インターネット上のサーバーにデータを保存・共有ができるクラウドストレージ。
近年、さまざまな業界で導入されておりその優れた利便性に着目し、利用する企業や個人が増え続けています。2023年の調査結果では、勤務先のストレージ利用状況においてクラウドストレージは1位のファイルサーバーに次ぐ2位となり、データからも導入企業の増加が確認できます。参考:ファイルサーバとクラウドストレージの利用状況(2023年)/前編
この記事ではそもそもクラウドストレージとは何なのか?クラウドストレージが支持される理由、クラウドストレージ活用のメリットやデメリット。さらにクラウドストレージ選定のポイントまで細かく検証していきます。クラウドストレージサービスの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
Contents
クラウドストレージとは?
クラウドストレージとはインターネット上のサーバーにデータやファイルを保管する場所のことです。
クラウドストレージを利用することで大量のデータやファイルを安全に保存することができ、クラウドストレージに保存されたデータやファイルは離れた場所にいてもアクセス権限を持つ誰もが共有できます。近年製造業においても大手から中小企業までクラウドサービスが持つ、さまざまなメリットの恩恵を受けるため、年々導入する企業が増えてきました。
2022年度 クラウドサービス利用率 (業種別)
1位 製造業 16.7%
2位 運輸業・郵便業 15.8%
3位 建設業 15.3%
4位 卸売・小売業 15.2%
5位 サービス業 13.3%
(出典):総務省「通信利用動向調査」
数年前のデータから比較すると製造業のクラウドストレージ利用率がかなり増えてきている傾向にあります。
クラウドストレージ活用のメリット
場所を選ばずデータを保存・閲覧・共有することができる
クラウドストレージは外出先でも取引先においてもインターネット環境下であればスマートフォンなどからデータやファイルを確認したい時すぐに閲覧や保存が可能です。
急を要する場合も即座にアクセスして共有しながら取引先に提供したり、取引の決め手となる場面でも時間をとりません。PCのみならず、タブレットやスマートフォンでアクセスできるところがさらに業務効率化につながります。
コストが削減できる
大容量の情報やデータファイルを自社サーバーで保存したり、セキュリティ対策を行うとなると大変なコストがかかります。
クラウドストレージは無料のものもあれば1ユーザーあたり、月額1,000円のサービスもあり、さらには物理サーバーと比較して安価に容量を増やすこともできます。
セキュリティ対策も常に最新版にバージョンアップしている企業もあるので、自社で監視するセキュリティにかかる人件費に比べると大きな差が出ます。
データやファイルの消去や損失を防ぐ
クラウドストレージを導入すると、自然災害や火災のような出来事から企業のデータが損失したり破損したりすることからの脅威を感じることもなく、バックアップを取っておく必要もありません。
自社のPCのローカルディスクやサーバーにデータやファイルを保存している場合、PCの故障やネットワークトラブルなどで大切なデータやファイルを消去・損失してしまう可能性があります。
クラウドストレージの大半はデータが保存される度にバージョンを管理してくれるので最新の状態から過去の状態に戻すことも可能です。
クラウドストレージはいつでも最新の状態を利用できる
クラウドストレージはサービスを提供する会社が常に最新にバージョンアップしてくれているので特に利用者がバージョンアップや最新版を気にすることなく利用できます。最新版を利用することで業務も効率が上がり、スムーズに進むでしょう。
自社でサーバー管理を行っている場合、システムの更新やバージョンアップ、システムの改善などをすべて自分でしなくてはなりません。
クラウドストレージ活用のデメリット
オフラインで使用できない
クラウドストレージはインターネット上で使用するサービスなので当然オフラインでは使用できません。また、インターネット回線速度により大きく左右されるので強固なインターネット環境を整備する必要があります。
使用中の回線が途切れてしまったりネットワークが不安定な状態で編集するとデータが保存できなかったり消失してしまったりする可能性があるのです。
サービスによってはオフライン作業できるものであったり、データの消失をできる限り減らすサービスもあるのでサービス選定の際には十分納得したうえで契約に至ってください。
カスタマイズしにくい
