【介護施設向け】個人情報保護のいろは|予約管理ツールとクラウドストレージ

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」介護業ライターの若山です。

介護業界での個人情報保護は、業務運営における最も重要な要素の一つです。介護施設での個人情報の適切な取り扱いは、非常に大きな課題となっています。

この記事では、予約管理ツールの導入や個人情報保護法の改正、介護施設での個人情報漏えいリスクとその対策、そしてクラウドストレージを活用した個人情報保護について、具体的に説明します。

この記事を通じて、効率的な業務運用と利用者の信頼を確保するためのヒントを見つけて、サービスの質を向上させましょう。

紙媒体や電話による予約管理の課題

昨今、社会全体のデジタル化が進行している中で、介護業界の遅れが問題視されています。

令和2年度介護労働実態調査結果によると、ICT機器の活用状況として『いずれも行っていない』は25.8%となっています。これは、紙媒体や電話を用いた従来の管理手法が未だに大きな割合を占めているということです。

その管理手法の具体的な問題点と、デジタル化による予約管理の効率化の可能性について、詳しく見ていきましょう。

参考:公益財団法人 介護労働安定センター『令和2年度介護労働実態調査

現状の管理手法とその問題点

現状、紙媒体や電話を用いた予約管理が多く行われているという事実は、その取り扱いに一定の課題があります。

紙媒体は情報の探索や更新に手間がかかるうえ、誤った情報の訂正や情報の共有が困難です。また、電話による予約では、双方が同時に通話できる時間を確保する必要があり、効率的な予約管理には障壁となっています。従来の管理手法には、効率性や信頼性を犠牲にする課題が存在しています。

デジタル化による予約管理の効率化

こうした問題を解決するための有効な手段が、デジタル化による予約管理の効率化です。

例えば、オンラインの予約システムを導入すれば、利用者は自身の好きな時間に予約が可能となり、双方の都合を合わせるための時間を大幅に短縮できます。また、情報がリアルタイムで更新されるため、いつでも予約の空き状況が把握できます。

介護業界のような人材不足が問題となっている業界では、ICTツールの活用は避けて通れない道と言えるでしょう。

予約管理ツールの導入:より効率的な運用へ

予約管理ツールの導入は、介護業界における業務効率化のための重要なステップです。ただし、それらのツールを導入する上で、利用者の個人情報を安全に管理することの重要性も見逃せません。以下では、予約管理ツールの概要と、安全なデータ管理の重要性を詳しく見ていきましょう。

予約管理ツールとは

予約管理ツールとは、予約やキャンセルをオンラインで取り扱うツールのことを指します。このようなツールを利用することで、情報の共有もスムーズになるため、業務の効率化が図れます。

例えば、有名なツールとしてExcel OnlineやGoogleスプレッドシートなどがあります。これらのようなオンラインで共有できる表計算ソフトを用いるだけでも、利用者やスタッフのスケジュールを一覧で確認し、変更や新規の予約を直感的に行えます。

さらに、これらのソフトはクラウド上に保存され、どこからでもアクセス可能なため、現場の効率化だけでなく、リモートワークの可能性も広げています。

安全なデータ管理の重要性

しかし、オンラインでの情報共有には注意が必要です。特に、介護業界では利用者の個人情報を扱うため、その安全な管理が求められます。

個人情報の流出は、法的な問題だけでなく、信頼関係の損失にもつながるため、安全なデータ管理は避けては通れない課題となっています。

ICTツールの導入は、業務の効率化をもたらす一方で、安全なデータ管理の重要性も浮き彫りにします。介護業界において、高度なサービスを提供し続けるためには、効率的な業務運営と情報の安全管理、両方を見据えた戦略が必要となるでしょう。

個人情報保護法の改正とその影響

個人情報保護法の改正は、介護業界においても大きな影響を与えます。特に、介護施設は利用者の多岐にわたる個人情報を扱うため、法律の改正に伴う対応は重要な課題となっています。

以下では2022年に行われた個人情報保護法の改正の概要と、それが介護施設にどのような影響を与えるのかについて考察していきます。

2022年の法改正の概要

2022年の個人情報保護法の改正では、個人の権利の認識、保有する個人データの開示方法、そして短期保存データも保有個人データに含むなどの新たな規定が設けられました。さらに、事業者の責任や自主的な取組の推進、データ利活用の方向性、ペナルティの適用、そして法の域外適用や越境移転に関する規定も明確化されています。

また、個人情報の漏えいが発生した場合の報告や通知が義務化され、罰則規定についても改定されました。これらの変更により、個人情報の適切な管理は、事業者にとってより一層重要な責任となったと言えるでしょう。

参考:個人情報保護委員会『令和2年改正個人情報保護法特集

介護施設における法改正の影響

介護施設においては、利用者の生活ニーズを把握し、必要な支援を明確にする努力が求められます。そのため、利用者に関する多岐に渡る情報が集まります。これらの情報はすべて個人情報として扱われるため、新たな法改正の影響を受けるでしょう。

