
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
建設業界は多くの課題に直面しています。プロジェクト管理、資材調達、現場作業の調整など、多岐にわたる業務を効率化するためには、ワークフローシステムの導入が不可欠です。
この記事では、建設業界の企業に向けて、ワークフローシステムの選び方と、デジタルトランスフォーメーション(DX)がどのように業務を効率化できるのかをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
建設業における契約管理の課題

建設業界は、プロジェクトごとに複雑な契約関係が絡むため、契約管理が特に重要な課題となっています。建設プロジェクトは通常、顧客、建設会社、下請け業者、材料供給業者など、多くの利害関係者との契約に基づいて進行します。これらの契約には納期、品質基準、予算、リスク分担、変更要求、保証、ペナルティなど、さまざまな要素が含まれます。
しかし、従来、建設業界では契約管理が主に紙ベースで行われ、メールなどを使っていてもいくつかの課題が伴います。詳しくみていきましょう。
情報の追跡と整理の難しさ
契約に関する情報が、複数の文書、メール、ファイルなどに散らばってしまい、重要な情報がすぐに見つからないという課題があります。過去の情報を見つけるのに時間や手間がかかってしまうと、作業が遅れてしまったり、誤解を招いたりする原因となります。
リアルタイムな情報共有の不足
建設プロジェクトは、時間と品質に対する厳格な制約があるため、リアルタイムで情報を共有し、スムーズな意思決定が求められます。しかし、紙ベースの契約管理では情報を共有するのに時間がかかってしまい、適切なコミュニケーションが妨げられることがあります。
関係者間の調整
建設プロジェクトには多くの関係者がいて、契約の変更や調整が頻繁に発生します。紙ベースのやり取りでは管理が複雑になってしまうため、間違いがないようにしようとすると確認の時間も取られてしまいます。
ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムは、稟議書の申請や承認などのビジネスプロセスをデジタル化、自動化し、効率化するためのソフトウェアツールです。
稟議書が申請されたら、それに関連するタスクを生成し、担当者に通知するということを自動で行ってくれます。これにより、手作業でのプロセス管理が不要となり、手間と時間を節約することができます。
また、ワークフローシステムでは、ユーザーごとに役割や権限を設定できます。これにより、各ユーザーが自分に関連するタスクのみにアクセスし、他のタスクにはアクセスできないように制御することもできます。
さらに、リアルタイムでプロセスの進行状況を追跡することができるため、申請や承認がどの段階にあるかが明確になり、遅延を防ぐことができます。
建設業にワークフローシステムを導入するメリット

ワークフローシステムを導入するメリットは次の通りです。
迅速な意思決定と承認速度の向上
従来の紙ベースのプロセスでは、書類の郵送や手動の承認が必要で、遅延が頻繁に発生してしまいます。しかし、ワークフローシステムを導入することで、この課題を解決できます。
デジタル化により、申請や承認のリクエストは瞬時にオンラインで担当者に送信され、直ちに通知を受け取ることができます。このため、承認プロセスの遅延が大幅に削減され、承認速度が向上することで、迅速な意思決定が可能となります。
ケアレスミスの削減
ケアレスミスの削減は、ワークフローシステムを導入するメリットの一つです。ワークフローシステムを導入することで、必須項目の自動チェック、入力形式の制約、自動計算、テンプレートとガイドライン、自動通知とリマインダーなどの機能が組み合わさり、ケアレスミスを減らすことができます。
例えば、申請フォームや文書で、記載が漏れている情報を見つけたり、特定の入力形式に合致しないデータを排除したり、ヒューマンエラーをなくすことができます。
さらに、数値データを自動的に計算し、手動計算の誤りを排除します。デジタルワークフローはテンプレートとガイドラインを提供し、ユーザーに正確な情報提供を促進します。承認者に通知を送り、期限をリマインドすることで、締切りを守る手助けも行います。これらの機能が組み合わさることで、ケアレスミスが減少し、業務プロセスの正確性と効率性が向上します。
進捗の視覚化
ワークフローシステムの導入により、プロジェクトの進捗が視覚化されます。リアルタイムかつ一目で、プロジェクトの進行状況を把握できるため、問題の早期発見にも役立ちます。
進捗の視覚化は目標の追跡にも役立ちます。目標と実績の比較を容易に行えるため、目標達成度が明確になり、目標の修正が必要な場合でもすぐに対応することができます。
ペーパーレス化
ワークフローシステムの導入により、書類を電子化して管理することができるため、紙を使わなくてよくなります。申請する文書もそうですが、承認された申請書もデータベースに保管され、わざわざファイリングする手間がなくなり、検索も容易になります。
建設業におけるワークフローシステムの導入事例
ここでは、建設業界におけるワークフローシステムの導入事例についてご紹介します。
事例① 株式会社新和建設
株式会社新和建設では、経費の管理を紙でやり取りをして、現金の受け渡しを行っていました。そのため、経費を処理するには、手作業で処理しなければならず、直接やり取りを行うことで、ミスが発生したり、チェック漏れがあったりとトラブルが続いていました。
しかし、ワークフローシステムを導入することで、現金の管理を減らすことができ、ミスなども軽減し、人件費のコストカットにも繋がっています。
事例② 東急建設株式会社
東急建設株式会社は、システムの老朽化と機能追加要求への対応の難しさから、以前から使用していたワークフローシステムが全社で活用されていなかった状況にありました。さらに、システムが稼働するOSのサポート終了が近づいており、新しいシステムの導入が緊急の課題でした。
新しいワークフローシステムの導入により、外出先でもスマートデバイスを活用して決裁や捺印が可能になり、テレワーク環境でもコンプライアンスを守りながら意思決定を迅速化し、業務効率を向上させることができました。今後の展望として、電子契約システムとの連携を検討し、決裁後の処理をシームレスに統合することで、より効果的なワークフロー環境を構築する予定です。
建設業に最適なワークフローシステムの選び方

