
エクセルは管理表やタスク管理などができるビジネスシーンで活躍する表計算ソフトです。データの集計や解析には役立つものの、スケジュール共有や進捗管理には適していない可能性があります。
エクセルが適していない業務でも使用すると業務効率の低下につながります。日々の業務を進める上でエクセルの弱点を把握するのも大切です。それぞれ解説します。
目次
データ共有におけるエクセルの弱点
外出先ではアクセスできない
エクセルは社内ネットワークにファイルを格納することが多いです。社内ネットワークに格納すると、外出先からはファイルにアクセスできなくなってしまいます。リモートワークを導入している企業ではとくに使いにくいです。
リモートワーク用の独自ネットワークを構築するのはコストや手間がかかります。リモートワークの社員とオフィスワークの社員でのデータ共有でも、電話や電子メール、Web会議などを利用する必要がでてきて手間が増えてしまいます。
アクセスに時間がかかる
エクセルは必要なデータに素早くアクセスすることが難しいです。目的のファイルを開いてシートを選びセルを選択します。この作業はデータにアクセスするたびに行う必要があるので時間がかかります。
データ量が増えると探す時間も増えてしまいます。エクセルにはデータ検索機能もついていますが操作性はあまりよくないです。そのため作業効率が落ちてしまいます。
ファイル共有が不便
エクセルを用いてファイル共有をしようとすると、共有ファイルにして社内ネットワークに格納することが必要です。共有ファイルで同時編集すると、動作が重くなって更新作業が大変になります。
同時に同じファイルを編集すると作業の競合も発生してしまいます。競合があった場合は編集内容のすり合わせが必要です。施設や備品の予約でのダブルブッキングなどが競合のよくある例です。
データ共有しやすいITツール

エクセルの代わりにITツールを利用すれば、クラウド上でファイル共有が可能です。動作がスムーズで競合の心配もなくなり作業効率が上がります。データ共有にオススメのITツールをご紹介します。
専門ツールの利用
スケジュール管理やカレンダー機能などは専門ツールが提供されています。特定の機能だけを利用したい場合は専門ツールの導入がオススメです。スマートフォンやタブレットからも利用できるツールが多く、外出時やリモートワークの際にもリアルタイムに情報が共有できます。
社内Wiki
社内Wikiは社内のデータやノウハウを共有できるITツールです。表やグラフ、画像も載せられてフォントもカスタマイズできます。データ同士を関連付けできる機能も搭載されているので、データ共有がやりやすくなります。社内Wikiもクラウド上に保管するので外出時やリモートワークの際にも利用が可能です。
クラウドストレージ
エクセルが使い慣れていて他のツールを利用したくない企業には、クラウドストレージがオススメです。クラウドストレージはオンラインでファイルを管理と共有ができます。社内ネットワークを利用しないので社外からでも利用できます。
グループウェア
データ共有しやすいITツールとしてもっともオススメなのが、グループウェアです。グループウェアは、情報共有やコミュニケーションに役立つ機能が多く搭載されているツールです。今回ご紹介したITツールの機能も兼ね備えています。
業務効率化のためにグループウェアを導入する企業も増えており、情報共有による生産性向上に取り組んでいます。リアルタイムに情報共有ができるため、複数人でファイルを同時に見て意見交換をしながらの同時編集が可能です。
エクセルからグループウェアに変えるメリット

スケジュールやファイル共有をエクセルからグループウェアに変えることで、多くのメリットがあります。それぞれ解説します。
素早い情報共有
クラウド型のグループウェアを利用すれば、オフィス以外でのスケジュール更新や情報共有が可能です。動作も軽く競合する心配もありません。社内ネットワークを利用しないので自社サーバーの管理コストも不要になります。
カスタマイズが不要
進捗管理やプロジェクト管理をエクセルで行う場合、用途に合わせてシートをカスタマイズする必要があります。フォーマットを作成しても企業の状況変化に応じて、その都度調整が必要です。
グループウェアを導入すればこのようなカスタマイズが不要になります。カスタマイズを行なっていたエンジニアが必要なくなるので、ITが苦手な企業でも運用が可能です。グループウェアを提供する会社がアップデートも行なってくれるので、業務に集中できます。
更新作業が簡単に
エクセルは表計算ソフトなので、スケジュール管理のような頻繁に更新作業を行う場面には適していません。大量のセルがあるのでデータに応じて適切なセルを選択してから入力する必要があります。手作業だとミスも増えてしまいます。
グループウェアを導入すればこのような細かいセル操作が不要です。日々の更新作業にかかる時間を短くできるので業務効率化につながります。
多機能ツールとして使える
グループウェアには多くの機能が搭載されています。チャットや掲示板などを使えばスムーズなコミュニケーションが可能です。
電話は相手の作業を止めてしまい、電子メールは定型文の入力が必要になります。チャット機能を利用すれば要件だけの連絡も可能になり、リアクション機能で確認したことを相手に伝えることもできます。
ワークフローなどの業務効率化機能もオススメです。ワークフローは申請業務の流れを自動化できる機能です。申請書が提出された場合、申請書の種類ごとに決まった役割の決裁者に通知が行くことで、担当者の確認などの無駄な時間を省けます。
印刷等も不要になり、承認された場合は申請者に通知が来るようになっています。決裁者が長い出張で社外に出てしまっていても、グループウェアにアクセスして承認ができるため、承認が滞ってプロジェクトが進まないといった事態の改善が可能です。
グループウェアの選び方

