ホームページのコンテンツ作成において、考慮すべきサーバーへの影響とは?

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

自社サービスの顧客獲得や顧客育成において、オウンドメディアやコンテンツマーケティングの重要性が高まっている今、Webサイトのサーバー対策が見直されています。

例えば、キラーコンテンツ配信後にアクセス集中によるサーバーダウンなどのリスクに対処するため、サーバー対策は不可欠です。この記事では、ホームページのコンテンツ作成における、サーバーへの影響とその対策について解説します。

キラーコンテンツに伴うアクセス集中

はじめに、キラーコンテンツに伴うアクセスの集中について解説します。キラーコンテンツとは、ユーザーに大きな価値を提供し、大量のアクセスを引き寄せるコンテンツのことを指します。

キラーコンテンツの重要性

オウンドメディアやコンテンツマーケティングの時代において、キラーコンテンツの作成は企業の売り上げやブランド力向上に繋がる要素の一つです。その理由として、近年のインターネットの普及・デジタルコンテンツの充実などが挙げられます。

総務省「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、個人におけるインターネット利用率は8割、SNSも7割近くが利用しているという結果が出ています。そのため、自社のコンテンツがキラーコンテンツとなった場合、インターネットの上で情報が一気に拡散され、数日で通常の数倍のアクセス数が見込まれます。その結果、SNSの企業アカウントのフォロワーが急増し、売上に繋がったという事例が数多く報告されています。現代において、企業におけるキラーコンテンツの制作は非常に重要であると言えるでしょう。

期待されるアクセス集中のパターン

キラーコンテンツ配信後のアクセス集中は、ある程度パターン化できます。
それぞれ見ていきましょう。

  • コンテンツの配信直後

プレスリリースや新商品発売などに関するコンテンツ配信直後に、ソーシャルメディアや業界内で注目を集め、短時間で大量のトラフィックが発生するケースです。この場合、配信後数時間でアクセス集中が発生します。

  • テレビCM、キャンペーンなどの配信期間

テレビCMやキャンペーンを配信すると、その特定の期間にアクセスが集中する傾向があります。この場合、情報開示のタイミングではなくテレビCM放送後やキャンペーン期間などに集中する傾向があります。

  • SEOによる検索上位表示

SEOはキーワードリサーチやメタデータの最適化など、検索エンジンで上位にランクされるようにコンテンツを最適化することで、検索経由のアクセスが集中します。検索結果10位のページと1位のページではクリック率において20%以上の差がでるという結果も報告されています。この場合、コンテンツ配信後からある程度の期間(数か月程度)を経てアクセス集中が発生します。また、その後も継続したアクセスが見込まれます。

引用:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid – SISTRIX
参考:https://www.seohacks.net/

サーバーダウンのリスクとその影響

キラーコンテンツによる急激なアクセス増加は、サーバーの負荷を予想以上に高め、サーバーダウンのリスクを高めます。ここでは、サーバーダウンの原因とその影響について解説します。

サーバーダウンの原因

アクセス集中が発生した際、なぜサーバーダウンが起きてしまうのでしょうか。サーバーダウンの原因についてそれぞれ見ていきましょう。

  • サーバーリソースの枯渇

CPUやメモリ・ストレージなどのサーバーリソースが枯渇し、サーバーでリクエストの処理が不可になるケースです。サーバーの用途やアプリケーションの特性により消費リソースには違いがあります。例えば、データベースサーバーではメモリを多く消費する、メールやファイルサーバーではストレージを多く消費するなどの特徴があります。サーバーの利用用途に合わせてリソースの調整を行いましょう。

  • トラフィック過多

アクセスが集中すると、サーバー内のI/Oに負荷が掛かりリクエストが処理できなくなってしまいます。また、サーバー単体だけでなく複数のサーバーを繋ぐネットワーク内でもトラフィック過多は発生するため注意が必要です。

  • 負荷分散システムの影響

アクセス集中に備えて負荷分散装置を導入している企業もあるでしょう。しかし、負荷分散システムが適切に設定されていない場合、トラフィックは均等に分散されず、特定のサーバーに過剰な負荷がかかるため注意が必要です。

