
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
労働人口の減少が続く日本では、社員一人ひとりの生産性を高め、業務の効率化ができなければ、企業が生き残れなくなると危惧されています。
そこでオススメするのがタイムマネジメントです。タイムマネジメントを行うことで、社員一人ひとりの生産性を高め、業務を効率化することができるでしょう。
本記事では、タイムマネジメントの意味から、実際にタイムマネジメントを行う方法まで詳しく解説しています。
目次
タイムマネジメントとは時間管理ではない
タイムマネジメントを日本語に直訳すると時間管理となりますが、ビジネスで用いられるタイムマネジメントは時間管理という意味ではありません。
タイムマネジメントとは、業務を効率化して生産性を高めるために、社員一人ひとりの仕事をする能力に着目し、管理することを意味します。つまり、タイムマネジメントの本質は時間を管理することではなく、社員一人ひとりの仕事を管理することなのです。
タイムマネジメントは製造業の業務改善に必要不可欠

製造業が自社の業務改善を行う場合、業務改善の手法としてタイムマネジメントを行うことは必要不可欠です。
総務省による「令和4年版情報通信白書」の「生産年齢人口の減少」によると、日本国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)は、1995年をピークに減少の一途を辿っています。将来的には更なる減少が予想されており、労働人口の減少は重大な社会問題となっているのです。
*参考:生産年齢人口の減少|総務省
労働人口の減少は、タイムマネジメントの必要性と強く関わっています。労働人口が減少すると、社員一人あたりの生産性を高めなければ、今と同じ生産効率を維持することはできません。
具体的には今まで1つの仕事を1人が1時間で終わらせていたところを、労働人口が減少すると、2つの仕事を1人が1時間で終わらせなければならなくなるのです。
タイムマネジメントによる業務改善を行うことで、限られた時間と人数のなかで、一人ひとりの生産性を最大限高めることができます。将来的に労働人口が減少したとしても、一人ひとりの生産性が高まっているので、その影響を最小限に留められるのです。
製造業がタイムマネジメントを行うメリット3選
製造業でタイムマネジメントを行うことは、業務を改善するために必要不可欠です。
具体的にタイムマネジメントを行うことで得られるメリットは以下の3つです。
- 業務を効率化することができる
- 残業時間を削減することができる
- 社員のスキルアップができる
業務を効率化できる
タイムマネジメントを行うことで業務を効率化できます。なぜなら、タイムマネジメントを行う目的が、効率的に業務を進めるために自分の仕事をコントロールすること、すなわち複数の業務に優先順位をつけて進めていくことだからです。
タイムマネジメントができていない人の場合、複数の業務のうち、どれから手をつければいいのかわからないでしょう。そのため、手当たり次第に業務を行うため、非効率な進め方になってしまいます。
一方、タイムマネジメントができている人は、限られた時間のなかで、生産性を最大限高めるためにはどう自分の仕事をコントロールすればいいかわかります。自分の仕事をコントロールすることができるので、結果的に業務を効率よく進めることができるのです。
残業時間を削減することができる
限られた時間のなかで、効率よく業務を進めることができるようになるので、残業時間を削減することができます。社員にとっても、プライベートの時間が増えてリフレッシュすることができ、仕事をさらに効率的に進めることができるという好循環が生まれるでしょう。
また、残業時間を削減することで、人件費やエネルギー費などの生産コストも削減することができるので、企業側としても大きなメリットがあります。
社員のスキルアップができる
タイムマネジメントを行うことで、短時間で業務をこなせるようになるだけでなく、重要度の高い業務と低い業務の振り分けができるようになるため、社員一人ひとりのスキルアップにつながります。
また、今まで業務をおこなうために使っていた時間が空くようになるので、社員が新しいことに取り組む時間を作ることができます。新しいことに取り組み、スキルや知識をさらに磨くことで、社員一人ひとりの価値が高まっていくことでしょう。
製造業におけるタイムマネジメントのやり方
タイムマネジメントをおこなうときは、「とりあえずやってみよう」となんとなく進めるのではなく、順序よく進めなければタイムマネジメントの効果は出ません。
タイムマネジメントは以下の手順で行うようにしましょう。
- やることを洗い出す
- 工数を確認する
- 優先順位をつける
- 目標設定する
- 実行に移す
- 振り返りをする
