【製造業向け】不具合が発生した際の早期原因追及を可能にする手段について

こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」製造業ライターの藤原です。

工場で用意周到な製造に取り組んでも、製造工程に不具合が発生したり、突発的な対応を行うため納期が遅延したりすることも少なくありません。不具合が発生したら、状況を正しく見極めて迅速に対応することは当然として、不具合の内容や傾向を分析し、得られた知見を次の開発に活かすことも大切です。

現在はシステムを監視するツールや過去データを収集・分析するツールも開発されており、これらの活用によって問題解決が図りやすくなっています。今回は、工場で発生した不具合の早期原因追及を可能にする手段についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

製造業において不具合が発生する原因

ヒューマンエラー

ヒューマンエラーは不注意や勘違いなど人的要因から生じるミスです。このミスには、

  • 不注意
  • 失念
  • 誤解
  • 見落とし

などさまざまなケースが存在します。たとえば、製造機器のボタンを押し間違えたり、上司からの指示を忘れたりすることなどがあるでしょう。作業員のスキルやメンタル面が深く関わっていることも考えられます。製造現場では作業マニュアルや安全確認などの手順があり、一定のルールに基づいて作業を行わなければなりません。

しかし、作業員が慣れていなければ注意深く確認する余裕もなく、手順を飛ばす可能性もあるでしょう。また、現場によってはマニュアルに記載されていない作業手順もあり、そういった作業は初心者であると飛ばしてしまうことも起こり得ます。

共有不足による作業手順違い

作業手順違いによるミスが多発する原因のひとつに、口頭による情報共有が挙げられます。口頭での連絡は記録が残らないので、聞き漏れや伝え損ねがあっても気がつかず「言った・言わない」などで揉めやすいです。

また、口頭での情報共有は、双方での認識がズレている可能性も高く、依頼した仕事が期待通りに上がってこないケースもあります。上記のように、口頭では正しく伝わらないことも多いため、情報共有するときはテキストで伝えるなどの工夫が必要です。加えて根本的な要因として、情報共有のルールが明確になっていないことによるミスの発生が見受けられます。

作業環境や設備によるミス

作業環境や設備から誘発されるミスとは過酷な作業環境下においては、機械にも想定以上の負担がかかるためです。たとえば、鉄を溶かす設備の近くは100度を超えることも考えられます。

そのような場所に、十分な対策を行わずに設備などを設置すると、熱の影響により故障または誤作動の原因になるでしょう。また、粉塵が空中に舞っているような現場では、ロボットの駆動部に異物が入り込むことは、動作不良につながる原因のひとつです。部品を判別するための現品表にホコリが積もってしまい、文字などが読めなくなることもあります。作業環境を管理していないと、思いもよらない設備トラブルなどが発生してしまうため注意が必要です。

不具合の原因を調査する方法

状況を明確化

不具合が発生したら、その原因に関する現在の状況を明確にしておくことが重要です。機械や設備に原因がある場合には、整備や点検の頻度・方法について調査します。手順に原因がある場合は、マニュアルと実際の作業に乖離が生まれていないか確認が必要です。不具合の状況を分けることで、調査する箇所や方法が明確になります。

原因の分析

特定できたミスのうち、すでにルールやマニュアルなどの対策が準備されていたものについては、その内容が適切だったかどうかを見直す必要があります。現状のルールに問題があったり、マニュアルが理解しづらいものであれば修正を行います。前例のないミスの場合は、何が原因で発生したかを探りましょう。その原因を元に、新たなルールを検討します。

対策を検討・共有

不具合を減らすための重要な施策は、組織全体で改善に取り組むことが必要です。たとえば上司が厳しすぎる態度を取っていると、作業員は必要な確認事項の確認もためらうでしょう。情報共有が疎かになり、対策が組織になかなか浸透しない状況をつくり出してしまいます。

管理者は、部下の質問や相談をオープンに受け入れる姿勢を示し、コミュニケーションの改善に努めることが重要です。コミュニケーションが活発化すれば、仕事に役立つ知識やスキルの共有などもチーム内で進み、ヒューマンエラーが減ることにも期待ができます。

