
「お客様が知りたいこととは違う説明を、一生懸命続けてしまっていました」
そう振り返るのは、AI書類管理事業で、アウトバウンドコールや商談、セミナー企画、相談会などの顧客対応に携わる山口さんです。
クロジカで商談を担当するようになった当初は、事前に決めた説明の流れに沿って話すことを意識していました。ある商談では、お客様の反応が薄いことに気づきながらも、相手が知りたいこととは別の機能について説明を続けてしまったといいます。「この流れを説明しなければ」と考え、その場で話す内容を変えられませんでした。
あらかじめ決めていた流れから外れられなかった山口さんは、その後、お客様への話し方をどう変え、今も何を試しているのか。今回は、これまでの経験をたどりながら、クロジカでの顧客対応について伺いました。
クロジカでは、一緒に働くメンバーを募集しています。詳しくは、下記の採用情報をご覧ください。
新規事業|福祉・介護・医療業界向けAI SaaSの提案から営業企画まで担うフィールドセールスを募集
目次
人前で物怖じしないようになりたいと思っていた
── まず、学生時代のことから聞かせてください。どんなことに興味を持っていましたか?
高校生の頃は、観光関係の仕事に興味を持っていました。
きっかけは修学旅行です。旅行中に添乗員さんと一緒に過ごす時間がすごく楽しくて、「自分もこういう旅行に関わる仕事をしてみたいな」と思ったんです。
ただ、もともと英語も好きだったので、大学は英語を学べるところを選びました。
大学では、英語を学びながら、観光に関わるゼミ活動にも参加していました。実際に現地へ行って、SNS用の動画を制作するような活動もしていました。
── 大学では、どんなことが印象に残っていますか?
大学ではプレゼンテーションをする機会が多かったです。高校生くらいの頃から、人前に立ったときに物怖じしないようになりたいと思っていたので、「ここで厳しくやっていこう」と思いました。
── 今こうしてお話ししていると、初対面の人とも自然に話せる印象がありますが、学生時代からそうだったんですか?
最初から知らない人と普通に話せたわけではありません。最初は、話しかけることにも苦労しました。
それでもいろいろな人と話すうちに、「こういう感じで行けば話しかけられるんだ」と少しずつ分かってきて、徐々に慣れていきましたね。
「このお客様には何が合うか」を考える仕事が面白かった
── 大学卒業後は銀行へ入行されたかと思います。どのような経緯で銀行を選んだのでしょうか?
就職活動の時期が、ちょうどコロナ禍と重なっていたんです。
観光系の求人も少なかったので、「一度、地元で働こうかな」と思いました。地元で人と関われる仕事を探していて、地域に根差した企業や団体をいくつか見ていました。銀行もその候補の一つだったんです。
「困りごとがあったときに、一番最初に相談してもらえる銀行を目指す」という考え方を掲げていて、そこにも魅力を感じました。
── 実際に銀行では、どんな仕事をしていましたか?
最初は窓口業務などを担当していました。お客様と話しながら口座を作るような仕事は、楽しかったですね。
2年目くらいからは、保険や投資信託を提案する仕事も増えていきました。お客様によって状況も違うので、「このお客様には、この商品が合うかもしれない」「こっちの方が合いそうだな」と考えるようになりました。
自分で考えて提案できるようになってから、仕事の面白さもさらに増していきました。

一度売って終わらず、その後も相談される営業を求めて
── 営業の仕事が楽しくなっていた中で、なぜ転職を考えたのでしょうか?
保険や投資信託の提案が楽しくなる中で、ほかの営業もやってみたいと思うようになりました。その中でも、法人営業は一度やってみたいと思っていました。
それまで担当していた個人のお客様への営業では、相談に来られる時点で、ある程度商品に興味を持ってくださっていることが多かったんです。
一方で、法人営業は、一度説明して終わりではなくて、相手に持ち帰ってもらって、その後も何度かやり取りしながら関係を作っていくイメージがありました。
そういう意味で、個人のお客様への営業とはまた違う、少し難易度の高い営業という印象もあって、「一度やってみたいな」と思っていました。
ただ、銀行ではすぐに法人営業を担当できる状況ではありませんでした。それなら、別の会社で経験する方法もあるのかなと思って、外にも目を向けるようになりました。
── そこから、転職活動ではどんな仕事を見ていったのでしょうか?
