AWSの導入を検討している企業にとって、適切な支援会社の選択は重要な課題です。本記事では、AWS導入支援が得意な8社の特徴を比較し、各社のサポート内容や選定方法を詳しく解説します。
この記事でわかること
① AWS導入支援会社8社の比較
② AWS導入支援会社の一般的なサポート範囲
③ 失敗しないためのAWS導入支援会社の選定方法
④ AWS導入支援の事例
AWS導入支援が得意な会社8選
クロジカサーバー管理
クロジカサーバー管理は、2004年の創業以来、法人向けにクラウドに精通したエンジニアによる高度なセキュリティを担保したクラウド運用を提供し続けています。サーバー稼働数は315台に上り、サーバー稼働率は99.989%と高水準の環境を提供しています。24時間365日の監視保守対応はもちろん、独自の自動復旧システムの構築により安定したサーバー環境を実現しています。クロジカシリーズ合計で1,800社以上の導入実績があり中止企業から大手上場企業まで幅広い支援を行っています。
クラスメソッド株式会社
クラスメソッド株式会社は、AWSのプレミアコンサルティングパートナーとして、累計1,700社以上、5,000アカウント以上の導入実績があります。また、24時間365日のサポート体制も備えています。さらに、AWS認定資格保有者が多数在籍しており、AWS環境の構築や運用のみならず、データ分析などお客様のニーズに合わせた幅広いソリューションを提供しています。
参照:https://classmethod.jp/
株式会社サーバーワークス
株式会社サーバーワークスは、AWSに特化した導入支援を行っており、クラスメソッド同様にAWSプレミアコンサルティングパートナーです。得意としているのは、売上高100億円以上のエンタープライズ企業です。導入実績は1,340社案件実績数は21,800件に上ります。また、内製化支援にも注力しており、単なる導入支援ににとどまらず顧客へのノウハウ提供も行っています。
参照:https://www.serverworks.co.jp/
NHNテコラス株式会社
NHNテコラス株式会社は、クラウドとオンプレミスの両方に精通したハイブリッドクラウド活用に強みを持つ企業です。契約数は5,000件以上に上り、AWSのみならずGCPやオンプレミスなどITインフラ環境を全般的にカバーしております。グループ会社との連携もあり、ゲーム/アプリ領域の構築・運用に強みを持っています。
参照:https://nhn-techorus.com/
株式会社スタイルズ
株式会社スタイルズは、awsセレクトティアサービスパートナーとして、CloudShift(クラウドシフト)というブランドで、既存システムのAWSへの移行、導入から、セキュリティ、監視・運用・保守まで対応しております。また、クラウドネイティブなサーバーレス開発等、AWS活用を全方位的にワンストップで提供しています。加えて、自社メディアにてAWS活用に関する幅広いノウハウを公開しておりAWS活用の裾野を広げることに貢献しています。
参照:https://www.stylez.co.jp/
株式会社TOKAIコミュニケーションズ
株式会社TOKAIコミュニケーションズは、AWS導入の相談から、基盤構築、接続回線、監視・運用に至るまで、AWS導入の全工程をワンストップで提供しています。AWSプレミアコンサルティングパートナーとして、国内多数の企業のAWS導入を支援しています。特にAWS Direct Connectを利用した閉域網接続でのサービス提供を強みとしています。
参照:https://www.cloudsolution.tokai-com.co.jp/
株式会社アイディーエス(サニークラウド)
株式会社アイディーエス(サニークラウド)は、アプリケーション開発実績20年以上、AWS構築実績10年以上の豊富な経験をもとに400社以上への導入実績があり、幅広い業種・規模の企業に対応しています。また、フルアウトソースから内製化支援まで、柔軟なサポート体制を構築しています。特徴としては、Sunny Payと呼ばれるAWS運用コスト最適化サービスで4つのプランから様々なコスト最適ソリューションを提供している点です。
参照:https://www.sunnycloud.jp/
株式会社ディーネット
株式会社ディーネットは、AWSアドバンスドコンサルティングパートナーとして小売、不動産、金融業など多種多様な企業のAWS導入支援を行っています。データ分析基盤の構築やコールセンターシステムのクラウド化など、幅広い分野でのAWS活用実績があります。また、ドメインやSSL証明書の取得管理も代行可能で、包括的なクラウドサービスを提供しています。監視通知のみの必要最低限の対策からマネージドサービスまでサービス展開しているため、自社に必要なサポートのみを依頼することができ費用を抑えてAWS活用を進めることができます。