自社でデータを管理するシステムに比べるとクラウドストレージは自社用にカスタマイズすることが制限されています。特に仕様・デザインにおいてはサービス提供者が用意したもののみ使用できるというケースがほとんどです。
その逆にクラウドストレージには自社サーバーにない機能もあり、選定の際には自社に本当に必要な機能が豊富にあるかを見極めて決めることが大切です。
セキュリティ対策が重要
クラウドストレージにおいて自社のデータやファイルをインターネット上で管理するため、十分なセキュリティ対策を行なってデータやファイルを守りましょう。
外部からのハッキング攻撃や、内部のデータ持ち出しにも十分に注意を払うことが必要不可欠です。社員にセキュリティ対策の研修を受けてもらったり、IDやパスワードなどを作成したり二段階認証を作成したりと十分なセキュリティ対策をしておきましょう。
クラウドストレージ活用事例
製造業
製造業界においては一つの製品のカタログの量は非常に多く、かつては毎回営業先に膨大な数のカタログを持って得意先に出向き新製品の説明や営業活動をしてました。
クラウドストレージを活用すると多くの社員がスマートフォンやタブレットを使用してお客様へ製品のカタログを見せることで、お客様が自社にとって本当に必要な製品かどうかを見極めることができます。
また、製造業においては営業部と製造部が密になって売り上げを向上していくのが目的ですが、本社と工場は場所が離れていることが多いこともあります。
そのような際に、クラウドストレージを活用することによって製造工程の内容まで本社と工場が離れていても、情報へのアクセスができます。取引先にも閲覧してもらうことにより交渉が優位になることもあるでしょう。
建設業
以前は施工写真や図面データを取引相手とメールでやり取りをしていました。
すると相手から「いつのメールに添付しましたか?」「ファイルが見つからないのですが。」などトラブルがたくさんありました。クラウドストレージを取り入れてからは、URLを取引先に共有するだけでファイルを共有することができ、改めてデータを探すこともなくなりました。
また、現場からタブレットで写真データを閲覧し現場立会もスムーズになりました。何よりも現場責任者が事務所にデータを取りに行ったりして現場から抜けて職人を待たせることもなくなり、施工時間も短縮できるようになりました。
クラウドストレージ選定のポイント
運用コスト
クラウドストレージは導入にあたって初期コストは低く、システム維持・更新にかかるコストは発生しませんが、利用者数や保存データ容量の増加により料金は上がります。
なので増加するであろう容量を予測してあらかじめ空けておいたり、利用者数の増加を見越してプランを作成することが必要になります。
セキュリティ
セキュリティ対策はクラウドストレージを選ぶ際にとても重要なポイントとなります。
不正アクセスや情報漏洩、ハッキング被害とインターネット上にデータを保存するため想定外のことが起きる可能性は少なからずあります。そのため暗号化、二段階認証、アクセス制限などしっかりとしたセキュリティ対策機能が必要です。
バックアップ
バックアップは企業の取り扱うデータの種類や容量によって大きく変わってきます。
文書が主なデータの保存になると少ない容量で収まりますが、建設業や製造業のように工程を写真に収めるような業種は写真データ、動画データがかなり大きい容量になります。サービスによっては容量無制限一定額というようなプランや、繁忙期のみ容量を追加するというプランを選ぶこともできます。
また、1日3世代バックアップをするサービスもあり過去にさかのぼってデータを戻すということも可能です。取り扱うファイルやデータを失くしたり、消去してしまうというミスを最低限になくすようにバックアップを強化する必要があります。
スマホ対応
対応する機種を把握した上で、PC無しでも現場や取引先でスマホでクラウドストレージを使用することで作業効率化ができ、スムーズに仕事を進めることが可能です。
まとめ
この記事ではクラウドストレージを活用するにあたり、選定ポイントやメリットデメリットを紹介してきました。
本記事を通して、自社のデータ管理において機能や目的を明確にして最適なクラウドストレージを選択することができますと幸いです。また、現行のファイルサーバーからクラウドストレージに移行しようとしている企業の方は特に気になる点が多いかと思いますので必要要件などが叶えられるか等を含めお問い合わせくださいませ。
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