
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
病院は交代勤務や残業が多いため、勤怠管理に手間と時間のかかるケースが多くあります。管理する立場にある人は、従業員の労働時間を正確に把握することが義務ともいえます。タイムカードを設置していない病院がいくつもあるなかで、この状態が違法になるのかどうかを解説します。
ほかにもこの記事では、勤怠管理で違法となる場合や勤怠管理システムを導入するメリット、オススメの勤怠管理システムについてご紹介します。勤怠管理システムは多くの企業からサービスが提供されているため、導入前に確認してみてください。
目次
タイムカードのない職場は違法?
タイムカードとは、始業時間と終業時間などを記録するカードのことで、従業員の就業時間を把握するために多くの企業で使用されています。タイムレコーダーにカードを通すタイプのものを取り入れている企業が多く、イメージしやすいでしょう。
このようにタイムカードは労働時間の管理に便利なツールといえますが、設置していない場合に必ずしも違法となるわけではありません。
労働安全衛生法において、管理者は従業員の労働時間を把握することが義務付けられています。しかし、この法律ではあくまで労働時間の管理が義務付けられているのであって、ほかの方法で労働時間を把握していれば問題ないのです。
また、管理者には過去5年間の従業員の労働時間の把握が義務付けられています。時間外労働の時間などについて把握できていないと、従業員との賃金未払いトラブルにもつながるおそれがあるため、注意が必要です。
勤怠管理に関して違法となるパターン
一方で、タイムカードを導入していたとしても、杜撰な管理を行うと違法になる場合があります。違法行為が発覚した場合には、罰則を課せられるため注意が必要です。どのようなことが違法行為となるのか、それぞれ確認しておきましょう。
従業員による改ざん
当然のことながら、就業時間の改ざんは不正行為にあたります。とくに時給制で給料を支払っている場合、従業員が就業時間を傘増しして改ざんを行うケースもあるでしょう。
また、業務が終わっているにもかかわらず、わざと退社時間を調整して残業時間を余分につけたり、ほかの人にタイムカードを打刻してもらうといった事例もあります。このような改ざんを防ぐためには、就業規則などで罰則を定めることもオススメです。
管理者による改ざん
就業時間の改ざんは、残業代を支払いたくない企業側の立場である管理者によって行われることもあります。残業代を支払わない行為は労働基準法違反にあたり、懲役刑や罰金刑が科されます。
また、こういった懲罰に加え、最大で従業員に対して本来支払うべきだった残業代の2倍の金額を請求される可能性もあります。改ざんの意志がなくとも残業時間を1分単位で正確に記録しておかないと同様にみなされることもあるため、精度の高い管理が求められます。
タイムカードから勤怠管理システムへの変更がオススメ

前述のような労働時間の改ざんなどのトラブルを防ぎ、適切な勤怠管理を行うには「勤怠管理システム」の導入がオススメです。勤怠管理システムは、ITを利用したクラウド型のシステムをいいます。入力や不正を減らし、適切な勤怠管理を行うためにも、タイムカードから勤怠管理システムへの変更を検討するとよいでしょう。
勤怠管理システムを病院に導入するメリット
勤怠管理システムを病院に導入するメリットは、
- スマホやタブレットからも打刻が可能
- 正確な労働時間の把握
- データ集計が簡単になる
- シフト作成も可能
といった点が挙げられます。それぞれ解説しますので、導入前に確認しておきましょう。
スマホやタブレットからも打刻が可能
勤怠管理システムを導入することで、スマホやタブレットからの打刻が可能になります。複数のデバイスから打刻できるため、タイムカード待ちの渋滞もなくなるでしょう。
また、生体認証システムを採用している勤怠管理システムでは、打刻間違いや不正打刻の防止も可能です。訪問看護などで病院外で業務を行う場合でも、GPS機能を利用すれば正確に労働時間を管理できるでしょう。
正確な労働時間の把握
勤怠管理システムを導入すると、正確な労働時間の把握が可能です。リアルタイムに労働時間の管理もできるため、管理者も勤怠状況を随時確認でき、長時間労働の抑制にもつながります。
また、従業員ごとの勤怠状況に限らず、部署単位での残業時間の管理も一目でできるようになります。人員が不足して、残業時間が偏っているといった部署も把握しやすくなるため仕事量の均等化もスムーズになるでしょう。
データ集計が簡単になる
勤怠管理システムでは、勤怠状況の集計を自動で行えます。集計したデータを給与計算ソフトと連携することで、転記ミスや入力ミスなどのヒューマンエラーが減り、給与計算や有給管理なども効率的にできるようになるでしょう。他にもワークフロー機能を利用すれば、勤怠管理システムによって残業時間の申請が可能です。
シフト作成も可能
勤怠管理システムには、シフト作成機能を搭載しているものもあります。病院では交代制や変形労働時間制といった複雑な勤務形態を採用している場合もありますが、この機能があればシフト作成を自動で行なってくれるため、業務時間の短縮にもつながります。バックオフィス業務の負担を減らすためにも、勤怠管理システムの導入がオススメです。
オススメの勤怠管理システム8選
