こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」マーケティングの金山です。
「書類は、紙で保管するのがベスト?」それとも「ペーパーレス化、データ書類で保管するのがベスト?」
SDGsの波に後押しされて、建設業界でもペーパーレス化が進んできています。令和元年にデジタル手続法も公布されました。デジタル技術を活用して、手続きの利便性向上や、簡素化、効率化を図る法律です。国も、データ書類、ペーパーレス化に動いているため、看過できません。
アナログ世代からは、「紙がよい」という意見も聞きます。しかし、ペーパーレス化が進んできた昨今、書類をどのように保管しておくのがよいでしょうか?この記事を読めば、紙管理のリスクや、データ化、ペーパーレス化のメリットやデメリットが分かります。
Contents
紙管理のリスクって何?
紙での書類の管理は、今まで行ってきた管理であり、工夫すれば効率的でよいのですが書類の量が多くなれば限界が来てしまいます。紙で管理するリスクには、どのようなことがあるのか考えてみました。
保存スペースを要する
紙での保存には、キャビネットや棚、倉庫など設備やスペースが必要となります。長期にわたって保管する場合、資料が増えれば増えるほど、保管する設備やスペースも広げなければなりません。設備やスペースの物理的なコストが発生します。
建設業は、工程表や図面など書類が多く、探す時間もかかります。大きい図面などは折りたたんでパンチングしたりといった、細かな作業(ファイリング作業)も意外と手間がかかります。
バックアップという概念もあります。紙の場合は、「もう1部印刷したものをとっておく」ことになるため、より広いスペースが必要になります。コストや手間は単純計算で倍となります。
破損や紛失
現場で様々な方の手に触れ、何度と見返したりなどすると、紙のため破損や紛失のリスクが高まります。
また、建設業は、BCP(事業継続計画)の観点から、災害などで被害を受けた場合でも、重要業務がなるべく中断しないように、中断してもできるだけ早く再開することが望まれています。重要書類の破損や紛失で業務が中断してしまわないようなリスクヘッジも求められます。
盗難
機密情報の保管には、カギ付の保管庫を検討しなくてはなりません。カギ付保管庫に誰がアクセスしたのか、カギ貸出簿などでのカギ管理が必要です。また、カギ自体の紛失リスクも考慮しなければなりません。
特に現場事務所の場合は、不特定多数の方が出入りする空間となりますので、それだけで盗難リスクは高まりますし、場合によっては監視カメラの設置も検討しなければならないでしょう。
テレワークへの弊害
紙での管理は、実際に管理されているところに行かないと閲覧できないという弊害が生じます。テレワークは自宅などオフィスから離れた場所で作業をします。その際、書類の保管場所まで行かないと書類が閲覧できないのでは非効率的ですね。
建設業の場合、現場事務所などで作業することが多々ありますが、書類の閲覧のために本社にわざわざ出向いたり、印刷した書類をバイク便で届けてもらうなどの手間が発生してしまいます。
ペーパーレスとは?
書類をデータ化して管理し、パソコンやタブレット、スマホなどを利用して閲覧、保存、保管することです。
紙の使用をなくすことが目標ではありません。業務の効率化と安全な管理を図ることを目標としています。企業においては、書類をデータ化することにより業務の効率向上だけでなく、コスト削減や働き方改革にもつながります。
身近な具体例でいえば、ライブなどの紙チケットが電子チケットに変わりつつあります。これも、ペーパーレス化と言えます。
ペーパーレス、データ化のメリットとデメリットは?
業務の効率向上やコストの削減、SDGsの環境保全の面からも、ペーパーレス化が推進されていますが、実際はどうでしょうか?
