
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
企業で社員の管理を行う際に、「労務管理」「勤怠管理」という言葉に出会うことも多いと思います。同じ管理という言葉がついていますが、それぞれの言葉を正確に理解できている方は少ないでしょう。
この記事では、労務管理と勤怠管理の違いや、業務内容についてご紹介します。また、管理をシステム化するメリットや方法、オススメのシステムについてもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
労務管理と勤怠管理の違いとは?
勤怠管理は、企業における重要な業務の一つであり、労務管理の中核を成す要素です。具体的には、従業員の出勤、退勤、休暇、欠勤などの勤務時間に関するデータを収集・記録・管理することを指します。この業務には以下のような重要な役割があります。
まず、勤怠データの収集と記録は、毎日従業員の出退勤時刻や休暇の取得状況、欠勤の有無などを正確に記録することで、従業員が適切な労働時間を履行しているかを把握する上で重要です。
次に、勤怠データの管理と分析では、収集したデータを整理・管理し、必要に応じて分析を行います。これにより、出勤率や遅刻率、休暇の取得傾向などの情報を把握し、労働生産性の向上や人事政策の改善に役立てられます。
また、法令順守と規則遵守は、労働法や労働契約に基づいて従業員に適切な休暇や労働時間を提供するために欠かせない要素です。勤怠管理はこれらの遵守を確保するための重要な手段として機能します。
勤怠データは給与計算の基礎としても活用されます。正確な勤怠管理により、給与計算におけるミスや問題を防止し、従業員と企業の信頼関係を築くことができます。
最後に、勤怠関連の相談対応では、従業員からの勤怠に関する問い合わせや相談に丁寧に対応することが求められます。
遅刻や欠勤の許可、特別な休暇の取得について適切な判断と円滑なコミュニケーションを行うことで、従業員の信頼を築き、組織の良好な労働環境を促進します。
労務管理の業務内容とは

労務管理は企業における重要な経営活動であり、従業員の雇用に関わるさまざまな側面を効果的に管理・調整することを指します。その業務内容は多岐にわたりますが、以下に主な領域を紹介します。
人事採用・配置
まず、人事採用・配置では、新規採用や社内異動のプロセスを管理します。求人広告の作成や選考、採用手続き、適材適所の原則に基づいた人材配置を図ります。適切な人材の採用と配置は、組織の成長と発展に不可欠です。
勤怠管理
勤怠管理は従業員の出勤に関わる業務を担当します。出勤・退勤の管理や休暇・休業の申請手続き、遅刻・早退の対応などが含まれます。正確な勤怠情報の記録と集計は、労働力の適切な管理につながるのです。
労働条件・労使関係の管理
労働条件・労使関係の管理では、労働契約や就業規則の策定・改定、賃金・給与体系の構築、労使間の問題解決が行われます。円滑な労使関係を築くことで、生産性の向上と労働者の満足度を高められるのです。
労働安全衛生の管理
労働安全衛生の面では、働く環境の安全性と健康面を確保するための施策が展開されます。安全対策の策定や安全教育・訓練の実施、事故の予防と対応が含まれます。従業員の健康と安全を確保することは、生産性や企業の評判にも直結するでしょう。
労働法務・規制遵守
労働法務・規制遵守では、労働関連の法律や規制を遵守し、労働契約の適法性確保や法的トラブルの予防を目指します。労働法に関するアドバイスや助言も行い、法令順守を徹底します。
福利厚生の企画・運営
そして、従業員福利厚生の企画・運営では、社会保険や退職金制度、福利厚生の充実などを担保します。従業員の福祉を考慮した働きやすい環境を整備することが、企業の人材確保と定着に繋がります。
勤怠管理の業務内容とは

勤怠管理は、企業にとって非常に重要な業務です。従業員の労働時間や休暇、出勤状況を正確に管理することで、組織の生産性向上や労働環境の改善に貢献します。