参照:https://denet.ad.jp/
AWS導入支援会社がサポートできること
最適な環境や運用方法の提案(コンサルティング)
AWS導入支援会社は、お客様のビジネスニーズやシステム要件を理解した上で、最適なAWS環境構築や運用方法を提案します。例えば、お客様のアプリケーションやデータの特性、セキュリティ要件、コストなどを考慮し、適切なAWSサービスやリソースを選択し、最適なアーキテクチャ設計を行います。また、運用効率化やコスト削減のための提案も行います。
移行・環境構築
お客様の既存システムをAWSに移行したり、新規にAWS環境を構築したりする作業を支援します。移行作業では、データ移行、アプリケーションの再構築、ネットワーク設定など、様々な作業が必要となります。AWS導入支援会社は、これらの作業をスムーズに行うためのノウハウと経験を持っています。
セキュリティ体制の構築
AWS導入支援会社は、お客様のAWS環境を安全に運用するためのセキュリティ体制構築を支援します。例えば、セキュリティポリシーの策定、アクセス制御の設定、セキュリティ監査の実施などを行います。AWSはセキュリティ関連だけでも*30を超える機能やサービスを提供しており、導入支援会社はこれらの機能を最大限に活用して、お客様の環境を保護します。
*参照:AWS のセキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス
運用・最適化
お客様のAWS環境を安定的に運用するためのサポートもAWS導入支援会社の一般的な対応範囲です。例えば、システム監視、パフォーマンス(リソース)チューニング、コスト最適化などを行います。AWSの最新情報やベストプラクティスへの対応に努めており、お客様の環境を最適な状態に保ちます。
具体的には、アクセス数の増加に合わせてサーバーの能力を調整したり、使用していないリソースを特定して無駄な支出を削減したりします。また、セキュリティアップデートの適用や、システムの不具合を事前に検知して対応することで、安定したサービス提供をサポートします。
障害発生時の復旧支援
お客様のAWS環境で障害が発生した場合、迅速な復旧支援を行うこともAWS導入支援の一般的な役務に入っています。例えば、障害原因の特定、復旧作業の実施、障害発生時の対応手順の策定などを行います。具体的には、ウェブサイトが突然表示されなくなった場合、サーバーの再起動やデータベースの復旧などの対応をします。このようにAWS導入支援会社は、障害発生時にお客様のビジネスへの影響を最小限に抑えるために動いています。
AWS導入支援会社の選定方法
構築から運用までワンストップで支援できるか
AWS導入支援会社を選ぶ際には、構築から運用までワンストップで支援できるかどうかが重要なポイントです。構築、運用、セキュリティ対策といった各フェーズを一つの会社にまとめて依頼することで、システムの設計段階から将来の運用やセキュリティ対策を考慮した構築ができるため、後々の問題を未然に防げます。
また、障害発生時もシステムの構造を熟知した同じチームが対応するので、迅速な解決が可能です。加えて、連絡窓口が一本化されるため、コミュニケーションがスムーズになり、時間とコストの削減にもつながります。
クラウドとオンプレミスどちらの知見もあるか
クラウドとオンプレミスの両方の知見を持っていることの確認もAWS導入支援会社の選定には重要です。お客様が求めるセキュリティ要件や*特定のサービスを稼働させたい場合はクラウドが適さないケースもあります。
*金融機関の独自取引システムなどクラウド環境と互換性がない場合など
そのため、クラウドとオンプレミスのどちらがお客様にとって最適な環境なのか、客観的な視点で判断できる会社を選びましょう。また、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境を構築する場合にも、両方の知見を持つ会社であれば、スムーズな移行や運用が期待できます。
保守契約内容は自社のセキュリティ要件をカバーできているか
AWS導入支援会社と契約する際には、保守契約の内容をよく確認しましょう。特に、セキュリティに関する内容はしっかりと確認することが重要です。自社のセキュリティ要件を満たす保守契約が結べるかどうか、事前に確認しておきましょう。以下のような点を参考に自社のセキュリティ要件と照らし合わせると良いでしょう。
・監視項目の範囲
・セキュリティインシデント(障害)対応の体制
・サーバー稼働率
・コンプライアンス対応
AWS導入支援の事例・実績は豊富か
