
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
自治体でのテレワーク導入には、業務における柔軟性や効率性の向上、地域社会への貢献など多くのメリットがあります。しかし、現在は全体の64.3%が導入に踏み出しているものの、実施率が28.1%にとどまるとの調査結果もあります。
この記事では、自治体におけるテレワークの現状や課題、さらには導入のメリットを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
自治体におけるテレワークの実施率は?

テレワークを導入している自治体は、2022年10月1日時点で1150自治体と全自治体の64.3%を占め、2020年10月1日時点の406自治体22.7%と比べると、約3倍に増加しています。一方で、導入後実際にテレワークを実施している自治体の割合は、2021年10月時点内閣府調査によると、全国平均で28.1%に留まっているのが現状です。
都内の企業における従業員30名以上の企業におけるテレワーク実施率は、2023年3月時点で51.6%であることから、その割合と比較しても自治体は企業の約半分程度しかテレワークを実施していないことになります。では、なぜこれだけの差が生まれるのでしょうか。次項以降でさらに詳しくみていきましょう。
テレワークにおける課題は?
テレワークにおける課題は多岐にわたります。具体的には次の通りです。
テレワークの導入にあたって重要なのは、第一に情報セキュリティの確保です。テレワークは個人のネットワークを使用するため、情報漏洩やハッキングのリスクが生じてしまいます。そのため、自治体は個々のセキュリティを強化し、職員のデータの保護を徹底する必要があるでしょう。
また、コミュニケーションにおける課題も解消しなければなりません。オフィス内では職員同士のコラボレーションや問題解決が比較的容易ですが、リモート環境ではこれが困難な場合があり、業務効率の低下も懸念されます。
そのため、テレワークにはさまざまなテクノロジーやソフトウェアの導入が重要です。コミュニケーションツールやタスク管理システムを整備し、テレワークを取り入れやすい環境を整えましょう。
さらに、重要な情報の共有とアクセスについても配慮が必要です。オフィス内での情報共有がリモートワークにおいてもスムーズに行えるよう、データへのアクセス手段を整備し、情報共有を円滑に行えるようにしなければなりません。
これらのテクノロジーを導入する際、職員への教育が必要不可欠です。慣れれば役立つテクノロジーやソフトウェアを導入しても、すぐに使いこなせるわけではありません。誰でも使いこなせるよう導入前に職員に対して使用方法などのトレーニングの提供が必要でしょう。
一方、従業員のモチベーションと健康についても考慮しなければなりません。自宅での仕事は孤独感やストレスを感じてしまったり、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。職員のメンタルヘルスに気を配り、ワークライフバランスが崩れないように配慮しましょう。
自治体でテレワークをすることのメリット

テレワークは、多くの企業や自治体において現代の労働スタイルの一つとして急速に広まっています。柔軟な働き方は、優秀な人材の確保と定着にも貢献するとも言われており、テレワークは注目度が高い働き方ともいえるでしょう。ここではテレワークのメリットについてご紹介します。
テレワークの最大のメリットは、時間とコストの節約ができる点です。とくに通勤時間が削減できる点は大きく、一日の時間を有効に過ごせます。移動時間を家族や趣味などの時間にあてられるため、ストレスの軽減や健康増進にも貢献するでしょう。
また、仕事場についても自宅や近隣のカフェなど自分のやりやすい環境を設定できるため、業務の生産性が向上し、効率的な業務遂行が期待できます。このような改善は、職員のモチベーションを高め、より満足度の高い働き方を実現できます。
災害対応力の強化もテレワークの利点の一つです。災害時にはオフィスへの出勤が難しい場合がありますが、テレワークでは業務の継続が可能であるため自治体の機能を維持でき、ビジネスコンティニュイティ(事業継続性)の向上が期待できます。
さらに、テレワークは環境にも配慮した働き方ともいえるでしょう。通勤の削減により、交通量やCO2排出量の削減に貢献します。地域社会における環境保護に積極的な役割を果たせます。
自治体でテレワークをすることのデメリット
自治体でテレワークを導入することには、多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも考慮する必要があります。以下に、自治体職員がテレワークに興味を持つ際に留意すべきデメリットをわかりやすく説明します。
まず、コミュニケーションに制約があることです。オフィス内でのコミュニケーションがリアルタイムで行えるのに対し、テレワークではコミュニケーションが遅れる場合があります。電子メールやチャットツールを使用しても、直接会話するほどのスムーズなやり取りを行うことは難しいでしょう。
次に、仕事とプライベートの境界が曖昧になることです。自宅で仕事をすることで、仕事とプライベートの境界が曖昧になる可能性があります。
仕事の時間が増え、リラックスや休息の時間が不足することがあります。逆に、自宅という環境で集中力が持たず、生産性が落ちてしまう可能性もあります。
さらに、セキュリティ侵害のリスクも増加します。自宅など外部の場所からネットワークにアクセスする場合、情報漏洩やセキュリティ侵害のリスクが増えます。情報の厳重な管理とセキュリティ対策を行わなければなりません。
これらのデメリットはテレワーク導入に際して留意すべき点ですが、対策を講じることでデメリットを最小限に抑えることが可能です。テレワークの導入には適切なルールやガイドラインの策定、コミュニケーション手段の充実、モチベーション向上の取り組み、セキュリティ対策の強化などが必要となります。デメリットとメリットをよく理解した上で、柔軟で効果的なテレワーク環境を構築することが大切です。
テレワークを導入する際の注意点

