こんにちは。「クロジカ大容量ファイル管理」製造業ライターの藤原です。
業務で得た情報を一箇所で管理する、データの一元管理に取り組む企業も増え、製造業においても同様に注目され始めました。総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は70.4%になると言われています。
しかし、情報の管理が分散しており、製品データをうまく活用するまでに至っていない企業も多いのではないでしょうか。きちんと工場の情報を一元管理することによって、品質管理が促進され製品の品質が維持されます。
そこで今回は、製造業の品質管理において情報の一元管理が重要な理由と、具体的な施策についてを解説しますのでご参考にしてください。
Contents
製造業の品質管理とは？
製造業の品質管理とは、一定の品質が保たれているか、不良品が見落とされていないか検査・検証し管理する業務のことです。品質管理によって、製造現場から市場に向けて安定した品質の製品を提供できます。
製品の検査業務や修理・交換に加えて、不良品を発見した際に、原因と発生過程を確認することが重要です。原因と発生過程を確認しないと、有効な再発防止策がとれなくなります。
製造業における品質管理が重要な理由
製造業において品質管理は大変重要な役割を担います。
- 作業手順のマニュアル化でヒューマンエラーを低減
- 多能工化を行い作業者の技能レベルUPを図る
- 製造時に発生する不良を減らし、品質の維持管理を行う
上記について解説していきます。
作業手順のマニュアル化でヒューマンエラーを低減
品質管理を行うにあたり、作業手順のマニュアル化に取り組む必要があります。作業手順がマニュアル化されていない場合、作業者ごとに作業時間や品質にムラが生まれたり、ケアレスミスが発生する原因につながるからです。
作業手順書の作成とノウハウの共有によって、品質を一定の水準に保ちながら、ヒューマンエラーを低減させられます。ヒューマンエラーには、ケアレスミスによるものとルールを守れなかったものの2つに分類され、いずれも作業手順のマニュアル化によって低減できるでしょう。
多能工化を行い作業者の技能レベルUPを図る
単能工とは1人の作業者が1つの工程を担当する業務の進め方です。1人の作業者に1つの工程を任せるため、場合によっては業務が集中して負荷がかかってしまうことがあります。またイレギュラーが発生した際の対応が難しいなどの問題があるでしょう。
この問題を解決するのが、多能工という業務の進め方です。多能工は1人で複数の工程や業務をこなし、イレギュラーが発生しても対応できるように技能レベルを向上させます。
多能工化を実現するためには、以下のような計画を立案し、実行していく必要があるでしょう。
- 業務内容の洗い出し
- 業務のローテーション
- 業務のみえる化
製造時に発生する不良を減らし、品質の維持管理を行う
もしも不良品を納入してしまえば、企業の信頼を損なう可能性もあります。品質の基準を高く定めて検証を行っていくことが求められるでしょう。しかし、品質の維持管理を人手で行っている場合、不良の出荷を未然に防げず、納品してしまうケースもあると考えられます。
人によるチェックは、ミスが重なることによって対策を潜り抜けた誤出荷が出てしまう懸念もあるでしょう。そこでITツールの導入によって、品質チェックや使用期限切れ原料を検知し、品質の維持管理を機能させます。
製造業で品質管理を行うポイント
製造業で品質管理を行う際に、おさえておきたいポイントがあります。
- 5Sを意識する
- 4Mを管理する
- DX化を推進する
- 業務標準化を目指す
上記の4つを、それぞれ解説していきます。
5Sを意識する
「5S」とは、
- 整理（Seiri）
- 整頓（Seiton）
- 清掃（Seisou）
- 清潔（Seiketsu）
- しつけ（Shitsuke）
をアルファベットで表記し、頭文字5つの「S」によって構成される用語です。5Sを遵守することでヒューマンエラーの削減にもつながり、結果として会社全体における業務効率化に繋がるでしょう。
これらを維持していくというルールや規律を設けることで、社内の管理意識が高まり、より成熟した組織の構築に寄与すると考えられます。
4Mを管理する
「4M」とは、
- 人(Man)
- 設備(Machine)
- 方法(Method)
- 材料(Material)
をアルファベットで表記し、頭文字4つの「M」によって構成される用語です。生産ラインを正常に稼働させ、品質管理を最適化するためには必須の要素になります。
4Mの視点から品質管理を行い、問題の要因を整理して、洗い出すことが可能です。4Mの視点で業務に取り組むことで、問題発生時の現状分析を思い込みや勘などではなく、論理に基づく改善活動が行えるでしょう。
DX化を推進する
DX化（デジタルトランスフォーメーション）とは、データとIT技術を活かして、プロセスの改善に留まらず、業務に関わる事象に革新をもたらすことです。
近年は製造業においても、DX化が求められています。理由は、社会のニーズや顧客要求の変化が、時代の変遷によって加速しているからです。製造業において、DX化に対応していくためにも、アナログで属人的な業務の進め方を改善していく必要があるでしょう。
業務標準化を目指す
製造業の大きな課題に、作業者によって業務にムラが生じる点も挙げられます。作業者によって業務にムラが生じるデメリットは、工程の停滞を引き起こしたり、業務の属人化が進んでしまい、他者へ引継ぎが出来ないことです。
また品質の低下や、不安定性を招いてしまうことも考えられます。作業者によって業務のムラが生じる点を改善するためには、会社全体で業務の標準化を目指すことが重要になります。
製品の品質を低下させない施策
クラウドストレージを活用し、データの一元管理を行うことで、品質管理が促進され製品の品質を低下させない施策
- 業務のペーパーレス化
- 災害対策やBCP（事業継続計画）による品質低下の防止
- 製品データも一元管理
を解説していきます。
業務のペーパーレス化
ペーパーレス化を推進することで、工場内で稼働する機器のデータを蓄積していくことが可能です。これまでは、社内でブラックボックス化されていた稼働データを、クラウドストレージへ保管することで部門を横断して共有が行えます。
工場機器の稼働状況がわかることで、機器の稼働状況の変化点を迅速に把握し、品質管理の処置をより的確に行えるようになるでしょう。
災害対策やBCP（事業継続計画）による品質低下の防止
クラウドストレージはバックアップ作業の必要がなく、災害対策やBCP（事業継続計画）の観点でも非常に有効です。災害時や火災による社屋の倒壊または破損の際、PCなどのデバイスが故障したとしても、データはデバイスからクラウドストレージへ切り離されて管理されているため、データが消えてしまう危険性はありません。
ただし、工場や特定のデータセンターに物理的なストレージを設置している場合は、災害や火災によってオリジナルのデータやバックアップデータが消失するリスクもあります。災害や火災の後に、これまでに蓄積されたデータが保護されていれば、復旧するまでの時間が短縮されるでしょう。
製品データも一元管理
情報が煩雑に扱われている状況下では、データや情報の内容に重複が発生しやすく、新旧両方の情報が入り混じってしまう事態に繋がります。情報が古いまま作業を進めてしまえば、思わぬトラブルが発生する原因にもなりかねません。
クラウドストレージを活用し、情報の一元管理が徹底されている環境であれば、古い情報によって問題を起こすことなく、正確な情報を参照して業務に取り組めるでしょう。
まとめ
今回は工場データの一元管理にクラウドストレージを活用することで、品質管理の水準をより高めて、製品の品質を低下させない施策について解説しました。これまでに工場で蓄積されたデータを物理的なストレージに保管されている場合、共有するまでに時間がかかったり、災害時にはデータが消失してしまうリスクもあります。
クラウドストレージを活用し、工場内における製造情報の見える化とデータベースの構築を行い、製品の品質維持に繋げましょう。
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ライター：藤原 アロー
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