
「これ、本当に使う?」
現在、青木さんは学生が進めるプロジェクトに社員として関わり、作っているものが実際の用途に合っているか、必要以上に作り込まれていないかを確認しています。
本人は、こうした関わり方を「ガードレールを引く」と呼んでいます。
ただ、数年前まで青木さん自身も、社員から仕事を振られ、レビューを受ける学生アルバイトでした。
大学在学中の2023年にクロジカのインターンへ参加し、その後は学生アルバイトとして約11か月勤務。
2024年に新卒入社してからは、クラウドサーバー構築を主な仕事として顧客案件を担当しています。
立場が変わる中で、仕事の見方はどう変わってきたのか。一方で、学生の頃から変わらず残っているものは何なのか。
インターン、学生アルバイト、新卒入社後と、青木さんがこれまで経験してきた仕事を振り返ってもらいました。
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プログラミングもサーバーも好きだったけど、何を仕事にするかは決まっていなかった
── 大学では、どんなことを学んでいたんですか?
情報系の学科で、研究では機械学習をやっていました。
機械学習って、システムを一つ作って終わりではないんです。まずデータを集めて、そこからどういう特徴量を取り出すかを考える。
そこからシステムを最適化して学習させて、最後に結果を取り出していく。そういう一連の流れを研究していました。
――研究以外では、どんなことに興味があったんですか?
プログラミングは好きでしたし、サーバーをいじるのも好きでした。
大学時代は同級生と一緒にそういうことをやっていましたね。GitHub Copilotも、その頃からかなり使っていました。
── 当時のGitHub Copilotは、今とはかなり違ったんですか?
全然違いましたね。正直、かなりポンコツで、コードを書ける人、読める人じゃないと使えないようなものでした。
それでも、当時は本当に未来に感じたんですよ。
大学では自分で全部コードを書くのが当たり前だったので、「全部自分で書かなくていいんだ」と思えたこと自体が大きかったです。
今はAIにコードを書かせることも普通になっていますけど、その頃はまだそうではなかったので。
──当時、将来の仕事についてはどう考えていたんですか?
最初はITエンジニアというより、どちらかというとサイエンティストの方に進みたいと思っていました。
ただ、プログラミングも好きでしたし、サーバーにも興味があったので、最初から一つに決めていたわけではなかったです。
── そんな中、クロジカのインターンに参加したのは、何がきっかけだったんですか?
同じ大学の友人が先にクロジカで働いていて、「バイトでいいからやってみたら」と声をかけてもらったのがきっかけです。
正直、「インターンでこれを経験したい」という具体的な目的が最初からあったわけではなかったです。
ただ、実際に働いている人の話は聞いてみたかった。大学にいるだけでは分からない、実際に働いている人がどう考えているのかには興味がありました。
── インターンでは、どのようなことをしたんですか?
用意されたカリキュラムを進めながら、AWS上にサーバーを構築しました。
途中までは調べながら進められるんですけど、最後の方は「これをやれば正解」という答えがある問題ではなくて、自分はこう考える、という意見を出さないと進められないような課題になっていました。
── インターンの後は、クロジカとはどういう形で関わったんですか?
その後は学生アルバイトとして働き始めました。
これはインターンをやってみてから「続けよう」と決めたわけではなくて、最初からアルバイトとして入りたいと思っていました。
会社側も自分をアルバイトとして採ろうとしてくれていると知ったときは、ちょっと嬉しかったです。そこから学生アルバイトとして働くようになりました。

できるなら、全部やりたい
── 学生アルバイトになってからは、どんな仕事をしていたんですか?
基本的には調査ですね。
AWSの新しいサービスとか、社内でまだ使っていないサービスを実際に触って、「これできるんじゃないかな」と試す。PoC※みたいな感じでやっていました。
あとは、社内で使う「ワークベンチ」というツールを作ったりもしました。学生アルバイトの頃は、かなりのびのびやっていましたね。
※PoC(Proof of Concept):新しい技術や仕組みが実現可能かどうか、本格的に導入する前に検証すること。
── ワークベンチは、どんなツールだったんですか?
