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」介護業ライターの柴田です。

介護施設が目指す施設づくりの一つに「開かれた施設」というテーマがあります。これは、地域の社会資源として誰もが利用しやすい施設という意味だけでなく、入所している高齢者が地域とつながっていて「生きがいのある暮らしができる施設」という意味でもあります。この記事では開かれた施設を実現するため、介護の見える化をクラウドストレージでおこなう効果について解説していきます。

介護現場に必要な二つの見える化

介護現場を見える化するためには、大きく分けて二つの視点が重要となります。

  • 入所者へのケア
  • 介護職員への処遇 

入所者のケアとは、高齢者がどのような介護を受け、どのような生活を送っているかという実態の可視化です。そして、介護職員の処遇とは介護業務の内容や労働環境を可視化するということです。これら二つは、一見性質が異なるように感じるかもしれませんが、どちらも高齢者の生活の質に深く関係しています。詳しく見ていきましょう。

入所者へのケアを見える化

介護を見える化する場面は、居室空間やレクリエーション、行事の様子などがあげられます。高齢者が談笑したり行事を楽しんだりする様子は、施設での暮らしを可視化し風通しの良い健全な施設運営を心掛ける上で、重要な視点です。

とはいっても高齢者の中には、「プライバシーは守りたい」「入所していることを知られたくない」という人もいます。

クラウド環境で介護を見える化する際に最も大切なことは、施設として可視化する内容や公開対象者をあらかじめ設定しておくことです。そして、高齢者本人や家族などから情報公開することに同意を得ておくことを忘れてはいけません。このプロセスを適切におこなうことで、誰に対してどこまで情報公開するかといったことが共通ルールとなり、行き過ぎた情報公開やプライバシー侵害を防ぐことができます。

介護職員への処遇を見える化

介護職員への処遇を見える化することは、介護職員の業務内容や働き方に関する情報となり求職者にとって職場選びの参考となります。介護業界は深刻な人手不足に直面しており、介護という仕事に偏見や誤解をいだいている人も少なくありません。感染症が流行している時期は、家族の面会すらできず、求職者にとって介護施設の様子を見学することができません。

働いている職員を見える化することで、介護サービスの紹介だけではなく、高齢者と関わる介護職員の生き生きとした姿や仕事のやりがいを伝えるツールになります。広報誌やSNSで発信できない容量の大きいデータや求職者をターゲットにしたリクルート動画などをクラウド環境で公開すれば、介護という仕事のすばらしさを発信できるので、あらたな人材確保につながる可能性があります。

入所者へのケアを見える化するメリット

クラウドストレージを活用し介護現場を見える化することで得られるメリットを、3つ紹介します。

介護の質があがる

介護保険制度ではショートステイという介護サービスがあります。これは自宅で暮らす要介護高齢者が数日施設に入所して入浴介助やリハビリを受けるサービスです。認知症や半身麻痺がある高齢者などに対してリハビリや専門的なケアを短期集中で実施するので、利用希望が多いサービスとなっています。とはいえ介護をしている家族にとって、短期間の入所中にどのようなサービスやリハビリが実施されているのか分かりません。

施設によっては介護記録を書面で渡したり、口頭で利用中の様子を伝えたりしていますが、クラウドストレージを活用すれば、入所中の様子を動画で紹介することができます。リハビリや介護の様子を動画で伝えることで、家族にとっては在宅介護のための参考にもなり介護の質が上がることも期待できます。

介護事故の防止につながる

介護現場では、いくら注意を払っていても転倒や誤嚥など事故が発生するリスクは常に潜んでいます。同じ事故を繰り返さないために最も重要なことは、原因分析をしっかりおこない再発防止策をチーム全員で共有することにつきるといえます。

その具体的な対策として、クラウドストレージを活用することは最適といえます。なぜなら動画や写真を用いた事故報告をクラウド上で作成できるので、より具体的に事故の原因や対策が介護職員間で共有できるからです。事故の種類や月別にフォルダを作成することで、発生の頻度や時間帯など原因分析もしやすくなります。