個人情報保護法を遵守することは、利用者の個人情報を適切に保護し、介護施設としての信頼性を保つ上で極めて重要です。法改正の内容を理解し適切な対応を行うことで、利用者の信頼を維持しつつ業務の効率化も図ることが求められます。

介護施設での個人情報漏えいリスクとその対策

介護施設では利用者のさまざまな個人情報を取り扱います。そのため、情報漏えいのリスクは大きく、適切な対策が求められます。一方で、日々の業務をスムーズに進めるためには、情報の共有が不可欠です。

以下では、介護施設で起こりがちな個人情報漏えいの典型的なパターンと、その対策について掘り下げてみましょう。

介護施設での個人情報漏えいの典型的なパターン

介護施設での個人情報漏えいの典型的なパターンとしては、以下のようなものがあります。

  • メールや添付データの送信先間違い
  • 外部ストレージ装置の取り扱い不備
  • 業務用コンピューター・タブレットの適切な管理の欠如

繁忙期や混乱した状況下では、間違った宛先へのメール送信が発生しやすくなります。また、USBメモリなどの外部ストレージの紛失や盗難により、重要な個人情報が外部に流出するリスクもゼロではありません。さらに、業務用のデバイスが適切に管理されていないと、不正アクセスによる情報漏えいのリスクも高まります。

個人情報漏えい対策:適切な管理体制の構築

これらのリスクを軽減するための対策として、クラウドストレージを活用した情報管理が有効です。

クラウドストレージでは、個人情報を安全に保存し、適切な権限を持つ人のみがアクセスできる環境を作ることが可能です。これにより、情報を取り扱う人の適切な管理や、情報の共有、バックアップなどが簡易に行えます。誤送信や外部ストレージの紛失により、個人情報が漏えいするリスクも大幅に軽減できるでしょう。

このような具体的な対策を通じて、介護施設における個人情報の適切な管理と情報漏えい防止に努めることが、利用者の信頼維持とサービス品質向上につながります。

クラウドストレージを活用した個人情報保護

以下では、クラウドストレージの基本的な知識とその利点、そしてそれを用いた情報漏えい防止策、さらにアクセス権限の設定とその重要性について詳しく解説いたします。

クラウドストレージとは:基本知識と利点

クラウドストレージとは、インターネット上に設置されたデータの保管場所のことを指します。クラウドストレージのメリットとして挙げられるのは、そのアクセスのしやすさ・安全性・経済性です。

インターネットが接続できれば、どこからでもデータにアクセス可能という特性は、業務の柔軟性と効率性を高めます。災害時でもデータが安全に保管されるため、企業のビジネス継続性を確保します。

また、クラウドストレージ上のURLを共有すれば、ファイルの共同編集も容易です。さらに初期コストや運用コストを抑えられ、自動でバックアップが取られるため、データの紛失リスクを低減できます。

クラウドストレージでの情報漏えい防止策

クラウドストレージ自体が情報漏えいのリスクを低減する優れたツールですが、さらに防止策を適用することで、より一層安全性を向上させることが可能となります。

具体的な例としては、パスワードは定期的に変更し、容易に推測できないものに設定することが求められます。また、運用チェックリストを作成し、全員が情報漏えい防止策を理解・実践できるようにすることも大切です。

アクセス権限の設定:適切な権限管理とその重要性

クラウドストレージにおけるもう一つの対策として、アクセス権限の設定が挙げられます。データへのアクセスを必要な職員だけに限定すれば、情報漏えいのリスクを大幅に低減できるでしょう。

これらの対策を施したクラウドストレージの活用により、介護施設における個人情報の適切な保護と業務効率化を両立できます。

【まとめ】介護施設における個人情報保護

では、今回のまとめです。

介護施設において、個人情報保護は業務運用に重要な要素であり、その管理手法のデジタル化はさらなる効率化と安全性をもたらすことが明らかになりました。

紙媒体や電話による予約管理では手間がかかる上に、誤りや漏えいのリスクも高まります。予約管理ツールの導入は業務効率の向上をもたらすだけでなく、個人情報の適切な管理も可能にします。

新たに施行された個人情報保護法の改正により、介護施設に対しても適切な情報管理が求められています。その一方で、介護施設では個人情報漏えいのリスクが常に存在しているため、対策が不可欠です。

クラウドストレージを活用した個人情報保護が、これらの課題を解決する有力な手段になります。介護施設における個人情報保護のために、ICTツールを活用し、効率的な業務運用と利用者の信頼を確保しましょう。

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ライター:若山

介護福祉士として従事している傍ら、介護歴10年の経験を活かし、介護/福祉に特化した記事を執筆。介護現場のIT・デジタル化にまつわる課題や悩みに対して現場に即した、有益なアイデアを提供します。

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