こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」セールスの土田です。
IT技術の進歩で私たちの仕事環境はとても便利になってきています。
これまで紙媒体でやりとりしていた手続きをデータ上で行えるようになったことで、ビジネスのスピードはより加速しています。
ただ、これに比例して取り扱うファイル量も日々増加し、その管理をしっかりと行わなければいけません。
企業においては取り扱うファイルの量が莫大なものになりますので、ほとんどの企業ではファイル保管のためのツールを導入しており、それがいわゆるNAS(Network Attached Storage)やクラウド型ファイルサーバー(またはクラウドストレージ、オンラインストレージ)と呼ばれるものです。
今回の記事では、それぞれどのような違いがあり、導入にあたってのメリット・デメリットがあるのかを紹介していきたいと思います。
導入を検討している皆さまの、最適なツール選びにお役立ていただけますと幸いです。
Contents
NASとクラウド型ファイルサーバーの違いとは?
NASもクラウド型ファイルサーバーも、どちらもネットワークに接続して複数人で一緒にファイルの保管や共有に使うことができるツールですが、一番の大きな違いは接続しているネットワークの場所です。
NAS | 社内のネットワークに接続し、そのネットワークに接続できる端末から操作が可能です。保管するのは社内になり、運用は自社で行います。 |
クラウド型ファイルサーバー | インターネットで接続して使えるサービスです。ネット環境があればどこからでも使用でき、運用はサービス会社が行います。 |
それではそれぞれ、どのようなメリットとデメリットがあるのかご紹介していきましょう。
NASを使うメリット・デメリット
NASもデータを保管するHDDですが、個別のパソコンではなく社内のルーターなどに繋いで使うため、同じ社内のネットワークに接続している端末から共同で作業ができます。そのため、毎回送受信しなくてもよい利便性があり、各企業において広く使われています。
ただ、NASの性質は使い方によってメリットにもデメリットにもなるため、社内の運用次第でどちらになるかが変わってきます。
【NASを使うメリット】
1. ランニングコストがあまりかからない
NASは通常機器を購入して自社で取り付けを行えば、数年使うことができますので、ランニングコストが掛かりません。もちろん、機器のメンテナンスやデータ保護の対策を導入する場合は多少の費用が掛かりますが、一般的に寿命と言われている5年間ほどは初期費用だけで利用できます。
2. 社内でのみの共有のため外部に漏れにくい
NASの特徴でもありますが、基本的に接続できるのは同じネットワークの中にある端末となりますので、社外に出す必要のない機密性の高い情報を管理するのには向いているといえます。
3. ユーザーごとの容量制限がない
クラウド型ファイルサーバーの主要なサービスでは、ユーザー1人あたり何バイト、という容量の制限がありますが、NASはストレージの範囲内で好きに使うことができますので自由度が高いと言われています。
【NASを使うデメリット】
1. 故障のリスクがある
HDDを設置するため、物理的な故障のリスクが相応にあります。
経年による故障や自然災害といったリスク。さらには、強い衝撃や停電によってデータが消失するということもありますので、取り扱いには注意が必要です。
2. 初期導入の費用と手間がかかる
メリットでランニングコストがかからないと紹介した反面、容量の大きなNASを購入するには費用が高くなります。また、データ消失に備えて2台のNASにそれぞれデータを保管する方法が取られますが、そうすると費用は倍になります。
さらに、自社に独自に設置するので、それなりに知識がある方でなければ設定に手間取ることもあります。
3. 社外とのやりとりには向かない
機密性の高い情報を管理するのに向いている反面、社外の方へファイルを送ったり、共同で資料を作成したい場合などにはNASは向いていません。そういった作業が必要な場合はクラウド型ファイルサーバーを導入するほうが効率的です。
クラウド型ファイルサーバーを使うメリット・デメリット
クラウド型ファイルサーバーは事業者が提供しているサービスを利用しますので、無料で使えるものから容量や機能に応じてビジネスプランの有料のものを選んで利用できます。
また、インターネットに接続しているため、ネット環境があればどこからでもアクセス可能なのが一番の特徴です。
【クラウド型ファイルサーバーのメリット】
1. 初期費用・運用の手間がいらない
クラウド型ファイルサーバーは月額料金で利用できるものがほとんどですので、初期費用が掛かりません。また、運用に関しても事業者がバックアップやアップデートなど保守も含めて対応していますので、自社で対応する必要はありません。
2. どこからでもアクセス可能
クラウド型ファイルサーバーはネットに接続さえしていれば場所を選ばず利用することが可能です。例えば取引先での資料の閲覧やリモートワークでの作業にも対応できますので、今どきの働き方に対応しているといえます。
3. 社外とのファイル共有が便利
一般的に、容量の大きなファイルをメールで送るには、圧縮してパスワードをかけたりファイル送信サービスにアップロードしてダウンロードしてもらうなどの手間が掛かりますが、クラウド型ファイルサーバーでは直接ファイルの受け渡しができるため、とても便利です。
【クラウド型ファイルサーバーのデメリット】
1. 月額利用料が発生する
NASとは反対に、クラウド型ファイルサーバーは月額利用料が発生します。利用ユーザー数や容量によってはNASの導入費用よりも高額となってしまう可能性があります。
2. セキュリティ対策が必要
インターネット上にファイルを置いているため、悪意のある攻撃にさらされる可能性があります。通常はサービス事業者が対策を取っていますが、利用するサービスによってどこまで見てくれているのかをしっかりと確認した上で選定する必要があります。
セキュリティ対策については、総務省からも発生する可能性が高い事項について要約されておりますので、ご参考になりますと幸いです。
総務省:クラウドサービス利用上の注意点
さいごに
いかがでしたでしょうか? 紹介してきました通り、NASとクラウド型ファイルサーバーはそれぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらか一方が優れているツールということはありません。
ぜひ記事を参考に自社の業務にあった運用方法ができるツールを選んでみてください。
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