介護現場のソリューションカンパニー

介護現場における本来の業務は「ご利用者様のケア」。しかし、ケア記録の記入などの間接業務に多くの時間や手間が取られている現状があります。

また、業務に専念できるようにソフトウェアを導入しても、現場スタッフの操作に対するハードルは高く、十分に機能を使いこなせていないケースが多いそうです。

この度インタビューを行ったのは、そんな介護現場の声を反映した介護業務ソフトウェア「ファーストケア」の開発・販売を行う、株式会社ビーシステム様。クロジカスケジュール管理のカスタマー様です。

今回は、営業部・福祉システム部 部長の小林さんと、福祉システム部 部長代理 佐藤さんに、サービスを利用する介護現場の人たちの声や、ビーシステムの今後の展望についてお話を伺いました。

異業種での経験を「介護×IT」業界で生かす

── まず、ビーシステム様の事業内容についてお伺いしたいです。

小林さん(以下、敬称略):介護事業所様に使って頂くための「ファーストケア」というソフトウェアの開発と販売を行っています。「ファーストケア」は介護事業所様が利用者に対して実施したケアに関する費用請求や、介護の記録の業務を支援するものです。

また、「ファーストケア」や連携するシステム以外にも、介護事業所様に役立ててもらえるようなサービスや商材を探してご紹介しています。

── 次に小林様のお仕事内容とご経歴について教えてください。

小林:私は営業部と福祉システム部の管理を兼任し、主に営業活動においては、案件と顧客の総合的な管理を行っております。

経歴としては、30年近く営業をしています。プラスチックメーカーに始まり、アウトソーシングの人材サービス業、そしてアミューズメント関連の企業で営業や企画、経営の仕事を経験させていただきました。

── 様々な業種を経験されてるんですね!なぜビーシステムに入社されたのですか?

小林:ビーシステムに入社を決めた理由は、「介護×IT」という特殊なジャンルに興味を持ったからです。介護とITともに職種はたくさんありますが、それを掛け合わせることに魅力を感じました。ビーシステムに入るまで、様々なジャンルの仕事や立場を経験してきたので、その経験を生かして誰かの何かの役に立つことに尽力したいと思い、入社を決めました。

── ありがとうございます。続いて、佐藤さんのお仕事内容とご経歴についても教えていただけますか。

佐藤さん(以下、敬称略):私は福祉システム部で「ファーストケア」の開発を行っており、主に上流工程を担当しています。社会人になり最初に勤務したIT企業でソフトウェアの勉強をしたあと、造園業という今とはまったく違う業種で働いていた経験があります。

── 佐藤さんも異業種をご経験されているんですね!では、なぜビーシステムに入社されようと思われたのでしょうか。

佐藤:選んだ理由の一つは、小林と同じように「介護×IT」というジャンルに面白さを感じたことです。誰もがいつかは触れることになる介護という分野で、以前勤めていた会社でのIT経験が生かせることに惹かれました。ビーシステムにはプログラマーとして入社しましたが、10年近く営業としての経験も積ませていただきました。

介護スタッフが利用者のケアに専念できるように

── 次にビーシステムの強みについてお伺いしたいです。

佐藤:「ファーストケア」で言いますと、やはり使いやすさが強みです。介護職員の中には、ソフトウェアを利用し慣れていない方もいるため、直感的に操作できることを重視しています。

お客様から「高機能な他社製品を使っているけど、全然機能を使いこなせていない」という話を聞くことがあります。私たちが目指しているのは、必要な機能はしっかり揃っていて、使いやすく、誰でも使いこなせるソフトウェアです。

初代iPadが登場した際、私たちは業界で最初に介護の記録が取れるアプリをリリースしました。このように、業界で率先して役立つサービスを提供してきたことが、私たちの誇りです。

また、サポート力も弊社の強みだと思います。弊社のヘルプデスクスタッフは、ほとんどのメンバーが介護請求事務の資格を有しており、中には訪問介護の経験者やケアマネジャー資格保持者も在籍しています。これにより、専門的な問い合わせにもヘルプデスクで対応することができます。対応力の高さに、お客様からの高評価を得ています。

── 介護現場で使われるソフトウェアということで、開発にあたって気を付けていることはありますか?