転職活動を始めた頃は、大きく「営業職」で探していました。
その中で、SaaSを扱う企業も見るようになりました。当時はSaaSについて詳しく知っていたわけではありません。
ただ、契約前だけではなく、契約後もお客様との関係が続く仕事があると知ったんです。銀行で保険を提案していたときも、契約して終わりではなくて、その後にお客様の状況が変わったときに、また相談してもらえるような関係がいいなと思っていました。
「自分がやりたかった営業に近いかもしれない」と思って、転職先もSaaSを扱う企業に絞っていきました。
お客様が知りたいこととは違う説明を続けていた
── クロジカへ入ってからは、どのような仕事を担当してきたのでしょうか?
銀行では、最初の声かけから契約後のフォローまで、同じお客様を自分で担当していたんです。だから、転職したときも営業は一人で全部やるものだと思っていました。クロジカに入って、営業って役割が分かれているんだと初めて知りました。
その中で、私が最初に担当したのは、介護・福祉系のお客様へのアウトバウンドコールでした。まったく接点のない状態から電話をして、AI書類管理のサービスをご案内していました。
銀行でも電話をかけること自体はありましたが、すでに取引のあるお客様と話すことが多かったので、クロジカで「はじめまして」の相手へこちらから電話をするのは、かなり違いましたね。
最初にどう話に入るのか、どこまでサービスを説明するのか、その加減が難しかったです。説明しすぎてもよくないですし、逆に説明しなさすぎても「何の電話なんだろう」と不審に思われてしまう。その頃はなかなかアポイントも取れませんでした。
── アウトバウンドコールを続けてみて、どうでしたか?
基本的には、量をかけて、さまざまな人と話す中で慣れていきました。
アプローチの仕方も、ずっと同じだったわけではありません。途中から、先にFAXで資料を送って、その後に「今、資料をお送りしています」と電話することもありました。その後は、オンラインセミナーをご案内する形にも変わっていきました。
そうやって電話を続けていると、こちらからずっと説明するよりも、話し始めたらいろいろ話してくださる方もいることが分かってきました。
そういう方には、まず相手の話を聞いた方がいい。一方で、こちらから少し提案した方が話が進みそうな方もいる。数を重ねる中で、相手によって変えるようになっていきました。
一度電話したときにはアポイントにつながらなくても、次に電話するときには、まったく初めての相手ではなくなっているんですよね。一度話している分、少し関係性ができた状態から話せます。その次の電話で話が進んで、アポイントにつながることもありました。
── アウトバウンドコール以外には、どんな仕事を担当していましたか?
そこから少しずつ、商談にも入るようになりました。
最初は、商材自体もそうですし、介護業界についても分からないことが多かったんです。商談には比較的早い段階から同席させてもらっていて、ヒアリングの中で「これはどういうことだろう」と思ったことは、自分で調べていました。
その後、自分でも商談を担当するようになったのですが、そこではまた別の難しさがありました。
当時は、商談の前に「最初にこれを説明して、次にこれを説明する」と、商談で説明する順番を細かく決めていたんです。自分の中で、説明する流れを型として作っていた感じですね。
準備してきたものがあるので、商談が始まると、その順番通りに進めることに意識が向いていました。
── 実際にその進め方で商談してみて、どうでしたか?
あるお客様は、ファイル名をどのように変更できるのかを知りたがっていたんです。でも私は、その前に説明するつもりだった、書類を分類する機能の話を一生懸命続けていました。
画面越しに見えるお客様の反応が薄いことには気づいていました。でも、そのときは「この流れを説明しなきゃいけない」と思っていて、途中で内容を変えられなかったんです。
今考えると、お客様が聞きたいことは出ていたのに、自分が準備した説明の方を進めていました。質問するときも同じで、「これとこれとこれは聞かないと駄目だ」と決めて準備していました。
でも、お客様の返答って絶対に違うんですよね。同じことを聞いても、返ってくる内容は人によって違いますし、その後にどこを深掘りするかも変わります。
そのように、こちらが用意した質問を順番に聞くだけでは、うまくいかないことがありました。
相談会で、「いつものコミュニケーション」を試す
── 商談以外では、どのような場でお客様と話すことがありますか?
