こんにちは。「クロジカサーバー管理」コンサルティングチームの西原です。
コーポレートサイトの管理をクラウド環境に移行する企業が近年増加しています。これまでオンプレミス環境で行うことも多かったコーポレートサイトの管理・運営を、クラウドで管理することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?今回は、クラウド環境によるコーポレートサイト運営の利点、オンプレミスとクラウドの違い、クラウドインフラとして人気のAWSについて触れていきます。
目次
コーポレートサイトの運用をクラウドで行うメリットとは?
コーポレートサイト運営、管理をクラウドでするメリットとして、以下のような点が挙げられます。
初期費用・運用コストが抑えられる
いちからサーバー構築を行うよりもクラウドサーバーを利用した方が初期費用が格段に抑えられます。サーバー構築にかかる金額はケースバイケースですが、一般的な目安として20~30万円ほどが相場のようです。加えてコーポレートサイトで使われるようなハードウェアは、1台数百万円は下りません。もちろん、コーポレートサイトの規模やアクセス数によっては、それ以上の費用がかかることも珍しくありません。一方でクラウド環境では、サーバー構築にかかる初期費用が不要となります。さらには、サイト運営のために必要なサーバー管理の電気代・人件費などもかかりません。
柔軟な利用ができる
アクセス数が増加してサーバー拡張が必要な段階になっても、社内でインフラを管理している場合は即時対応することは難しいのが現状です。クラウドサーバーであれば、その時の状況に応じてすぐにストレージ容量の増減などのスペック変更ができます。最近では多機能なクラウドサービスも増えてきているので、その時に必要な機能をすぐに追加することも可能です。ただし、スペックの拡張や選べる機能の幅は利用するクラウドサーバーによるため、円滑なサイト運営のためにはサービス選びをきちんと行う必要があります。
スピーディに企業サイトが制作できる
クラウドだと、ネット環境があればコーポレートサイトの作成・管理に必要な環境がすぐ整えられます。先程、クラウドだとサーバー構築にかかる費用が抑えられると触れましたが、節約できるのは費用だけではなく期間も同様です。通常、サーバー構築には設計・構築・テストといくつもの工程を踏んでからリリースされるもので、速くても数ヶ月はかかってしまいます。クラウドの場合、既にサービス側で整っている環境に構築・テストを行い、利用することができるためWebサイト制作までのスピードは比べるまでもありません。
オンプレミスとクラウドとの違い
コーポレートサイトの環境として、オンプレミスとクラウドのどちらかに別れます。既に費用、期間などの面で違いがあることは分かりましたが、その他の違いについても見ていきます。
オンプレミス
オンプレミス(Onpremise)は、企業が社内の所有した空間に設置したサーバーでサイトや社内データを管理する仕組みのことを指します。ハードウェア、ソフトウェアを調達し、システムを構築する必要がありますが、
- 会社独自のセキュリティが行える
- 初期費用はかかるが運用コストはそれほど変動しない
- 仕様変更などカスタマイズの制限がほぼない
といったメリットがあります。
ただし
- 初期投資額が大きい
- 運営、管理のための人件費が必要
- サーバーを複数台設置するための設備が必要
- 定期的なメンテナンスが必要
- ハードウェア、ソフトウェアが古くなったらまとまった費用がかかる
- 設計から実用化まで時間がかかる
- トラブルが発生した時にリスクがある
というデメリットも無視できません。
クラウド
クラウドは、オンラインサーバー・ストレージなどインフラ環境やリソースを毎月お金を払って利用する仕組みのことです。すでに構築されたものを使うので、社内でハードウェア・ソフトウェアを用意する必要もなく初期費用が抑えられます。クラウド環境でコーポレートサイトを運営するメリットとして、以下が挙げられます。
- 環境構築の期間が不要でサイト公開までの期間が長い
- ストレージや機能の増減も簡単
- サーバー設置の必要がないため社内のスペースを有効活用できる
- 故障や災害発生時の対応が不要
その一方で、このように気になるデメリットもあるようです。
- 端末のセキュリティ対策は必須
- 従量料金制が多く、毎月金額が変わる恐れがある
- カスタマイズの自由度はサービス側の環境に依存する
とはいえ、情報社会の促進やオンライン環境の活用増大などにより現在では多くの企業がクラウドサービスを利用しています。
AWSはなぜコーポレートサイトインフラとして人気が高いのか
AWS(Amazon Web Service)は、Amazonが手掛けるクラウドコンピューティングサービスの代表的な存在です。なぜ、多くの企業がコーポレートサイト作成・運営にAWSを選ぶのかに触れていきます。
始めるまでのハードルが低い
AWSは、AWSアカウントを作成して請求情報の入力とでSMS(または電話)での本人確認をして、プランを選択したらアカウント作成完了です。
プランは
- ベーシックプラン(無料)
- デベロッパーサポート(約3,000円~/月)
- ビジネスサポート(約10,000円~/月)
の3種類です。
コーポレートサイトの運営が目的の場合は、ビジネスサポートを利用するケースが多いようです。アカウントが作れたらマネジメントコンソールに進んで、すぐにAWSの機能が利用できます。利用開始までに時間をかからず、コーポレートサイト開設までの期間を大幅に短縮できます。
高品質なセキュリティ
AWSのセキュリティは、ISO 27001、SOC、PCI DSSなど第三者機関から認証を得た常に最新のものが適用されています。金融機関や医療関係などの厳格な基準も満たしています。セキュリティ・コンプライアンスサービスも、以下のように多くのものが利用できます。
アイデンティティ/アクセスマネジメント
サービス名 | 概要 |
AWS Identity & Access Management (IAM) | ユーザーアクセス・暗号化キーの管理 |
AWS Single Sign-On | クラウドSSO(シングルサインオン)サービス |
Amazon Cognito | アプリケーション向けのアイデンティティ管理 |
AWS Directory Service | マネージドタイプのマイクロソフトアクティブディレクトリ |
AWS Resource Access Manager | AWSのリソース共有のためのアクセスマネージャー |
AWS Organizations | アカウントのガバナンスをまとめて管理 |
検出
サービス名 | 概要 |
AWS Security Hub | 統合されたセキュリティとコンプライアンスセンター |
Amazon GuardDuty | マネージド型脅威検出サービス |
Amazon Inspector | アプリケーションのセキュリティを分析 |
AWS Config | AWS リソースの設定を記録して評価 |
AWS CloudTrail | ユーザーアクティビティと API 使用状況の追跡 |
AWS IoT Device Defender | IoT端末のセキュリティ |
その他
- インフラストラクチャの保護
- データ保護
- インシデント対応
- コンプライアンス
など多岐に渡る機能が充実しています。
クラウドのコーポレートサイト運用がおすすめのケース
下記のようなニーズがコーポレートサイト運営においてある場合、クラウドの利用がおすすめです。
- スピーディな対応が必要
- コストや空間の見直しをしたい
- テレワークを導入している
- 最新技術をコスパよく利用したい
さいごに
コーポレートサイトは、Webサイト制作以外にも運営やサーバー管理などの手間がかかります。昨今は、クラウドサービスも格段の進化を遂げており、誰もが名前を知っているような企業でもWebサイトやサービスの管理・運営にクラウドを使用しています。数あるサービスの中でも、本文でご紹介したAWSが代表的な存在としてよく知られています。現在、オンプレミス環境でコーポレートサイトを運営している場合は、いきなりクラウドに完全移行するのではなくクラウドとオンプレミス両方を使った「ハイブリッドクラウド」という手もあります。
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