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こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
オンボーディングとは、新入社員がいち早く業務に馴染んでもらい、企業にとっての戦力化をはかる施策のことです。用語の由来は、英語の「on-boad」、つまり「乗り物に乗っている」ことを意味する言葉から派生したものです。
日本においては比較的最近になって使われるようになった概念ですが、海外では広く知られている概念です。
海外では、その有用性が認められ、多数の企業で採用されています。
では、なぜ日本においてもオンボーディングが用いられるようになったのでしょうか?
オンボーディングの必要性とは?
今や、新入社員が3年以内に退職してしまうことも珍しくありません。そのため、各企業には、新入社員に早期に戦力になってもらいつつ、可能な限り長く務めてもらうような施策が求められています。
そこで、現在注目されているのがこの「オンボーディング」です。
既存の概念として「OJT」がありますが、こちらは入社後数か月の研修のみを指すことも多く、オンボーディングとは異なります。
一方でこの「オンボーディング」は、比較的長期にわたって新入社員をサポートし、戦力化・成長化させることで企業に貢献してもらうという観点で「OJT」とは異なります。
1日でも早い戦力化
企業としても、即戦力としての新入社員を求めるならば、可能な限り彼らをサポートし業務をこなせるようになる環境づくりが必要です。入社後数か月のOJTだけでは、仕事に必要な知識や考え方を全て習得するのは困難です。知識や考え方が一人前でないままに仕事を勝手に実施させていても、効率の悪い方法を誰からも指摘されないまま能率が上がらない結果になりかねません。
実際に、入社して半年経過した社員が、ショートカットキーの「Ctrl + c」を知らないという状況もあり得ます。
これは極端な例ではありますが、必ずしも新入社員が悪いとは言い切れません。新入社員からすると、効率が悪い方法をとり続けていることを誰も教えてくれない環境、と言えます。
離職リスクの低下
先ほどショートカットキーの例を出しましたが、新入社員としても、効率の良い方法を伝授してもらえる環境のほうが良いと考えます。仕事の知識をいち早く身に着け、彼らが成果を上げていければ、仕事のモチベーションにも繋がります。
そうすると、彼らの自己肯定感が高まり、「仕事を教えてくれないから辞める」「成果を上げられず憂鬱なので転職を考える」といった状況になりにくくなります。新入社員の離職率が低くなることは、採用活動に対するコストの削減・採用という投資に対してのリターンが大きくなることを意味します。
従業員のパフォーマンス向上
新入社員の戦力化が早まることのメリットは、経営者や新入社員にとってだけではありません。若手社員や中堅社員としても、彼らに今の仕事を任せることができ、自身は更にスキルや経験が求められる業務に挑戦する機会を得られます。
また、成長する後輩に追い抜かれないよう、業務スキルを向上しようというモチベーションになります。
そうすると、チームとしての雰囲気も良くなり、全体のパフォーマンス向上が見込めます。
効果的なオンボーディングを行うポイント3点
実際にオンボーディングを効果的に実施しようと考えても、土台が無ければ施策は成功しません。新入社員のオンボーディングを進めるには、制度や環境の整備が不可欠です。以下では、オンボーディングを効率的に行うために必要な3つのポイントを説明します。
教育制度の充実
まず、新入社員が業務に馴染むためには、教育が不可欠です。今の時代は、「先輩の背中を見て育て」「そのようなことは自分で考えろ」という考え方は古すぎます。即戦力になることを求めるならば、企業側も、新入社員が効率的にスキルを身に着けられる制度を整える必要があります。
例えば、先輩社員が新入社員の指導を行う「メンター制度」もその一環と言えます。
他には、
- 業務遂行にあたって必要なことは可能な限りマニュアル化する
- 教育を行う際のカリキュラムを整備する
- 定期的に成果を見て、教育内容の見直しを行う
といった事項が挙げられます。
コミュニケーションの土壌整備
コロナ禍もあり、テレワークが主流となっている現在、入社してから一度も出社していないという状況もあります。
そのような中、新入社員が、先輩社員や上司に相談しづらい状態になってしまっていると、新入社員の不安が大きくなりがちです。
対面で会える状況が少なくなっている状況でこそ、気軽に相談可能な環境を整える必要があります。例えば、格式ばったメールでの連絡だけではなく、チャットツールを導入することも効果的です。業務で利用するメールとは混同せず、かつメッセージの通達がメールと比較するとスムーズです。そのため、メールや電話をするよりも相談を比較的気軽に出来るようになります。
具体的な目標設定
新入社員のモチベーションと自己肯定感を高めるには、現実的で具体的な目標を、段階的に定めていくと効果的です。例えば営業職であれば、最初の目標で「個人売り上げを1億達成せよ」と設定されても、とても達成できるとは思いませんよね?
現実的ではない目標を設定されてしまうと、「まだ業務に慣れていないのに」「達成できなかった場合どうなるのだ」とネガティブな考え方になってしまいがちです。それでは、新入社員のモチベーションが上がらず、企業にとっても結局戦力化が遅れてしまう結果となります。
そのために、短期的な目標を、現実的な尺度で設定する必要が出てきます。
業務における目標には、「SMART」を満たす目標を設定します。
SMARTとは、以下の5つの単語の頭文字をとったものです。
- Specific (具体的である)
- Measurable (測定可能である)
- Achievable (達成可能である)
- Relevant (目標と関連性がある)
- Time-Bound (期限がある)
これらのポイントを満たす目標を設定すれば、達成を目指して新入社員が業務を覚える活力となります。かつ達成し企業に貢献できている実感を与えられれば、彼らのモチベーションを維持しつつ、企業の業績アップを見込めます。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?オンボーディングは、企業にとっても新入社員の早期戦力化・離職の防止というメリットがあります。それに加えて、新入社員にとっても、自己肯定感とモチベーションを高めることが可能です。
現在行っているようなただのOJTだけではなく、オンボーディングという形で新入社員を育てる仕組みを整えれば、業務効率を改善することができます。
「OJTを終えた新入社員があまり成果を出していない」と感じるのであれば、まずはオンボーディングを実施できる仕組みを整えることをご検討ください。一部の社員だけではなく、全社員にご協力いただく必要のある施策ですが、新入社員の早期戦力化は成果につながります。
オンボーディングに効果的なグループウェアの紹介
オンボーディングを行う土壌として、グループウェアを導入すると効果的です。誰が、いつ、どのような予定があるのかが一目で分かるため、相談するタイミングが分かりやすくなります。また、チャットツールも兼ね備えており、活発なコミュニケーションを行うことができるプラットフォームです。新入社員が、先輩社員と迅速なコミュニケーションを行うことができます。
また、テレワークの導入の強い味方でもあります。テレワーク中心になり、中々対面でのコミュニケーションが取れない、誰がいつ何を予定しているのかが分からない、という問題も解決します。
スケジュール管理のことなら、私たちにご相談ください。
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