最適なワークフローシステムを選ぶためには、自社の課題と導入目的を明確にすることが第一歩です。導入の理由と業務フローの改善目標を整理し、優先順位を設定しましょう。明確な目的設定は、途中で迷ったり方針を見失ったりすることを防ぎます。
課題と目的が明確になったら、システムの選定を進めていきましょう。ワークフローシステムの選定ポイントは以下の5つです。
申請フォーマットの適合性
システムが申請フォーマットの作成をサポートするかどうかは重要です。申請内容ごとにカスタマイズできるテンプレートや、既存のフォーマットをシステムに統合できる機能があると便利です。
複雑な承認ルートの対応
企業内の承認プロセスが複雑な場合、システムが適切に分岐や経路設定できるか確認しましょう。承認者の代理権、異議申し立て、差し戻し処理など発生しうるケースを考慮しておくことが大切です。
必要なオプション機能の有無
システムには基本機能以外にも、多くのオプション機能があります。企業が必要とする機能に焦点を当て、不要なオプションはつけずに、無駄なコストを回避しましょう。
システム連携の可能性
既存のシステムとの連携が可能かどうかは重要です。人事システムや会計システムとのデータ共有ができれば、業務の効率化が図れます。
費用対効果の評価
選んだシステムのコストと、それに対する効果を評価しましょう。初期費用、月額費用、サポート費用、カスタマイズ費用など、全体的なコストを検討して、実際に予算内で導入できるのか、費用をかけるだけの効果が得られるのかをしっかりと確認するようにしましょう。
建設業向けのワークフローシステム2選!
ここでは、オススメのワークフローシステムを2つご紹介します。
ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、申請書作成や初期設定を直感的かつ簡単に行え、50以上の申請書テンプレートを提供しています。柔軟な承認経路設定や時間の削減、スマホからの利用、電子契約サービス連携、そして英語対応といった特徴を備えており、多種多様な企業に適しているツールだと言えます。
人気なツールなので、何か困ったことがありカスタマーサービスに連絡をしても繋がりにくいというデメリットもあります。また、電話応対した人の知識が曖昧である場合もあったそうです。しかし、ツール自体がそもそもわかりやすいUIですので、そこまで困ることはないでしょう。
コラボフロー
コラボフローは稟議書の承認や見積もり書の発行など、重要な業務をシンプルかつ直感的な操作で実行できます。全ての申請を一元管理でき、代理での申請もサポートします。
また、コラボフローを導入することで、ペーパーレス化を実現することができます。書類をシステム上で管理するため、検索が容易になり、ファイリングや保管にかかる手間が削減されます。これによりコスト削減も期待できます。
デメリットとしては、画面遷移やファイルの閲覧などは、スマホでは少し使いにくいという部分があります。スマホで見にくい場合は、PCで確認することも検討しましょう。
まとめ|建設業でワークフローシステムを導入しよう
いかがでしたか。この記事では、建設業界の企業に向けて、ワークフローシステムのメリットや選び方についてご紹介しました。
DXが推進されている今だからこそ、ワークフローシステムの導入を検討している企業も多いでしょう。この記事を参考にワークフローシステムの導入も進めていきましょう。
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