
書類整理の負担を減らし、介護現場を支えるAI導入の取り組み
訪問看護や福祉用具の販売・貸与など、在宅支援を幅広く展開する一般社団法人ナースプラネット様。
日々の業務で膨大な紙書類と向き合う中、同法人は「クロジカAI書類管理」を導入し、書類の仕分けと保管業務の効率化を実現しました。
介護福祉士の資格を持ち現場を熟知する副代表理事の今村聖様に、導入の背景とその効果、そして福祉業界が抱える「紙文化」の課題について伺いました。

── クロジカAI書類管理導入前は、どのような課題がありましたか?
毎月60名ほどの利用者さんの提供票や計画書を、紙で仕分けてファイルにまとめていました。
書類は事業所やケアマネジャーからバラバラに届くため、整理のタイミングが揃わず、作業が後ろ倒しになってしまうこともありました。提供票や計画書などの書類を1件ずつ確認しながら仕分ける必要があり、1回の仕分けに1〜2時間を要することもありました。
結果として事務作業の時間が増え、書類の保管スペースも圧迫していました。紙の山が増える一方で、「業務のための作業」に追われていたのが大きな悩みでした。
── 保管や管理の面でも課題があったそうですね。
はい。紙のファイルは保管スペースを多く必要とします。
年度ごとに整理してもすぐ棚がいっぱいになり、過去分を倉庫に移す作業が発生していました。必要な書類を探す際にも、「どのファイルに入っていたか」を確認するのに時間がかかります。
また、廃棄の際も分別や処理の手間があり、定期的な対応が必要でした。紙の扱いにかかる時間やスペースの負担は、現場にとって長年の課題でした。

── 数あるシステムの中から、クロジカAI書類管理を選ばれた理由を教えてください。
介護事業所向けのシステムはいくつか検討しましたが、どれも機能が多く、現場では使いこなすのが難しいと感じていました。
その中でクロジカAI書類管理は、書類の仕分け・保管・検索に特化したシンプルな仕組みが特徴でした。複雑な機能はなく、スキャンした書類をアップロードするだけで自動で分類されるため、導入したその日から使い始められる点が大きな決め手でした。
また、Google Driveと連携できる点も導入の後押しになりました。使い慣れたツールの延長で操作できるため、新しいシステムを覚える負担がありませんでした。すこし試した段階で「これは現場に合いそうだ」と手応えを感じ、現在は私ともう一名で運用しています。

── 導入後、どのような変化を感じましたか?
一番大きかったのは、書類の仕分けにかかる時間が大幅に減ったことです。
以前は毎月の整理に半日ほどかかっていましたが、今ではスキャンしてアップロードするだけで、書類整理や保管にかかる作業負担は約70%削減。業務後に取り込めば翌朝には整理が完了するので、業務時間中に仕分けを行う必要がなくなりました。
出先でもスマホで確認でき、会議や訪問相談にも役立っています。紙を扱う時間が減り、デスク周りもすっきり。書類を探す手間も減り、より「本来の支援業務」に時間を使えるようになりました。

AI導入で進むペーパーレス化と業界意識の変化
── ペーパーレス化による効果について教えてください。
福祉用具の書類管理にクロジカAI書類管理を導入したことで、紙の量が大幅に減りました。今では棚1段に収まるほど整理され、不要な書類は都度シュレッダーで処分しています。
一方、同じ法人の訪問看護や居宅介護支援事業ではまだ紙が多く、過去分は部屋を借りて保管しています。昔と比べると紙は減りましたが、それでも段ボール単位で廃棄が必要です。10箱を処分するだけでも10万円ほどかかるため、今後は他の事業でも少しずつペーパーレス化を進め、このコストも減らしていきたいと考えています。

── 導入を通じて、業界に対して感じた課題や今後の展望を教えてください。
介護や福祉の現場では、「紙で持っていないと不安」という気持ちはまだ多いと思います。ただ、行政手続きや請求も電子化が進み、「紙でなければいけない」場面はどんどん減っています。
クロジカAI書類管理のようなツールは、こうした変化に対応するための仕組みだと感じています。使ってみると、紙より探しやすく、すぐに取り出せる安心感がある。実際に体験すると、もう紙には戻れないと思うようになります。
── 「紙の安心感」を超えるために必要な一歩とは何でしょうか?
まずは一部の書類から試してみることです。いきなり全部を変えようとすると難しく感じますが、やってみると「思ったより簡単だった」と感じるはずです。
紙が減ると、スペースも気持ちもすっきりします。必要なときに印刷もできますし、“紙でないと不安” より “データのほうが早くて安心” という感覚に変わっていきます。実際に触れてみることが一番のきっかけになると思います。
── 今後、ナースプラネット様として目指していきたいことを教えてください。
私たちの仕事は、年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが自分の生き方を選べるよう支援していくことだと思っています。「こうでなければいけない」という形を押しつけるのではなく、その人がどう生きたいか、どう暮らしたいかを一緒に考え、選択肢を増やしていくことが大切です。
そのためには、現場の職員が疲弊せず働ける体制づくりが必要です。AIやデジタルツールはその手段のひとつ。業務を効率化して少しでも余裕ができれば、もっと利用者さんに寄り添えるようになります。こうした環境を整えることが、これからの福祉には欠かせないと思います。
── 最後に同じように業務改善を考えている介護・福祉事業者の方へ、メッセージをお願いします。
AIを使うのは、作業を楽にするためではなく、人と向き合う時間を確保するためです。効率化によって少しでも気持ちや時間に余裕ができれば、現場全体の雰囲気も前向きになります。
最初からすべてを変える必要はありません。自分たちの現場に合ったやり方で、少しずつ取り入れていくことが大切です。そうすることで働き方も気持ちも変わっていきます。
介護や福祉の仕事は、人の生活を支える大切な仕事です。だからこそ、働く人が誇りを持って続けられる環境をつくっていきたい。それが、私たちのような事業者の役割だと思っています。

| 社名 | 一般社団法人ナースプラネット |
| 事業内容 | 訪問介護/訪問看護/居宅介護支援/福祉用具貸与・販売/グループホーム |
| Webサイト | https://www.nurseplanet.jp |
書類管理のことなら、私たちにご相談ください。
私たちは、AIがPDFの書類の分類・整理・要約を自動化する書類管理システム「クロジカAI書類管理」を提供しています。 豊富な知見を活かし、お客様の業務フローに合ったシステムの連携方法をご提案します。 書類管理でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。