グループウェアの選定作業に入る前に確認しておくポイントがあります。現在では提供されているグループウェアの種類も多く、業務の形態や規模にあったものを選ぶことが重要です。
クラウド型とオンプレミス型
クラウド型は、クラウドサーバー上で他社の提供する基本ソフトを使用します。社内でインフラ整備の必要がなくインターネット環境さえあれば、出先や自宅でスマホやタブレットから使用することが可能です。
場所を選ばずに連絡や確認ができるので迅速なコミュニケーションが可能になります。報告のためだけに帰社する必要もなくなり業務効率化が可能です。リモートワークの推進にもつながります。
オンプレミス型は自社でサーバーやネットワークを調達します。メリットはカスタマイズが可能で自社に合わせた運用が可能です。社内ネットワークとして活用するのでオフラインでも作業することもできます。
ただし、社内で専門的な知識を持ったエンジニアが必要となり、環境やシステムの構築も行わなければなりません。導入するためのエンジニアの作業時間も増え、コストもかかります。
運用コスト
多機能が特徴のグループウェアですが、企業によって利用頻度の少ない機能もあります。機能が多くついているものは運用コストも高いです。導入する前に自社に役立つ機能を見極めることが大切です。
現在主流のクラウド型のグループウェアは、初期費用がかからずユーザー1人当たり月額400円から800円程度で導入できます。安く感じるかもしれませんが、年額に換算するとユーザーが100人の企業の場合は約50万円以上、300人以上の企業の場合は約150万円以上の料金がかかります。
料金以上の業務効率化やコストダウンができなければ、グループウェアの導入が成功とはいえません。無料プランがあるツールもありますのでトータルコストをふまえて選定することが大切です。
既存ツールとの相性
グループウェアは、すでに導入しているツールと連携できるとより便利に活用できます。ツールを導入する前に、既存のツールとの親和性が高い物を選ぶとスムーズに導入ができます。
グループウェアに拡張性があるかも確認しておきましょう。企業が拡大していくと、新しいツールやシステムの導入が必要になります。その時にスムーズに導入できるかも重要です。
グループウェアについている機能で、既存の有料ツールの利用を減らせないかも検討しておきましょう。グループウェアで代用できる場合は有料ツールを解約することがオススメです。併用だけでなく代用も検討することでコストダウンにつながります。
操作性
導入前に無料プランやフリープランのグループウェアを使用して、操作性を確認することがオススメです。使用することで、文字が見づらかったり画面の表示や操作の待ち時間が長かったりなど、導入してからわかる不具合もあります。ツールの再選定は非常に効率が悪いので、実際に使用してから導入することがオススメです。
グループウェア導入後はマニュアルの作成や勉強会の開催を行うことで、社員にグループウェア運用が浸透します。ITリテラシーの低い社員は新しいツールに抵抗がありますので、しっかりとサポートすることも大切です。
まとめ

スケジュール管理をエクセルではなくグループウェアで行うメリットや、グループウェアの選び方をご紹介しました。グループウェアを導入することで業務効率化が可能になります。
自社にあったものを導入して業務効率化と運用コストの削減を行いましょう。紙媒体の情報共有が減ることで印刷コストや郵送コストも削減できます。積極的にグループウェアの導入を検討しましょう。
<参考記事>
仕事のスケジュール共有にエクセル? スムーズにいかない原因はそれかも! | Google Workspace 拡張の rakumo(ラクモ)
「脱エクセル」で業務効率化!シーン別におすすめツールをご紹介 | クロジカスケジュール管理
エクセルでのデータ共有にお悩みの方必見!おすすめITツールを紹介 | クロジカスケジュール管理
スケジュール管理のことなら、私たちにご相談ください。
私たちは、予定共有ができるスケジュール管理クラウド「クロジカスケジュール管理」を提供しています。 豊富な知見を活かし、お客様のお仕事に合ったご利用方法をご提案します。 チームの情報共有でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。