
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
情報共有が円滑にできれば業務の効率化に加えて、企業全体の生産性の向上に期待できます。情報共有の円滑にする方法はさまざまですが、情報の共有方法を「アナログ」から「デジタル」に転換するのがポイントです。
しかし、予算の関係等でアナログな方法で情報共有を円滑にするしかないという方も少なくないでしょう。そこで本記事では、アナログな情報共有方法で効率化させる方法をご紹介しています。
目次
アナログな情報共有3選
アナログってどういうこと?
「アナログ」の本来の意味は、「時間」などの連続した量を、「針の角度」といった別の連続した量で表すことを指します。アナログと対をなす言葉が「デジタル」で、例えば本来連続した量である「時間」を「1:00」というように数字で表す方式、といえばわかりやすいでしょう。
私たちが生活の中で「アナログ」と言う場合、「進んでいる」「合理的」な「デジタル」に比べて「遅れている」「非合理的」な「アナログ」という意味合いが含まれると感じられている方も多いのではないでしょうか。
例えば、機械を駆使したスマートな仕事に比べて、人間がその肉体を使って行う泥臭い仕事を指したり、手書きのような効率の悪い仕事の仕方を言ったりします。このように、アナログはネガティブな意味合いで使われる傾向がありますが、情報共有の場面では紙媒体や電子媒体でも手作業的意味合いが強いなど、ネガティブにもポジティブにも捉えられることがあり、そういった意味では二面性があると言ってよいでしょう。
本章では、電子媒体による情報共有において、どちらかといえばアナログとされるツールについて、その活用方法を見ていきたいと思います。
アナログな情報共有3つの方法
アナログな情報共有と聞けば、多くの方は紙媒体をイメージするでしょうし、人によってはホワイトボードや回覧板をイメージするかもしれません。これらは最もオーソドックスなアナログ情報の手段と言えます。
その後のパソコンの普及に伴い、Windows製品に代表される様々なソフトウエアが使われるようになり、今ではCRM(顧客関係管理システム)、SFA(営業支援システム)といった情報共有ツールが普及するようになってきました。
こうした情報共有ツールの中でも、パソコンを使っているほとんどの方が経験されている、メール、ファイル共有、エクセル・ワードといったソフトウエアは、いまやアナログの情報共有手段といってもいいでしょう。
本章においては、これらの3つをアナログな情報共有と定義して、その活用方法について説明していきたいと思います。
メールの工夫
・CCとBCCを使い分け社内に共有
まずは、メールを活用した情報共有について見てみましょう。誰かにメールを送る際に、同時に複数の関係者にも送っておくことで、情報共有する方法です。特に、社外の相手にメールするときには、社内の関係者も宛先に含めておくことで、自分の仕事の報告にもなりますし、備忘録の代わりにもなります。
メールを送る場合、TOの欄に目的である宛先を書き、共有しておきたい社内の関係者などはCCの欄に書きます。CCはCarbon Copy(カーボン・コピー)の略で、共有したい相手を示しています。部下が取引先へのメールを送る際に、CCの欄に上司を含めるのは、スマートな方法といえるでしょう。
なお、宛先としてBCC (Blind Carbon Copy(ブラインド・カーボン・コピー))という欄もありますが、これはメールを共有していることを、相手に知られないほうがよい者に情報共有する場合に使用する欄で、ここに書いたメールアドレスは、相手には見えないようになっています。
例えば、上司が、取引先にまだ紹介していない部下にも情報共有する場合などが考えられます。
・情報共有目的のメーリングリスト作成
メールを送るたびに、情報共有する関係者のメールアドレスをCCやBCCに打ち込むのは面倒なものです。特に、毎回情報共有したいメンバーが同じ場合には、情報共有を目的とした「メーリングリスト」と呼ばれるメールアドレスを作成しておくと便利です。
情報共有したい複数のメンバーのアドレスを、メーリングリストのアドレスと紐づけておくことで、メーリングリストのアドレスひとつ入力しておけば、紐づけされたメンバー全員のアドレスにメールが届きます。これによって、入力の手間が省けますし、なにより情報共有漏れを防ぐことができます。
・outlook予定表で全員の詳細が確認できるよう設定
よく使われるメールソフトのoutlookを活用した、個人の予定の情報共有について紹介しましょう。outlookの予定表は、他のユーザーが予定の詳細を確認できる設定にしておくことで、社内の上司や部下、同僚が自分の予定の詳細を見ることができます。
予定の詳細が確認できないと、何か予定が入っていることは分かっても、その内容がわかりませんので、直接本人に聞かないと、自分と関係のある作業なのか、スケジュール調整の必要があるのか、など業務にとって重要なことがわからない、ということになります。
本人としては常に詳細が確認できている状態なので、他の人が困っていることに気づきにくいため、注意するようにしてください。
ファイルの共有
・ファイルを検索しやすい命名ルール
情報共有において、ファイルの共有も極めて重要な作業の一つです。ここで注意しなければならないのは、やみくもフォルダを作って、ファイルに名前をつけて格納すれば、いいというものではないということです。