通常、労務管理や人事部門がこれらの業務を担当しますが、近年は専門の勤怠管理システムを導入する企業も増えています。具体的な勤怠管理の業務内容は以下の通りです。
勤務時間の記録と管理
従業員の出勤・退勤時刻や休憩時間を日々正確に記録し、労働時間を適切に管理します。これにより、勤怠に関するトラブルを防ぎ、効率的な給与計算が可能となります。
休暇管理
有給休暇や特別休暇、代休など、従業員の休暇を適切に管理します。休暇の申請や残有給日数の把握、休暇に関するルールの策定などを行い、従業員のリフレッシュとワーク・ライフ・バランスの実現を支援します。
勤怠データの集計と分析
勤怠データを集計し、遅刻や早退、欠勤などの傾向を把握します。これにより、従業員の勤務態度の改善や生産性向上のための対策が可能となります。
法令順守
労働基準法や労働契約に基づいて勤怠管理を行い、法令遵守を徹底します。法的な知識を持ち、最新の法改正情報にも対応しながら、労働条件の適正な運用を保証します。
勤怠に関する相談対応
従業員からの勤怠に関する問い合わせや相談に迅速かつ適切に対応します。円滑なコミュニケーションを図り、従業員の不安や要望を理解し、職場環境の改善に寄与します。
勤怠ルールの策定と改善
適切な勤怠ルールの策定や改善を行います。従業員のニーズや労働環境の変化に適応し、労働生産性を高めるための取り組みを行います。
労務管理・勤怠管理をシステム化するメリット

労務管理や勤怠管理をシステム化することには、多くのメリットがあります。これらのシステムは、従業員と企業の両方にとって効率化や生産性向上、コスト削減などの重要な利点をもたらします。
まず第一に、労務管理・勤怠管理のシステム化により、煩雑な手作業が大幅に削減されます。従業員の勤務時間や休暇申請、残業時間などの情報は、
従来は紙やExcelなどの手動入力の必要がありましたが、システム化によって自動化されます。これにより、人為的なミスが減少し、時間とリソースを節約することが可能です。
第二に、労務管理・勤怠管理をシステム化することで、正確なデータをリアルタイムで把握できるようになります。
従業員の出勤状況や勤務時間、休暇残日数などの情報が一元化され、管理者はいつでも必要な情報を素早く取得できます。これにより、人員配置の最適化や効率的なスケジュール作成が可能となるのです。
第三に、システム化された労務管理・勤怠管理は、従業員と管理者のコミュニケーションを円滑にします。従業員は自分の勤務時間や休暇情報をオンライン上で確認できるため、勤務スケジュールに関する疑問や問題をすばやく解決できます。
また、管理者も従業員のリクエストや変更を容易に処理できるため、円滑な人事管理が実現します。
第四に、労務管理・勤怠管理のシステムは、法令遵守やレポート作成にも役立ちます。労働法規や就業規則の遵守をサポートし、勤怠データの正確な記録により労務トラブルのリスクを軽減します。
また、給与計算や統計レポートの作成もシステム上で容易に行えるため、企業の法務リスクを低減することが可能です。
最後に、労務管理・勤怠管理のシステム化は、企業全体の生産性と競争力向上につながります。従業員は煩雑な事務作業から解放されることで、本来の業務に集中できるようになります。結果として、生産性が向上し、業務効率が高まることで、企業の業績向上に寄与します。
以上のように、労務管理・勤怠管理をシステム化することで、効率化、正確性、コミュニケーションの向上、法令遵守、生産性向上などの多くのメリットを得ることができます。
労務管理・勤怠管理をシステム化する方法
労務管理と勤怠管理のシステム化には多くの利点があります。これにより、従業員の生産性向上と業務効率化が実現されます。以下に、具体的な方法を紹介します。
まず一つ目が、電子タイムレコーダーの導入です。従業員の出勤・退勤時間を正確に記録するため、電子タイムレコーダーを導入します。バーコードやタッチパネルを使用することで、勤怠情報の取得がスムーズに行えます。
二つ目は、人事管理システムに統合することです。勤怠管理システムを人事管理システムに統合することで、従業員の基本情報や有給休暇の状況を一元管理します。これにより、情報の誤りやエラーを最小限に抑え、業務の効率化を促進します。