例えば、負荷分散の方式(静的・動的・ラウンドロビンなど)で均等に分散しているつもりでも、クライアント側の挙動やサーバー台数、ファイアウォールなどを経由してIPアドレスソースが固定されてしまう場合は上手く分散されない可能性があります。

ユーザーエクスペリエンスへの影響

サーバーダウンはユーザーエクスペリエンス(UX)に直接的な悪影響を及ぼします。

ユーザーがアクセスした際にサイトが利用不可であると、不満・不信感を感じてしまい、企業のブランドへの信頼性が損なわれます。また、最近ではサイトがダウンすると、利用ユーザーがX(旧Twitter)にてポストを行うことでトレンド表示されてしまい、実際のユーザー以外にもサービスダウンが広く認知されてしまいます。

サーバーダウンを防ぐためのベストプラクティス

ここまで、キラーコンテンツの重要性とサーバーダウンの原因とリスクについて説明しました。
最後にサーバーダウンを防ぐための方法について解説します。

CDNの活用

CDN(Contents Delivery Network)は、サーバーダウンを防ぐ上で非常に効果的な手段です。

CDNは、世界中の複数のサーバーにコンテンツを保存し、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信するシステムです。これにより、単一のサーバーへの負荷が分散され、サイトダウン防止に繋がります。CDNサービスの例として、AkamaiやCloudflare、AWSのCloudFrontなどが挙げられます。

CDNについては、下記の記事で詳しく解説しています。
▼CDNについての詳しい記事はコチラ
【Web担当者が知っておくべき】CDNとは?概要やメリットを解説!

キャッシュの最適化

CDNなどのキャッシュはサーバー負荷を抑えられるというメリットがありますが、正しく設定をしないとユーザーエクスペリエンスが低下する恐れがあるので注意しましょう。

キャッシュを導入する場合は、キャッシュの最適化が重要です。例えば、キャッシュ保持設定の秒数を長く設定した場合、コンテンツの更新時にエッジサーバーが古い情報を保持したままになってしまい、ユーザーへ最新情報を提供できなくなってしまいます。逆に、キャッシュ保持設定の秒数を短くしてしまうと、更新は早くなりますがサーバー負荷が高くなりキャッシュの意味がなくなってしまいます。

適切なキャッシュ設定を実施し、サーバーダウンのリスクの低減をすると共に、ユーザーエクスペリエンスの向上を行いましょう。

サーバースケーリングの重要性

サーバーのスケーリングを行うことで、サーバーダウンのリスクを低減することが可能です。

スケーリングとは、サーバーの台数を増やしたり(水平スケーリング)、スペックを増強する(垂直スケーリング)方法を指します。例えば、AWSのAuto Scaling機能を使えば、CPUの負荷率や特定の時間(テレビCM放送時間)だけサーバーを増減することが可能となります。スケーリング設定はサイトの特性やトラフィックのパターンによって異なるため、自社に合わせたスケーリング戦略を実施しましょう。

まとめ

この記事では、ホームページのコンテンツ作成におけるサーバーへの影響と、それに伴うリスク管理の重要性について解説しました。ホームページのコンテンツ作成は企業のオンライン集客に欠かせない要素ですが、キラーコンテンツ配信後のサーバーダウンのリスクも見逃せません。独自の有益性のあるコンテンツを制作し、同時にサーバーダウンを防ぐための施策を実践して、顧客との安定した関係構築を実現しましょう。

「クロジカサーバー管理」 では、サーバー管理のトータルサポートサービスを提供しています。CDNの導入やサーバースケーリングの設定はもちろん、導入後のメンテナンス・サーバーダウン時の障害復旧作業も承っております。

また、事業会社様のウェブサイトをデザインされるWeb制作会社様でクライアント様から「サーバー管理まで対応してほしい」というお声がある場合、Web制作会社様向けのパートナープログラムもご用意しておりますので、詳細のご質問などについてお気軽にお問い合わせください。

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ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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