また、事故により介護職員が負傷した場合、労働災害として扱われることがあります。事故が発生しやすい場所や場面をデータで分析したりマップなどで共有したりすることで、再発防止策を具体的に見える化できます。施設全体で事故と向き合い業務を見直す姿勢が、高齢者、介護職員のどちらにとっても安全な環境づくりにつながります。

<参考:社会福祉施設における危険の「見える化」|厚生労働省

 家族との信頼関係を築ける

感染症が蔓延する時期には、感染拡大防止のため高齢者との面会を制限する施設があります。とはいっても家族にとっては「少しでも今の様子を知りたい」「会える時間が今しかない」という事情はあって当然のことでしょう。クラウドストレージを活用すれば、高齢者と家族が直接会えなくても顔をあわせる選択肢を増やすことができます。

たとえば、施設のクラウドストレージに高齢者の個別フォルダを作成します。セキュリティで守られたこのフォルダには、あらかじめ施設と家族だけしかアクセスができないようにしておきます。施設は日々の様子を写真、動画で保存することで、家族は離れていても高齢者の様子を見ることができます。一方家族もビデオレターをそのフォルダに保存しておけば、施設から高齢者が家族からの動画を見ることができます。

施設として「できません」と安易に断る前に、利用者や家族目線で考える真摯な対応が家族に安心感をあたえ、信頼を築く一歩となるのです。

介護職員への処遇を見える化するメリット

この章では高齢者への介護サービスを見える化する一方で、生き生きと働く介護職員の様子を見える化することで得られるメリットを紹介します。

介護職員等特定処遇改善加算がもらえる

介護報酬の中に「介護職員等特定処遇改善加算」という加算があります。これは介護人材の職場定着やキャリアアップの仕組みを介護施設で構築できるように、一定の要件を満たした施設が取得できる加算です。加算が算定できる要件の一つに「処遇改善加算に基づく取組について、ホームページ掲載等を通じた見える化を行っていること」があげられています。つまり、クラウド環境やホームページで処遇内容やキャリアアップ制度を見える化すれば、介護職員一人当たり月平均4.6万円の補助金を得ることができます。

<参考:処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)|厚生労働省

働きやすい職場をアピールできる

介護業務を見える化することで、仕事の無駄を省いたり、特定の介護職員への負担を軽減したりできます。業務を標準化することにより全ての介護職員が質の高い介護サービスが提供できれば、新人やベテランに関係なく働きやすい職場になるでしょう。さらにクラウドストレージを活用すれば業務の手順書や業務報告もデータでやり取りできるので、事務作業の軽減につながり、ひと時でも長く高齢者に寄り添う時間が確保できます。

介護職員がやりがいを持って働ける環境が、結果として離職を減らし人材不足解消の一手になることは間違いありません。

<参考:介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン(令和元年度改訂版)|厚生労働省

まとめ

介護の見える化とは、介護施設で暮らす高齢者の生活を赤裸々に公開することではありません。施設での高齢者の暮らしは、決して密室で営まれるものではなく、地域と協働しながら常に風通しの良い環境であることが理想です。

今後はクラウド環境の導入により、さらに施設運営の可能性は広がります。離れて暮らす家族やボランティア、介護に興味のある人やシニア世代の人などにとって、施設はもっと身近な存在になるかもしれません。入所している高齢者が自ら動画で将棋相手を募集したり、職場や旧知の仲間と交流することも可能になるでしょう。

多彩な人々の多様な力をクラウド環境で集めることで、高齢者の暮らしを今以上に豊かにできる時代はすでに始まっています。

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簡単に導入でき、安心安全で利便性の高い機能を備えています。
ファイル管理でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

ライター:柴田 崇晴(しばた たかはる)​

福祉系大学を卒業後、特養相談員や地域包括支援センターで20年従事し、現在養護老人ホームの園長に就任。複数の介護事業所を管理する傍ら、都道府県の介護支援専門員会副会長、私立看護学校での非常勤講師を兼務し、研修講師、人材育成を積極的に行う。
【資格】
社会福祉士 主任介護支援専門員

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