三つ目は、モバイルアプリの活用です。モバイルアプリの導入により、従業員はスマホやタブレットを活用することで、いつでもどこでも簡単に勤怠情報や残業申請を入力できます。管理者もリアルタイムでデータを確認し、迅速な対応が可能となります。
これらの方法で、労務管理や勤怠管理をシステム化することができます。しかし、システム化する際には、セキュリティ対策はしっかりと行うようにしましょう。
紙などで管理していれば、物理的に持ち出されなければ問題ありませんが、システム化することでサイバー攻撃の対象となる可能性もあります。
そのため、労務情報や勤怠情報は個人情報の扱いが必要です。データ漏洩や不正アクセスを防ぐために、適切な暗号化技術やアクセス権限管理を実施するようにしましょう。
オススメ労務管理システム2選
ここでは、オススメの労務管理システムを2つご紹介します。労務管理システムの導入を検討する際の参考にしてみてください。
総務人事奉行クラウド
総務人事奉行クラウドは、簡単な操作で入門者から上級者まで利用できるシステムです。利用者の評価は高く、社内の人事情報を簡単に収集・管理できると喜ばれています。
ユーザーの口コミでは、ITリテラシーの低い従業員でも柔軟に利用できると評価されています。また、入力項目の標準化により作業時間が削減され、従業員の経歴や資格を把握することで能力の客観的な比較が可能となり、異動や昇進の検討に役立っています。
さらに、バックアップ作業や書類出力の自動化により、生産性が向上しています。システム上のデータを選択するだけで自動的に書類や名簿を作成できるため、総務や人事の業務が初心者でも簡単に進められます。
総務人事奉行クラウドは、データ移行がスムーズでテレワークを推進することもできるため、利用者から広く支持されています。
デメリットとしては、個別の顧客ごとのカスタマイズができないため、自社の管理したいものとうまく噛み合わず活用しにくいという点です。
ただし、今後拡張機能やAPI連携により、改善される予定ですので、より使いやすくなっていくことが期待されます。
タレントパレット
タレントパレットを導入することにより、企業は勘に頼っていた人事配置を科学的な人事戦略に転換できます。
社員の経歴やスキル、適性などのデータを正確に把握し、科学的な分析が可能となります。これにより、人事のミスマッチを減らし、効果的な配置が実現されるのです。
また、採用から育成、離職防止までの人事の一元管理が可能となります。異動履歴や離職の傾向も分析され、早期の対応が可能です。
さらに、テキストマイニング機能を備えたAIにより、社員のアンケート回答を分析し、見えなかった声を見える化できます。
これにより、離職の原因や不満を把握し、離職防止策の立案に役立てることができるでしょう。
デメリットとしては、科学的人事を実現するために詳細な社員データの入力が必要となり、入力項目が多く手間がかかってしまうことです。また、機能が多すぎて目的の機能を探しにくいという点もあります。
企業は優先度の高い機能から活用し、段階的に利用することで効果的な導入を検討するようにしましょう。
まとめ|労務管理と勤怠管理を理解し、システムを導入してさらに効率化しよう
労務管理は、従業員の採用から退職までの全体的な人事戦略を策定し、労働力の最適化と生産性向上を目指す目的です。一方で、勤怠管理は、従業員の勤務時間や休暇など、日々の勤務に関連する情報を記録・管理することが目的です。
これらの目的の違いをしっかりと理解した上で、業務を進めていくことが肝心です。そのためには、管理システムを導入し、情報を正確に取得し分析することがオススメです。
管理システムの導入を検討する場合は、自社としてどの部分をシステム化したいのかを明確にします。その後、複数のシステムを比較して、自社の目的を達成できるシステムを選択するようにしましょう。
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