ここでは、病院で導入する場合にオススメの勤怠管理システムをご紹介します。病院での業務における課題や改善点を明確にしたうえで、使いやすいシステムを選ぶことが大切です。無料期間や無料プランを設けているシステムもあるため、試験的に使用してみるのもよいでしょう。
クロジカスケジュール管理
クロジカスケジュール管理は、スケジュール管理やワークフロー機能が特徴の勤怠管理システムです。打刻方法もさまざまな種類から選択でき、集計作業も自動でおこなえます。
料金は、初期費用が無料で月額600円〜/ユーザーの運用コストがかかります。年間契約をすれば月額500円に抑えられるため、長期間にわたって使用を考えている場合は年間契約も検討するとよいでしょう。
ジンジャー勤怠
ジンジャー勤怠は、多機能が搭載されている点が特徴とされる勤怠管理システムです。勤怠状況の集計や自動シフト作成機能、複数拠点の勤怠情報をリアルタイムに管理できるなど多くの機能を利用できます。打刻機能もWeb打刻やスマホアプリ打刻、ICカード打刻などを搭載しているため、各病院にあわせた方法が選択可能です。
利用料金は、初期費用に加え月額400円〜/ユーザーがかかります。月額料金は利用するサービスによって変動するため、あらかじめ必要なサービスを選別して、申し込むようにしましょう。
Touch On Time
Touch On Timeは、複雑な勤務形態にも対応できる勤怠管理が特徴的なシステムです。病院での勤務形態にも問題なく対応し、勤務時間の自動集計やCSVデータでの出力も可能であるため、給与計算などもスムーズにおこなえるでしょう。一方で、スマホを利用した打刻機能には対応していないため、外出先での業務が多い場合は注意が必要です。
料金は、初期費用は0円、月額300円〜/ユーザーとなっており、すべての機能がこの料金で利用できます。30日間の無料トライアルもあるため、できるだけコストを抑えたい病院にオススメの勤怠管理システムです。
ADVANCE勤怠クラウド
ADVANCE勤怠クラウドHospital Editionは、GPS打刻や複雑なシフトにも対応できる勤怠管理システムです。「様式9」での帳票出力も可能で、有給休暇取得状況や勤務月報などのデータもこのシステムから確認できます。
利用料金は、利用人数や導入形態によって異なります。正確な料金を把握したい場合は問い合わせが必要になるため、資料請求とあわせて行うとスムーズでしょう。
KING OF TIME
KING OF TIMEは勤怠管理を得意とするシステムで、リアルタイムに従業員の勤怠管理を行うことが可能です。従業員はシステムから勤務希望時間を設定でき、その時間を超過したらアラームが発信される機能も搭載されています。
インターネット環境さえあれば、勤怠データをいつでも確認できるため、管理者は正確な勤務状況を把握できるでしょう。複数拠点のある医療機関でも、使いやすいシステムです。
利用料金は、月額300円〜/ユーザーのランニングコストが必要となりますが、初期費用は無料です。ワンプライスですべての機能が使えるシンプルな料金システムのため、コスト計算も簡単に行えます。
かえる勤怠管理 医療
かえる勤怠管理 医療は、医療現場にあわせたシフトを自動で作成できる勤怠管理システムです。日勤や夜勤などのシフトやさまざまな職種のシフト作成、さらにはシフト表と勤務実績の比較も可能なため、適切に人員配置を行えます。打刻方法もさまざまな選択肢があり、ICカードやスマホ、FAXなどの方法が選べます。
料金は、初期費用がかからず、月額7,500円〜/拠点の費用が必要です。訪問先用打刻アプリを導入する場合は、別途利用料金が必要であるため注意しましょう。1拠点の従業員の多い病院などは、ほかのシステムよりもお得に利用できる可能性があります。
ジョブカン勤怠管理
ジョブカン勤怠管理は、複雑なシフトパターンに対応できる勤怠管理システムで、シフト作成や勤務時間の集計などが自動で行えます。スマホ用アプリの「ナースのシフト管理」も無料で利用できるため、従業員との情報共有も可能です。
料金は、初期費用は0円で基本的には月額200円〜/ユーザーのランニングコストが必要です。ほかのシステムを組み合わせると、ユーザーあたりの利用料金が上がります。医療機関向けのセットプランや、無料プランも用意されているため、病院に必要な機能を見極めてから導入するようにしましょう。
ICタイムリコーダー
ICタイムリコーダーは、打刻方法を多様に選べる勤怠管理システムです。スマホやパソコンからの打刻方法を選択すれば、タイムレコーダーやタイムカードなどの消耗品も不要です。コストの低さも魅力のシステムで、ほかの勤怠管理システムと比較してもリーズナブルに利用できます。
料金は、初期費用は0円で月額200円〜/ユーザーの運用コストがかかります。無料トライアルも1か月ついているため、この期間に実際に導入するかどうかを検討するとよいでしょう。
まとめ|タイムカードをなくして業務効率化をしよう
この記事では、勤怠管理で違法となる事例や勤怠管理システムを導入するメリット、オススメの勤怠管理システムについてご紹介しました。タイムカードがなくても、勤怠管理ができていれば違法にはなりません。
病院の業務効率化を行うためにも、ぜひ勤怠管理システムの導入を検討してみましょう。導入するときは、勤務を行ううえでの課題を明確にして選定することがオススメです。
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