社内で使うWebアプリです。
顧客を選んで、その顧客のサーバーを選ぶと、作業チケットのテンプレートが出てきて、それをコピーして使えるような仕組みでした。
もともと同じようなことをスプレッドシートでやっていたんですけど、使い勝手があまり良くなかったので、Next.jsを使って作り直しました。インターンに誘ってくれた同級生と二人で作っていましたね。
── 普段、仕事はどんなふうに進めていたんですか?
基本的には、社員から仕事が降ってくる形でした。
自分から「仕事をください」と取りに行くというより、「このAWSのサービスを調べてみて」とか、「これを作ってみて」とか、そういう形で仕事をもらって進めていました。
── 社員の方と仕事をする中で、印象に残っていることはありますか?
当時面倒を見てくれていた社員さんとは、新しい技術をどう使うかみたいな話は結構していました。
新しいものを導入すると、その後の管理コストが必ず出てくるじゃないですか。
当時の僕は、その管理コストまで含めても効果があるなら、全部入れた方がいいと思っていました。
僕は取捨選択が結構できないタイプなんですよ。技術が好きなので、できるなら全部やりたい。
一方でその社員さんは、それぞれの技術の特徴を見ながら、「今やるべきなのはこれだから、ここに集中する」と考えるタイプでした。
今はその考え方にかなり納得しています。
でも、今でも体力があれば全部やりたい気持ちはありますね。現実問題、そうはいかないということも、仕事をする中で分かりました。
── 学生アルバイトをしながら、新卒の進路についてはどう考えていたんですか?
クロジカ以外のIT企業からも内定をもらっていました。
そこではCOBOL※を扱う可能性があると聞いていて、COBOLができるようになって、その分野のプロフェッショナルになるのも一つかなと思っていました。
当時はAIにもかなり興味があったので、将来的にはAIを使ってCOBOLのマイグレーションみたいなこともやってみたいと考えていました。
※COBOL:企業の基幹システムなどで長く利用されてきたプログラミング言語。
── 最終的に、クロジカへの入社を決めたのはなぜですか?
内定をもらっていた会社の人事の方と、自分が将来やりたいことについてかなり率直に話したことは大きかったですね。
そのときに「技術が好きなんだね」と言われて、「大好きですね。エキスパートになりたいんです」と話して。
そうしたら、その会社での実際の仕事についてもかなり率直に話してくれたんです。
自分が興味のあることを、そのまま仕事にできるとは限らない。COBOLやJavaを使う仕事では、要件や作り方がかなり決まっている、といった話も聞きました。
それを聞いて、「それを何年もやりたいか」と考えるようになりました。
当時の僕は、自分が興味のあることを仕事でやりたいという気持ちが強かったんです。
プログラミングも好きでしたし、AIを使って何かするのも好きでした。
クロジカでは、そういうことにも関われると思っていました。
なので、そのときは「自分の興味があることをやってやるぞ」という気持ちで入社を決めたところはありますね。
話さなくても仕事はできると思っていた
── 新卒入社後は、どんな仕事を担当しているんですか?
今はクラウドサーバーの構築が中心ですね。
案件の内容が決まって、構築作業として切り出されたところから自分が入ることが多いです。
まず構築計画を見て、どういうサーバーを作るのか、スケジュールはどうなっているのか、お客さんごとに何か条件があるのかを確認する。
そこから実際にサーバーを構築して、リリースまで対応するというのが、大まかな仕事の流れです。
── 構築計画や要望を見るときは、どんなところを確認しているんですか?
そのまま進めていいのか、というのは見ていますね。
例えば、追加で費用がかかるような要望だったり、技術的にそのまま実施するのは難しかったり、もともとの構築計画から外れていたりすることがあります。
そういうときは、自分だけで決めずに営業やPMに確認します。
追加で費用がかかるのか、技術的に問題がないか、もともとの構築計画から外れていないかを整理して戻す感じですね。
── そういう確認や相談は、普段どんなふうにしているんですか?
直接話した方が早いときは、そのまま聞きに行くこともありますね。
たとえば、営業担当が近くにいた頃は、案件で分からないことがあれば、ふらっと行って「これどうなっていますか」と聞いたりしていました。
ただ、入社したばかりの頃は、そういうことをあまりやっていなかったです。
── 入社したばかりの頃は、なぜ直接聞きに行かなかったんですか?