早期原因追及する具体的な対策

トレーサビリティを行う

トレーサビリティとは、製品に不具合などの問題が生じた際、早期に原因を追究し対象となる製品の回収を行う仕組みのことです。近年では品評偽装の防止やリコール回収を迅速化するために、多くの企業でトレーサビリティが導入されています。

たとえば、製品に不具合があることが発覚したら、

  • 影響のあるロット
  • 工程
  • 作業者を特定

などの原因の追跡ができれば、搬入されたロットにどのような不具合があったのか、工程や作業内容に問題があったのかなどを特定することが可能です。

4Mデータを活用して変化情報を特定する

予測外の不具合が発生したときは、4Mの活用により原因の特定や改善が行えます。予測している不具合であれば現場に用意しているマニュアルを確認することで対応できますが、予想外の不具合では同じ対応ができないからです。

あらかじめ予測外のトラブルが発生したときの報告先や暫定的な対処法などを決めておく必要があります。これらをルール化することにより、トラブルの発生時に現場の作業員は「報・連・相」を誰にどうやって報告するのか、管理者は生産ラインを継続すべきかどうかを迅速に判断できるでしょう。

どの変化点が問題の主原因なのか、日々のデータと照合することにより特定が容易になります。特定ができたら、対応策をマニュアル化したり手順書の設定を変更したり、再発しないように対策を打つことが可能です。トラブル再発防止対策を行う管理者が、継続的に改善を行う意識も持っておくことが大切なポイントになります。

バージョン管理機能を活用する

ファイルの復元機能やバージョン管理機能があれば、削除したファイルを復元して、編集前の状態に戻すことも可能です。特にバージョン管理の機能が備わっているクラウドストレージは、それぞれのファイルの編集履歴を自動的に残して、以前のバージョンへ復元する機能が利用できます。例えば、不具合が発生したタイミングとその前後で活用していた製造図面の照合スピードが上がり早期の原因追及と問題解決につながるでしょう。

まとめ

この記事では、製造業において不具合が発生した際に必要な、原因追及を早急に行う手段について解説しました。不具合といってもさまざまありますが、どれも早急な原因追及が求められることに違いはありません。

工場のDX化により、原因追及を早急に行えるようになりました。その半面、DX化に取り組みが遅れている工場や、まだ何も取り組めていない工場では、不具合が発生した際の原因追及に多くのリソースが割かれている印象があります。

2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)では既存の資産や技術を再構成し、競争力を 持続的なものにするために組織全体を変容する企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)が重要であることが記載されています。工場のDX化の推進に向けた取り組みを、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

製造業でのファイル管理に「クロジカ大容量ファイル管理」

「クロジカ大容量ファイル管理」は、広範囲において膨大なデータや情報を扱う製造業において、データ管理の"はじめの一歩" となるサービスです。

「クロジカ大容量ファイル管理」は初期構築費用を無料でスタートすることができます。
さらにマルチデバイス対応なので、タブレットからスマートフォン、PCからスマートフォンなどデバイスをまたいでデータ交換が可能です。また、プロジェクト単位でフォルダ分けして、部署間を超えたファイル連携や取引先とのデータ共有など、利用者数に合わせたプラン選択ができます。

簡単に導入でき、安心安全で利便性の高い機能を備えています。
ファイル管理でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

ライター:藤原 アロー

製造業界での豊富な経験から、製造業界の「データ管理」「ファイル共有」に
まつわる課題や悩みを“現場のリアルな声”に照らし合わせ情報提供します。

大容量ファイル管理クラウドでかんたんに

大容量ファイルをクラウドでセキュアに クロジカガイドブック

無料ではじめる大容量ファイル管理
クロジカガイドブック

「クロジカ大容量ファイル管理」の詳しい内容がわかる資料をご用意しました。
  • 大容量ファイル管理の課題を解決
    • 大容量のクラウド移行
    • 大容量のデータ共有
    • データ保護
  • クロジカ大容量ファイル管理の主な機能

詳しい資料をご覧いただけます

クロジカ大容量ファイル管理のサービス内容を記載した資料をダウンロードできます。
クロジカの機能や事例が分かる
資料ダウンロード