こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
2024年から病院にも、働き方改革が適用されます。長時間勤務や変則勤務が病院には常態化していて、対応に悩まされている人も多いのではないでしょうか。人手不足や労働状況の把握に苦しんでいる病院も多いです。
この記事では、病院の働き方改革の特徴や病院における業務の課題、働き方改革に対応するためのポイントについてご紹介します。働き方改革に対応することで期待できる効果や、病院にオススメの勤怠管理システムについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
病院の働き方改革とは
2019年4月に働き方改革関連法が順次施行されたことによって、多くの業種で残業時間や時間外労働の上限規制などが導入されました。しかし、勤務形態が特殊な病院などの業種は、働き方改革の適用が猶予されています。
働き方改革の要点は、
- 時間外労働の上限規制
- 労働時間の適正な把握を義務化
- 勤務時間インターバル制度の導入
- フレックスタイム制の制度拡充
- 年5日以上の年次有給取得
- 高度プロフェッショナル制度の新設
があります。
長時間労働などの削減や業務の均等化をして、勤務環境を改善するために働き方改革が導入されました。2024年から病院も働き方改革が適用されるため、詳しく解説していきます。
2024年4月から適用
2024年4月から病院の働き方改革が、適用されます。勤務医の時間外労働は年間960時間までに制限されて、長時間勤務医師の面接指導などの取り決めを導入して労働環境の適正化を行う予定です。
地域医療に携わる医師や初期臨床研修医などは異なる上限が設定されていて、年間1860時間までの制限となっています。医師の中でも職種や環境にあわせて、異なる水準が設けられました。
病院に勤めている常勤の医師は、約4割が月80時間以上の残業を行なっていて、中には月160時間を超える人もいます。病院の働き方改革には、医師の健康や医療の安全性確保も求められています。
医師だけでなく看護師や事務職にも適用される
看護師や事務職にも働き方改革は適用されますが、医師とは異なり2019年4月に施行済みです。中小規模の病院でも、2020年4月から施行されています。時間外労働は月45時間まで、年間では360時間以内までといった制限もあるため注意が必要です。
労働時間が超過したり、有給休暇を年間5日以上取得しなかったりすると罰金が科せられます。ほかにも労働時間の把握や3年間の保存が義務付けられ、勤務時間内に一定の休憩時間を取得させる努力義務も求められています。
病院の働き方改革に向けての課題
働き方改革に対応するためにも、病院の業務を行ううえでの課題を確認しておきましょう。それぞれ解説していきます。
人手不足
日本全体の課題とも言えますが、少子高齢化にともなって労働力人口の減少につながり病院でも人手不足が課題になっています。病床と比べて医師の数も足りていないため、病院同士で医師を奪い合ってしまっているのが現状です。
医師だけでなく看護師も人手不足の問題に直面していて、人の生命を預かる病院では法律による制限もあります。労働時間の増加だけでは対応できなくなるため、これからの病院では人手不足の対応が必要となります。
医療の質の維持
働き方改革を進める中でも、医療の質は維持しなければなりません。病院の業務は診察や医療だけでなく、事務作業や後輩の教育など幅広いです。これらをこなしながら医療の質を下げないためには、労働環境改善の強い意識が必要になります。
業務効率化
病院の働き方改革に対応するためには、業務効率化を進めることが必要です。バックオフィス業務などに医師の勤務時間を取られてしまうと、診察や治療の時間が不足してしまいます。業務効率化を行なって、職場環境を改善することが大切です。
働き方改革に対応するためのポイント
働き方改革に対応するためのポイントについて、解説していきます。どれも労働時間短縮に効果的なので、それぞれ確認しましょう。
タスクシフト
タスクシフトは、医師の業務負担を減らすためにほかの職種へ業務を移管することです。検査手順や入院の説明、診断書の入力などは医師以外の人でも行えるため業務の負担を分担することが大切です。
ワークライフバランスの推進
病院での業務は緊急性のある業務が多かったり、拘束時間が長かったりしてワークライフバランスの実現は難しい状況になっています。ワークライフバランスを推進するために労働環境を改善すれば、働き方改革への対応にもつながります。
業務効率化
働き方改革に対応するためには、IT化による業務効率化がオススメです。人手不足を解消するには教育が必要になるため、電子カルテの導入や勤務時間の管理を自動化して業務効率化を行なっていきましょう。
電子カルテや勤務時間の管理は、電子データとして一元管理もできるため検索時間の短縮や保管コストの削減にもつながります。
勤怠管理システムの導入
バックオフィス業務の効率化を行うためには、勤怠管理システムの導入も効果的です。シフト表の作成や勤務時間の管理を正確に行なってくれて、勤怠状況の確認がスムーズにできます。
働き方改革では勤務時間の記録を残す必要があるため、勤怠管理システムを導入して自動化をし適切な管理を行いましょう。病院の複雑な勤務形態でもシフト表を自動で作れるため、シフト作成の手間も削減が可能です。
働き方改革に期待できる効果
病院が働き方改革に対応して期待できる効果は、
- 離職率の低下
- 患者の待ち時間の削減
- 医療の質の向上
といった点です。それぞれ解説します。
離職率の低下
病院では、慢性的に人材不足が深刻な問題です。人手不足が解消されないと、医師一人あたりの負担も増えてしまい、離職につながる悪循環が起きてしまいます。