大切なのは、後からそのファイルを探そうとしたとき、あるいは他の誰かがそのファイルを使いたいとき、すぐに検索ができるようなフォルダ名、ファイル名であることです。そのためには、組織としてフォルダやファイルの命名ルールを決めておくことが必要です。
例えば、フォルダやファイル名は、「部署名>業務内容>日付」という階層構造とすること、部署名は組織図の記載と合わせること、業務内容は業務分掌規程に合わせること、日付はyymmddとすること、といったようにルールを定めるようにしましょう。このルールを全員が知っていれば、いつでも簡単にファイルを探し出すことができます。
・ファイルはフォルダへ保存を徹底
ファイルを保存する場合、デスクトップにそのまま保存するのではなく、必ず関係のあるフォルダの中に保存するようにしましょう。もし、単独でどんどん保存するようにした場合、いろいろなファイルが無秩序にどんどん増えていくことになりますので、探し出すのも大変ですし、同じようなファイルが複数あっても、整理することが難しくなってしまいます。
ワード、エクセルの体裁統一
ワードやエクセルで作成したファイルでの情報共有の場合、意外に大切なのが文書のスタイルについてルールを定めるということです。例えば、文字のフォントやサイズ、数値に使用する単位、行の文字数や高さ、配色、記載する項目などを決めておくことをいいます。
各自がばらばらな体裁でワードやエクセルの資料を作成した場合、いくつもの資料に目を通す際には読みづらいですし、相互に比較して違いを見るということも難しくなります。個人個人の資料のばらつきを無くすことは、すなわち効率的に仕事をすることにもつながるのです。
営業部門に必要とされる情報共有のポイント
何よりも商談を成功させることが求められる営業部門について、どのような情報共有が求められるのか、考えてみましょう。営業部門には、売込み先に訪問の約束を取り付けるアポイント担当者と、実際に商品の説明や折衝を行う商談担当者がいます。
商談を成功させるためには、このアポイント担当者と商談担当者の間で、緊密に顧客情報の共有がなされていることが必須です。特に、アポイント担当者は顧客との窓口の役目ですから、問い合わせのあった相手に資料を提供したり、何を求めているのかを聞いたりしていますので、顧客情報を豊富に持っています。
この顧客情報を最初の接点にまで遡って共有することで、商談が成功しそうな相手を見極めることもできるようになります。ライバル会社の営業マンは、SFA(営業支援システム)やAIサマリー電話(通話内容を自動的に要約してSFA等に記録するツール)を使っているかも知れませんが、アナログでもポイントを押さえておけば、決してひけはとらないのです。
情報の種類に応じたITツールを選択する
ここまで、メール、ファイル共有、エクセル・ワードをベースとしたアナログ的な情報共有について、見てきました。さらに効率的に情報共有をすることで、より成果を確かなものにしていくために、一歩進んで便利な情報共有ツールの導入について見てみましょう。
しかし、ただ導入すればいいというものではなく、情報の内容や性格に照らして、また情報の活用の方法も考慮して、適切な情報共有ツールを選択するようにしてください。
情報は大きく二つの種類に分けられます。ひとつは短期間でその意味を失う、連絡事項やスケジュールといったフロー情報です。この情報を扱うには、関係者間での連絡を主な目的とする「チャットツール」、プロジェクトや仕事の進捗を管理する「タスク管理ツール」、スケジュールを管理する「カレンダーツール」などが考えられます。
もうひとつは仕事を通じて得られたノウハウや、長期的に活用される知識といったストック情報です。
ストック情報ツールとは
円滑な情報共有に適したツールのひとつにストック情報ツールがあります。ストック情報ツールはITツールのひとつで、「社内wiki」といった知識やノウハウ、議事録や日報といった日々の記録、各種マニュアル類といった、会社の業務にとって必要な情報を、蓄積・ストックするだけでなく、簡単に検索し活用することもできる、優れたツールです。
特に、操作画面がシンプルでわかりやすいのが特徴で、ツールに疎い方でもそれほど苦労せずに使いこなすことができます。その上、ビジネスチャットと併せて使うこともできるので、さらに効率的な情報共有が可能となります。
ストック情報ツールを使いこなすことで、業務時間の短縮、人材の有効活用、素早い意思決定と対応など、組織の課題解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。
効果的な情報共有方法の活用で、業務の効率化とよりよい組織運営を
社内での効果的な情報共有の方法とアナログな情報共有のポイントについて理解は深めれたでしょうか。
情報共有を行うことによって、仕事の生産性が向上するなど、大きなメリットがあることがわかりました。アナログな手段による情報共有でも、わかりやすいルールを設けるなど、コツをつかめば成果が得られることも確かです。
ただ、「デジタル」な情報共有のツールを活用することで、さらなる効果が得られることもまた事実です。それぞれの会社が抱える課題に合った、使いやすい情報共有ツールを選択することで、よりよい組織運営を目指してみてはいかがでしょうか。
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