商談のほかには、オンラインセミナー後の相談会も担当していました。
「すぐにトライアルでサービスを試してみたい」という方は、トライアルを担当するメンバーへつなぎ、まだトライアルへ進むか決めていない方には、私が相談会で「何に困っているのか」「どうなったらうれしいのか」を聞いていました。
全員に同じ対応をするのではなくて、お客様が今どの段階にいるのかによって、その後の対応を担当するメンバーも分かれていました。
ただ、私はそこでも「これを聞いて、次はこれを聞いて」と、準備した質問に沿って進めようとしていました。
商談のときと同じように、聞きたい項目を全部準備して、その通りに進めようとしていたんです。
相談会を一緒に担当していた上司からは、「いつものコミュニケーションでやって」「仲の良いメンバーと話しているときのように聞いてみて」と言われました。
── その後の相談会では、どのように進めていたのでしょうか?
準備自体は続けつつ、用意した質問を順番通りに聞くのではなくて、相手が話してくれたことを聞きながら、その場で次の質問を考えるようにしました。
相手が話した内容に合わせて、気になったところをもう少し聞いてみる。その方が、相手も前より話してくれるようになった感覚がありました。
また、アウトバウンドコールでもそうでしたが、相手によって、こちらの進め方を変えることも少しずつ増えてきました。
現在は、「このお客様にはまずヒアリングをした方がよさそう」「このお客様には少し提案してみよう」と、相手に合わせた対応の仕方を少しずつ増やしているところです。
まだ、営業のやり方として完全につかめているわけではないですけどね。

失注を「仕方ない」で終わらせず、次に試す
── 商談を重ねる中で、印象に残っている出来事はありますか?
訪問まで進み、導入の可能性もあると考えていた案件が、最終的には導入に至らないことがありました。
自分としてもいろいろやったつもりだったので、そのときは「こんなにやって駄目だったら仕方がない」と思っていました。
当時の私は、お客様から「やらない」と言われると、「やらないと言われたら、もうやらないんだ」「やらないなら、もういい」という感じで受け止めていたんです。
でも、今考えると、それが自分の中で一番よくなかったなと思っています。
── 導入に至らなかった商談について、その後どのように振り返りましたか?
その後、反省会で振り返ると、「これもできた」「あれもできた」ということが出てきたんです。
見直してみると、まだ自分で変えられるところがありました。それで、振り返った内容を次の商談で試してみました。
次の商談で少しうまくいくことがあると、「またやってみよう」と思えましたね。
── ここまでのお話でも、やり方を変えたり、振り返った内容を次の商談で試したりという話がありました。入社した頃と比べて、仕事の進め方は変わりましたか?
入社したばかりの頃は、未経験の業界だったこともあって、「一から全部教えてもらおう」という気持ちが強かったです。
でも最近は、まず「こっちの方がいいんじゃないか」と、自分なりに一回考えるところから始めるようになりました。
── 最後に、自分なりに考えて、それでも迷ったときはどうしていますか?
上司には、「私はこうしたいんですけど、どう思いますか」と相談するようにしています。
自分とは違う案が返ってきて、「確かに、こっちの方がいいな」と思うこともありますし、逆に「それでもいいんじゃない、やってみて」と言われることもあります。
そういうやり取りがあるので、迷ったときに「一回聞いてみよう」というのは、すごくありますね。
── 山口さん、本日はありがとうございました!「この流れを説明しなきゃいけない」と考えていた頃から、今はお客様の話を聞きながら、質問や提案の仕方を変えるようになった山口さん。うまくいかなかった商談は振り返って次に試し、迷ったときには自分なりの案を持って周囲へ相談しています。そうした一つひとつのやり取りに、周囲と考えながら次の行動につなげていく、クロジカでの仕事の進め方の一端が表れています。
クロジカでは、一緒に働くメンバーを募集しています。詳しくは、下記の採用情報をご覧ください。
新規事業|福祉・介護・医療業界向けAI SaaSの提案から営業企画まで担うフィールドセールスを募集