佐藤:介護現場のスタッフにとって、「文章を打つ」という操作はハードルが高いんです。介護スタッフの本来の主な業務は、利用者のケアなのに、記録を書いたり請求データを作成したりといった間接業務に多くの時間や手間が取られてしまう。

そこで私たちは、音声入力が可能となるよう機能を追加したり、細かい記録をスムーズに行えるよう、テンプレートの登録機能なども提供しています。現場のスタッフに介護業務に専念していただくために、ソフトウェアとしてサポートできるよう常に心掛け、開発に努めています。

「介護現場のソリューションカンパニー」に込められた想い

──御社のサイトのトップには「介護現場のソリューションカンパニー」という言葉が掲げられています。どのような想いが込められているのですか?

小林:弊社が「ファーストケア」を開発してから25年経ちます。一つのプロダクトでこれほど長く成功しているというのは凄いことです。しかし、それだけでは今後さらに多様化するニーズに応えられません。

数多の企業が色々なサービスを展開しているのと同様に、弊社も25年という節目にあたって、事業所様のあらゆる課題と向き合っていかなければいけないと思っています。そこで、弊社が事業所様の為に出来ることにしっかり向き合っていこうという想いを「ソリューションカンパニー」という言葉に込めました。

── 事業所様の課題解決のためにどのようなアプローチをされていますか?

小林:弊社はソフトウェアのメーカーでありながら、限定された領域にとどまらず、多岐にわたる事業領域を探求しています。例えば、ご紹介する商材やサービスの中には、職員やご利用者様向けの靴やコミュニケーションロボット、さらには車載用ドライブレコーダー(アルコールチェックにも対応するクラウド型の運行管理サービス)なども含まれています。施設での車両管理業務全般の負荷軽減を可能にするためです。このように業界のあらゆるニーズに対応しています。

お客様から「こんなサービスがあれば良いのに」とか「これが問題だ」という意見やニーズに迅速に応え、解決策を模索します。また、お客様がニーズを口にする前に行動し、展示会などでお客様にとって有益な製品を見つけ出し、お客様自身が未だ気づいていない潜在的なお悩みにアプローチするためです。

私たちは単に「困っていること」を聞くだけでなく、介護業界全体の課題解決に貢献するため、業種・業態の垣根を越えてあらゆる企業と手を組み革新的で役立つサービスの情報を積極的に収集し、提供していきたいです。

お客様はもちろん、スタッフのケアも大切に

── ご利用者様、または社員の方から言われて嬉しかった言葉を教えてください。

小林:弊社のサービスを利用されたお客様からは、「使いやすい」「分かりやすい」と言っていただくことは嬉しいです。もうひとつはサポート面ですね。「サポートがしっかりしてる」とか「何回も同じこと聞いちゃうんだけど、ありがとうね」という声を聞くと、役に立っているのだと実感します。

モノを売って終わりではなく、こうしてアフターフォローもしっかりと行えているところは誇りに思います。

佐藤:社内の声でいうと、ライフワークバランスが取れる点で社員から評価されています。基本的に残業はありませんし、従業員にはテレワークや半日休暇も自由に利用していただけます。

システムの会社としては珍しいと思うんですけど、7:3の割合で女性社員が多数を占めており、特に子育て中の母親が多く在籍しています。

代表は「社員の健康第一」を謳っています。生活に余裕を持つことで、仕事でも能力を発揮できる環境にできていると思います。

── スタッフ自身がゆとりのある環境で仕事することで、お客様にレベルの高いサービスやアフターフォローが提供できるんですね。

「福祉」を通じて、色々な形で社会に貢献

── 最後に、今後どういう会社にしていきたいと思われますか?

小林:利益を追求するだけではなく、お客様のために自社のプロダクトを含めあらゆるソリューションを提供することです。これを継続することで、介護業界において必要とされる存在であり続けたいです。そしてシステムに限らず、介護業界に寄り添える存在になりたいです。

代表はよく「役に立てるならば、ジャンルの違いを超えて、視野を広げて取り組むべきだ」と話しています。「福祉システム部」という部署名にもあるように、「福祉」という意味で、介護から派生する医療や保育など、色々な形で社会に貢献していきたいと考えています。福祉全体に目を向けて、弊社が何か役立てる機会があれば、積極的に関わっていきたいです。

また、「今まで」と「これから」は常に違う。私たちがシステムを手掛ける会社である以上、自らもアップデートし続けなければなりません。私たちは「介護現場のソリューションカンパニー」として、フレキシブルに課題を解決していきたいですね。

── 介護・福祉現場の課題解決のためにジャンルを問わない姿勢から、固定観念にとらわれないフレキシブルな社風を感じました!本日はありがとうございました。