テレワークを導入する際の注意点はいくつかあります。まず、職場以外の場所でもスムーズに業務を行えるよう、作業環境を整備することが重要です。中でも業務進行において、コミュニケーションをとるためのチャットツール、ハードウェアやソフトウェアの整備、書類のペーパーレス化などは必要不可欠でしょう。
また、これらのデジタルツールを使う場合、情報セキュリティ対策を十分に行う必要があります。テレワークをする際は、多くの場合、個人の端末やネットワークを使用します。重要な情報が外部に漏れることのないよう、暗号化やアクセス制限などでセキュリティ面の対策を徹底することが重要です。
一方で、各職員の業務への取り組み方、メンタル面の管理も配慮する必要があります。自宅では仕事時間とプライベートの境界が曖昧になりがちです。職員が適切に休息を取っているか気を配るようにしましょう。
テレワークの実施においては、従業員のメンタルヘルスをサポートすることも大切です。孤立感やストレスが発生する可能性があるため、相談窓口の設置や福利厚生の充実を検討しましょう。
これらの注意点を踏まえ、ルールを策定し、テレワークを導入することをオススメします。業務の効率化や従業員の満足度向上に向け、ぜひ導入を検討してみてください。
自治体でテレワークを導入する手順
自治体でテレワークを実現するためには、以下の手順を追って進める必要があります。
事前準備
まず、テレワークの導入に向けて意見交換や調査を行い、その有用性を評価します。さらに、職員への理解を得るために情報セミナーや研修を開催し、テレワークに関するマニュアルを整備します。
システムの整備
テレワークを円滑に進めるために、オンライン上で稟議書申請やドキュメント共有ができるシステムを整備します。情報セキュリティ対策も十分に講じ、情報漏洩のリスクを最小限に抑えなければなりません。
職員の選定と訓練
テレワークが適している職種や職員を選定し、どのように取り入れるかを検討しましょう。選ばれた職員にはテレワークの適切な方法やルールについての訓練を行い、円滑なテレワークの実施を支援します。
テレワークの実施
準備が整ったら、テレワークを段階的に実施します。最初は一部の職員に限定して試験的に実施し、運用上の課題や改善点を洗い出すとよいでしょう。その後、段階的に全職員を対象に広げていきます。
効果の評価と改善
テレワークの導入後は、効果を定量的・定性的に評価します。生産性や効率の向上、通勤時間の削減などの効果を把握しますが、同時に問題点の洗い出しも重要です。この評価結果に基づいて、必要な改善策を検討し、適宜改善を行います。
継続的な運用
テレワークの導入は一時的な取り組みではなく、継続的な運用が重要です。職員のフィードバックを収集し、システムやルールの更新・改善を行いながら、テレワークを地域のワークスタイルとして定着させることを検討しましょう。
まとめ|自治体もテレワークの導入を検討してみよう
この記事では、自治体におけるテレワーク実施率や課題、メリット・デメリット、注意点、テレワークの導入手順について解説してきました。新型コロナウイルスによって、社会全体の働き方も変わってきています。自治体でもテレワークを導入し、さらに効率よく仕事ができるように、作業環境を整えていきましょう。
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