やることを洗い出す
まずは、やることの洗い出しを行います。やることを洗い出す目的は、日常どのような業務に、どれくらいの時間がかかっているか把握することです。
やることを洗い出すときは、1週間や1ヵ月の業務内容を全て細かく書き出して、業務の一覧を作成します。一つひとつの業務を細かく書き出すことが重要です。そして、それぞれの業務に、どのくらいの時間が掛かっているのかを記入していきます。
業務の流れも詳しく書き出すことができると、どの業務にどれくらいの人数が関わっているか把握できるので効果的です。やることを洗い出し、業務内容の見える化をしていきましょう。
工数を確認する
業務内容の見える化をしたら、工数の確認を行います。工数の確認とは、業務を終わらせるために自分が想定している時間と、実際に掛かる時間のズレを把握することです。
業務の一覧をもとに、1週間業務を行い、実際に掛かった時間を記入していきます。想像しているよりも短い時間で終わった業務と、長く時間がかかっている業務があるはずです。これこそが工数のズレです。
一覧には、もともと記入してある予定時間と実際に業務を行った時間が記入されます。結果として、想定より時間が掛かる業務と、時間の掛からない業務の見える化ができるのです。
優先順位をつける
次に、業務の優先順位をつけましょう。優先順位をつけなければ、何から手をつければいいかわからないので、非効率な進め方になってしまいます。優先順位をつけることは重要です。
優先順位は重要度と緊急度で順位付けします。重要度も緊急度も高い業務は最優先で行わなければなりません。逆に、重要度も緊急度も低い業務は、最後でも問題ないでしょう。また、重要度と緊急度では、重要度の高い業務の方が優先されます。
業務の優先順位をつけ、何から取り組むべきなのかを明確にしましょう。
目標設定する
業務に優先順位をつけたら、次は目標設定です。個々の業務で、納期など具体的な目標を設定しましょう。細かな目標を立てて、やるべきタスクの詳細が明確になるほど後のタイムマネジメントの振り返りがしやすくなります。
また、目標があることでモチベーションにつながるという効果も期待できます。
しかし、あくまでも業務に時間をかけるべきなので、目標設定には必要以上の時間をかけないようにしましょう。優先順位の高いタスクから設定すると効果的です。そして、無理のない目標設定をしてください。無理な目標設定をした場合、少し綻びが出ただけで、全ての計画が狂ってしまいます。
目標設定をするときは、優先順位の高いものから、無理のない目標を設定することを心掛けてください。
実行に移す
目標設定をしたら、実行に移しましょう。1週間、1ヵ月と目標設定通りに業務を行います。実際に業務を行ってみると、設定した目標通りにいかない場合もあります。
具体的には、現実に即した工数の設定で問題ないか、優先順位通りの業務遂行で問題ないか、結果として目標は達成できているかを確認します。目標通りにいかなかった場合は、一覧に目標通りにいかなかった理由を記入しましょう。
振り返りをする
タイムマネジメントをより効果的なものにするために振り返りをしましょう。
もしどこかに問題が見つかった場合は、やることを洗い出すときに粗があった、工数の確認が現実に即したものではなかった、優先順位が間違っていた、目標設定に穴があり抜けている箇所があったなどが考えられます。再度手順を見直して目標を達成できるよう改善するようにしましょう。
計画を実行に移して見えてきた問題のどこを修正すべきか考え、具体的な改善策を決めて実行に移すというプロセスを繰り返すことで、タイムマネジメントはより効果的なものとなるのです。
まとめ|タイムマネジメントを上手に行って業務を効率化しよう
業務を効率よく進めるために、タイムマネジメントは必ず必要となるものです。タイムマネジメントとは時間の管理ではなく、限られた時間のなかで、いかに効率よく業務を行うことができるか管理するものです。
これから減少していくと想定されている労働人口をカバーするためには、一人ひとりの生産性を高めていくしかありません。一人ひとりの生産性を高めなければ、現在の生産効率を維持できないからです。
タイムマネジメントは、社員一人ひとりの生産性を高めるために非常に効果的なものなのです。また、企業側からしても社員のスキルアップやコスト削減などを期待できます。
ただし、タイムマネジメントの計画を立てて満足し、そこで止まってしまうことのないようにしましょう。確かにタイムマネジメントの作業は、ある程度労力がかかる作業です。そのため、タイムマネジメントの計画を立てて満足してしまう場合があります。
タイムマネジメントはあくまで目標を達成する手段なので、実現したい目的について常に意識するようにしましょう。
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