働き方改革に対応して、業務の負担を減らして勤務時間の削減を行えば離職率の低下にもつながります。長時間労働や変則勤務を減らして、医師のワークライフバランスを改善することが大切です。
患者の待ち時間の削減
病院に患者としていくと、状況によっては待ち時間が長くなることもあります。働き方改革に対応するため、勤怠管理システムなどの業務効率化を行えば待ち時間の短縮が可能です。
待ち時間の短縮は患者のストレス削減にもつながり、質の高い医療を実現できます。病院予約システムの導入なども検討して、患者側からも混雑状況が見られるようにすれば来院数の平準化に効果的です。
医療の質の向上
働き方改革を推進していけば、医療の質を向上することも可能です。現在の病院では医師の長時間勤務や緊急時の変則勤務など、医師一人あたりの負担が非常に大きくなっています。
働き方改革を行うことによって、医師の睡眠時間や患者との診断を行う時間が増やせるため医療の質を向上させられます。診断や治療以外の業務は看護師や事務職の人に行なってもらうことも、負担を平均化させるためにも大切です。
病院にオススメの勤怠管理システム5選
病院の働き方改革に対応するために、オススメの勤怠管理システムをご紹介します。病院が業務をこなすうえでの課題や、従業員から不満が出ている点を把握してから業務効率化が期待できるシステムを導入しましょう。
ジョブカン勤怠管理
ジョブカン勤怠管理は、クラウド型の勤怠管理システムでフレックス制や交代勤務、当直勤務などにも対応が可能です。シンプルな操作性が特徴で、勤怠管理システムに慣れていない人でも利用しやすいです。
自動シフト作成やリアルタイムの勤怠状況を確認できるため、病院にオススメのシステムとなっています。出勤情報の打刻もさまざまな方法から選べて、不具合があったときのサポート体制も充実しています。
全てのクラウド型の勤怠管理システムにも言えますが、ネットワークに繋がる環境がないと利用することができません。ネットワークが落ちないように、対策をしておく必要があります。
ジンジャー勤怠
ジンジャー勤怠は、勤怠データが自動で集計できて有給管理やシフト管理なども自動で行なってくれるシステムです。ワークフロー機能なども充実していて、複数拠点の病院でも有効に活用できます。
日本語だけでなく英語やタイ語、ベトナム語にも対応しているため外国の人が業務を行なっている病院にもオススメのシステムです。パソコンやスマホからの打刻方法にも対応しているので、出先からでも正確な勤怠状況を把握できます。
クラウド型のシステムは、オンプレミス型と異なり、初期費用があまりかからないことがメリットとして挙げられますが、ジンジャー勤怠は初期費用がかかります。しかし、月額の利用料は一人あたり400円と他のシステムと比較しても安く設定されているため、継続的に使用すれば費用を抑えることができるでしょう。
Touch On Time
Touch On Timeは、打刻方法が豊富でパソコンやスマホからの打刻だけでなく、生体認証システムも利用できる勤怠管理システムです。豊富な打刻方法で正確な勤怠状況を把握できる点がメリットになります。
細かい就業ルールの設定もできるため、部署ごとや拠点ごとに合わせた勤怠管理が可能です。CSV出力も行えるため、Touch On Timeのデータをほかのシステムで利用することも簡単に行えます。
社内で使用しているPCがMacである場合には、PC接続して使用するタイムレコーダーが使用することができないという点については、注意が必要です。
CWS就業管理システム
CWS就業管理システムは、医療機関に特化している勤怠管理システムです。電子カルテや給与システムなどほかのシステムとの連携も可能で、病院における業務の効率化ができます。
交代制勤務のシフト作成や様式9にも対応ができて、時間外業務などの見える化も行なってくれます。2024年からはじまる病院の働き方改革に対応するためにも、オススメの勤怠管理システムです。
ただし、CWS就業管理システムの導入には、規模にもよりますが半年程度の時間がかかります。もし、導入の検討を進めている場合は、早くから動き出すようにしましょう。
かえる勤怠管理 医療
かえる勤怠管理 医療は、病院の複雑な勤務状況にも対応できるクラウド型の勤怠管理システムです。打刻方法もスマホだけでなくガラケーにも対応していて、IT化に抵抗のある従業員でも使いやすい点が特徴になります。
導入するときはベンダーの担当者が病院にあわせてカスタマイズも行なってくれるため、運用直後から使いやすい点も魅力です。複数拠点での勤務状況を一括管理することもできるため、拠点の多い病院にもオススメのシステムです。
1拠点7,500円から利用できますが、最低の利用期間が一年間に設定されていますので、導入する際には一年間利用し続ける予定があるかどうか、しっかりと検討しましょう。
まとめ｜病院にも勤怠管理システムを導入して業務改善
この記事では、病院の働き方改革の特徴や病院における業務の課題、働き方改革に対応するためのポイントについてご紹介しました。2024年から適用される病院の働き方改革に対応するためにも、ぜひ参考にしてください。
病院にオススメの勤怠管理システムについても解説したので、これから導入するツールを決める人はシステムの特徴を把握してから選定を行いましょう。導入するときは、利用可能人数や運用コストも把握することがオススメです。
これから病院を含めた多くの企業で、勤怠管理システムを導入して業務効率化が行われることも予想されるため、導入を検討してみましょう。
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