AWS導入支援会社を選ぶ際には、過去の導入事例や実績を参考にしましょう。様々な業種や規模の企業への導入実績がある会社であれば、自社のニーズに合ったサービスを提供してくれる可能性が高いです。また、導入事例を参考に、実際に導入した企業の評判や満足度を調べることも重要です。また、事例や実績から自社に合ったAWS導入支援会社を選ぶには以下のような項目を参考にすると、失敗確率を下げて運用後の満足度を高めることができるでしょう。
・同業種での導入実績
・類似規模の案件実績
・具体的な成功事例
・導入後の運用実績
クロジカのAWS導入支援事例
事例A_東証プライム上場企業 サービス業
一つ目の事例は、東証プライム上場の企業様で就活や転職、アルバイトなどの人材領域を中心としたサービスを展開するコーポレートサイト(WordPress)の運用事例です。
導入前の課題
テレビによる露出が増えて喜ばしい反面、突発的なコーポレートサイトへのアクセス増加で、サイトが落ちてしまう状況が頻発。サーバーのダウン回避が課題でした。
導入後の効果
突発的なアクセスでも高負荷がなくなり、ホームページの障害も発生せず、安定稼働したWebサイト運営を実現しました。
事例B_複数サーバーに点在しているサイトを新しいサーバーに集約
二つ目の事例は、サイトリニューアルに伴い複数サーバーに点在しているサイトを新しいサーバーに集約してセキュリティ対策を強化した事例です。
導入前の課題
お客様はコーポレートサイトや特設サイトのリニューアルとセキュリティ強化を求めていました。また、複数サーバーに点在するサイトを新しいサーバーに集約したいという課題を抱えていました。
導入後の効果
Webサーバー2台にCDNを追加した冗長構成を提案し、SSL通信にも対応しました。また、WordPressを使用するため、セキュリティ保守プランも提供しました。導入後の効果としては、WordPressサーバーの冗長化により可用性が向上し、CloudFrontの導入でサーバー負荷が軽減されました。
結果として、複数のサイトが安定して稼働する環境を実現できました。さらに、セキュリティ更新情報のチェックとアップデート作業を代行することで、安全にサイトを運用できるようになりました。
▼ 本事例について解説した記事はコチラ ↓
WordPress冗長化構成 AWSへの複数サイト集約事例
事例C_リユース企業様の複数サイトにおける災害対策
本記事で紹介する最後の事例として、リユース企業様の案件で、複数サイトにおける災害対策の事例を紹介いたします。サーバーレス環境での画像配信、複数WordPressが動作しているWebサーバーそれぞれでフェイルオーバーするように構成した事例となります。
導入前の課題
お客様は海外のクラウドサーバーで複数のサイトを運用していましたが、災害対策が不十分で、既存のクラウド業者から満足のいくサポートが得られず、移行を検討していました。
また、コーポレートサイトとブランドサイトでPHPのバージョンが異なるため、Dockerを使った個別のWordPressコンテナが必要でした。さらに、ECモール出店用の商品画像を配信するサーバーもあり、毎月1TB以上のデータ転送が発生しているといった複数の課題を抱えていました。
導入後の効果
コーポレートサイトとブランドサイトはDockerを使ったEC2で運用し、ECモールの画像サーバーはCloudFrontとS3を使ったサーバーレス構成に変更しました。
これにより、アクセスが集中しても安定して稼働し、リージョン障害時には自動で切り替わる仕組みを実現しました。さらに、日々の画像更新も簡単に行えるよう、S3へのアップロードやCloudFrontのキャッシュ削除の手順書を提供し、運用がスムーズになりました。
▼ 本事例について解説した記事はコチラ ↓
リージョン間同期構成 複数サイトの災害対策事例
以上、AWS導入支援会社の選定に必要な情報を解説しました。自社が求めるセキュリティ要件や課題に最も適した支援会社を選ぶことで、スムーズなAWS導入を実現できます。本記事で紹介した8社の特徴や選定方法を参考に、自社のニーズに最適な支援会社を見つけていただけますと幸いです。
監修者:クロジカサーバー管理編集部
コーポレートサイト向けクラウドサーバーの構築・運用保守を行うサービス「クロジカサーバー管理」を提供。上場企業や大学、地方自治体など、セキュリティ対策を必要とするコーポレートサイトで250社以上の実績があります。当社の運用実績を踏まえたクラウドサーバー運用のノウハウをお届けします。
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クロジカガイドブック
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- クロジカサーバー管理の主な機能
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