建設業界ではペーパーレス化により、業務が効率よくはかどっている方もいれば、ペーパーレス化を不便に感じている方も多いのではないでしょうか?ここでは、建設業界でのペーパーレス化のメリットとデメリットを考えてみましょう。
ペーパーレス化のメリット
・設備面のコスト削減
保管しておくスペースや設備のコストがおさえられます。保管するための広い場所も必要ありません。
・資材面のコスト削減
資材コストの削減ができます。印刷をしないため、インク代・紙代・プリンターのメンテナンスなどの費用がおさえられます。データでのやり取りの場合、回覧や郵送の手間、郵送料などもおさえられます。人手不足の職場では、手間がおさえられることは、大変ありがたいことです。
・アクセス性の向上
書類を閲覧したいとき保管場所に行かなくても閲覧できます。現場事務所、施工現場、そこに向かう道中、いつでもどこでも、パソコンやタブレット、スマホなどで閲覧ができるようになります。
・検索性の向上
書類がデータ化されることで検索性が高まります。キーワード検索機能などを活用すれば、多くのファイルの中から必要なファイルへ、より早くアクセスできるようになります。
建設業の場合、図面や工程表などたくさんの資料を扱います。全てを紙に印刷していると、資料が多くなり、必要な資料を探すだけでも手間がかかります。データ化すれば必要なファイルを探す時間も短くなり、工数削減にもつながります。
・セキュリティの確保
ひとつひとつのファイルに様々な制限がかけられます。機密情報であれば、セキュリティを確保しなくてはなりません。パスワードで機密情報を守ったり、該当のファイルにアクセスできるユーザーを制限したり、追跡機能で誰がいつ、そのデータにアクセスしたか、ログを残すこともできるようになります。
上記メリットの補足として、総務省から発表されているペーパーレス化による好転事例もご覧ください。
総務省:ICTを活用したペーパーレス化から働き方改革への取組み
ペーパーレス化のデメリット
・導入時のコスト
データ化したファイルを保存するためのNASやクラウドストレージサービスの導入費用、閲覧するためのパソコンやタブレットなど、導入時の費用が発生します。現場事務所からのアクセスも受け入れるのであれば、現場事務所ごとにネットワーク環境の整備も必要になります。
・人件費・運用費
データ化自体の作業、それらのネットワーク構築、アクセス制限等のセキュリティ設定など、一定のITリテラシーを持った担当者が必要となります。また、増えるデータ容量の管理やセキュリティ関連の対応など、運用工数も発生します。
・ネットによる不具合の可能性
システム障害やネットワークの不具合などにより、一時的にファイルへのアクセスができなくなる、または接続に時間がかかる、といった事象が発生する場合があります。
・データ消失
NAS等、物理的なHDDでファイルを管理している場合、天変地異はもちろん、機器の故障等によりデータが消失してしまうリスクがあります。また、多くの方がアクセス可能な状況では、人為的な操作ミスにより、データが上書かれてしまったといったこともあり得ます。
・情報漏洩
USBメモリでの持ち出しや、離職者のアクセス、メール添付時の誤り、パソコンのウィルス関連などが原因となり、機密情報が外部に漏れてしまう可能性があります。
・社内で浸透しない
単純にITに不慣れな方、これまで長く紙での管理や作業が中心だった組織にデータ化を浸透させるのは難しいかもしれません。
ペーパーレス化の進め方
建設業の現状は?
建設業では、ペーパーレス化に関心はあるが、行動までは起こしていない、足踏み状態ではないでしょうか?
建設業のペーパーレス化が遅れているのは、ピラミッド構造が関係しているようです。工事の発注のしくみが、元請け → 一次下請け → 二次下請け → 一人親方 などと続く構造です。
それぞれの会社間で見積りや契約書、請求書などを交わします。紙でのやり取りが多くなかなかペーパーレス化が進みません。
二次下請け、三次下請けと下に行けば行くほど、規模が小さい企業や一人親方の場合が多いことと、建設業には年配者も多く在籍しているため、ITに不慣れな人がいることも原因かもしれません。
ペーパーレス化の具体的な進め方
すべての資料を紙からデータ化する、紙の書類を無くすわけではありません。やりやすい部署から、やりやすい資料から手を入れたらいかがでしょうか?
例えば社内だけで完結する書類から取り組むのでもいいかもしれません。
現場の日報管理や積算や見積書の作成業務、写真管理などはペーパーレス化を進めやすい業務です。工事が変更された場合、紙であれば修正の都度、印刷しなくてはなりません。また、ルールを守って処分しないと、修正前の資料は情報の漏れや間違えのもとにもなってしまいます。
データで共有すれば、誰もがどこにいても、最新版を閲覧することができます。出張でその場を離れていても承認することもできます。
社員によるペーパーレス、データ化のメリットの理解が深まると、ペーパーレス化が進みやすくなります。
加えて、情報セキュリティの基本方針を作成し、従業員のコンプライアンス教育など、情報モラルの向上にも力を入れましょう。取引先や離職者などとは機密保持契約を締結して、情報漏洩を防ぐことも並行して行いましょう。
まとめ
建設業のペーパーレス化は、情報の安全な運用、業務効率化、コスト削減などたくさんのメリットがあります。
ペーパレス化で効率よく業務ができれば、労働時間の短縮にもなります。働きやすい職場の環境が実現できれば、人材の定着も期待できます。
ペーパーレス化は、すべての紙の書類をなくすことを目標してません。業務の効率化です。やりやすいところから、チャレンジしてみてください。
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