当時は、シートとかルールがちゃんとあって、それに沿ってみんなが動けば、そんなに話さなくても仕事はできるだろうと思っていました。
でも、実際の仕事って、全部がルールどおり、予定どおりに進むわけではないじゃないですか。
そうなると、文章を長く書いてやり取りするより、直接話してその場で確認した方が早いことも多いです。
実際にやってみたら、その方がむしろ楽だったんですよね。
自分が最初に「こういうのはやらない」と思っていたことも、仕事をしていると必要になるんだな、というのは感じています。

自由に任せてもらっていた自分が、今はガードレールを引く側にいる
── クラウドサーバー構築以外では、今どんな仕事をしているんですか?
学生が進めているプロジェクトにも、社員側として関わっています。
プロジェクトの進め方を一緒に考えたり、学生から相談を受けたり、今どこまで進んでいるのかを確認したりしています。
以前は、誰が何を管理しているのか、どこまで進んでいるのか、最終的に何を作るのかが分からなくなって、プロジェクト自体が進まなくなることもありました。
今はプロジェクトシートを書いてもらって、それを見ながら進めています。
── 学生のプロジェクトでは、どんなところを見ているんですか?
まず、計画としておかしくないかは見ていますね。
技術的にできるかだけではなくて、「これって実際に使うのか」とか、「ここまで作る必要があるのか」とか。
作れるものを全部作ればいいわけではないので、実際の仕事で使うことを考えたときに必要なのか、というのは結構見ています。
── 具体的には、どんなところを見直すんですか?
最近だと、学生にサーバーを自動で構築する仕組みを作ってもらっていました。
今はAIがあるので、かなり細かいところまで一気に作れてしまうんですよ。
でも、作れるからといって、全部作ればいいわけではない。例えば、1年に1回あるかないかという機能のために200行のコードを書くとしたら、「これ、本当に必要なの?」という話になります。
実務で作るときって、何でも最初からきっちり作り込むというより、「まずこれなら動くよね」というところを考えることもあります。
そこを考えずに作っていくと、機能は多いけど、現場で使うには過剰なものになってしまう。なので、そういうところは見直します。
── 学生と一緒に進める中で、難しさを感じるのはどんなところですか?
実務をやっている人と、学生とでは、見えている前提が違うんですよね。
例えば社内のドキュメントを見ても、僕らは普段その仕事をしているので、「ここには書いてないけど、こういう意味だな」と頭の中で補完できる。
でも、学生は普段その業務をやっているわけではないので、そこまでは補完できないんです。
学生が止まっているところを見ると、逆に「自分たちは結構、感覚で補って仕事をしているんだな」と気づくこともありますね。
── そういうときは、学生にどこまで伝えるんですか?
僕らが全部決めるというより、ガードレールを引くような感じです。
「このまま進めると問題が起きそう」とか、「この機能は本当に必要なのか」とか、大きくずれそうなところは見る。
実装してから全部直すより、本当は計画の段階でずれをなくした方がいいので、そこは見ますね。
ただ、きっちり決めすぎればいいとも思っていないです。
「最低限ここまでは正した方がいい」と言っても、その最低限ってどこなのか、という話もあるので。そこは結構難しいですね。
── 青木さん自身が学生アルバイトだった頃は、社員からどんなふうに関わってもらっていたんですか?
僕のときは、当時面倒を見てくれていた社員さんにかなり自由にやらせてもらっていました。
危ないことについては、「これは気をつけてね」とちゃんと伝えてくれるんですけど、やりたいことがあればやっていい、という感じでした。
かなり信頼して任せてもらっていたので、逆に「この信頼を裏切れないな」と思っていましたね。
自分で考える余地がありましたし、その社員さんも「どうしたいの?」と話しながら決めていくタイプでした。
── では今、学生にどこまで任せるのがいいと思っていますか?
そこは、まだ試行錯誤していますね。
今は実務をやっているので、学生のプロジェクトを見ていると、「これは実際には使わない」とか、「このまま進めると後で困る」と思うことはあります。
でも、だからといって全部こちらで決めてしまったら、学生が自分で考える余地がなくなる。
僕自身、学生の頃は自由にやらせてもらって、自分で考える余地がありました。
今の学生にも、自分で考えられるようになってほしいという気持ちはあります。
そのために、どこまで任せて、どこで止めるのか。
ガードレールをどこに引くのがいいのかは、まだ自分でも考えながらやっているところですね。

── 青木さん、本日はありがとうございました。
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