
こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
社内報は会社の情報や経営理念、新入社員の紹介など、社内に情報を発信するために使われる広報メディアです。従来では紙媒体のものが主流でしたが、近年ではコスト削減や利便性の向上などを理由に、Web媒体が使われる傾向にあります。
しかし、他社がどのように社内報を使っているのかを知る機会は少なく、情報の不足など懸念を持つ方もいらっしゃるでしょう。そのようなときに役立つのが、ウィズワークス株式会社が発行する「社内報白書」です。今回は社内報白書とはどのようなものなのかについて、目標や特徴とあわせてご紹介します。
「社内報白書」とは?

社内報白書とは、ウィズワークス株式会社が発行する情報誌で、2003年より隔年で発行されています。国内随一のインターナルコミュニケーションに関する調査能力を持つため、多くの企業が参考にしています。インターナルコミュニケーションは社内やグループなど、同一の組織における広報活動のことです。
従来の企業では情報発信は経営層から社員に向けたものが主流でしたが、インターナルコミュニケーションは社員が自ら発信します。社員が発信することにより、部署や役職を超えて双方でコミュニケーションを図ることが可能です。
主に社内報白書を参考にする企業はスタートアップやベンチャー企業のほか、リニューアルを検討している企業が挙げられます。
「社内報アワード」について
ウィズワークス株式会社では、1年に一度全国規模で社内報企画のコンクールを開催しています。紙・Webやアプリ・動画などさまざまな媒体が対象となり、社内報をどのように活用していたのかなどを評価するものです。厳正な審査の結果、週刊東洋経済に掲載されるなどさまざまなメリットがあります。
また、参加方法は比較的自由で、1企画から応募できます。応募したものはそのまま審査に使われるだけではなく、専門家によるフィードバックを受けられるのです。
審査時は1企画につき3名体制で統一の審査基準により採点、チャート化します。送られた社内報に評価とアドバイスを記載し、すべての応募者に対してフィードバックが行われるのです。そのため、社内報アワードに入賞しなくても、参加する価値は十分にあるといえます。
「社内報ナビ」について
「社内報ナビ」は、社内報ご担当者に役立つ情報を発信する総合情報サイトです。
*参考 社内報ナビ(https://shanaiho-navi.jp/)
社内報に記載する情報や、よりわかりやすい情報を共有するためのノウハウやテクニックが記載されています。また、こちらではセミナー情報なども発信していることから、ウィズワークス株式会社直々の指導を受けられます。とくに、社内報に関するコンテンツ数は非常に多いため、どのような方でも参考にできるのではないでしょうか。
事例やスキルなどに関するコンテンツを参考にして、社内報に磨きを掛けましょう。
社内報白書による調査結果
2023年現在、最新の社内報白書は2021年に発行されたものです。2021年はコロナウィルスが世の中に影響しており、インターナルコミュニケーションの重要性が見直されました。
他人との接触を抑えるための三密の回避や、テレワークの普及により、働き方も見直されています。このようなことから、ウィズワークス株式会社からは下記のような調査結果が発表されました。
インターナルコミュニケーション(IC)の目的
インターナルコミュニケーションの目的には、下記のようなものが挙げられます。
- 経営理念・ビジョン、中・長期計画などの浸透
- 社内・グループ間のニュースの発信
- 社員のモチベーションアップ
- 従業員の意識改善・態度調査
- 会社の歴史の記録 など
調査結果では、9割以上が「社内・グループ内の一体感の醸成」「経営理念・ビジョン・中計などの浸透」の2項目を選びました。近年では企業規模の拡大やM&Aなど、経営に大きな影響を与える事象が発生しやすいことも影響しているのでしょう。
また、従業員数が多い大企業などでは、企業の根幹となる経営理念が浸透しにくい傾向にあります。一人ひとりに伝えると膨大な時間を要するため、社内報を有効活用する企業が多くなりました。
その他、「社内・グループ間のニュースの発信」「自社・グループ事業の理解」「社員のモチベーションアップ」が選ばれました。企業規模が大きくなるほど、ほかの事業部がやっていることや従業員の情報などを知る機会は少なくなるものです。社員であれば自社がどのような業務に臨んでいるのかを、概要だけでも理解しておく必要があります。
そのような場合、いつでも・どこでも社内の情報を得られる社内報が活用されるのです。また、社員の功績などを記載することで社員のモチベーションアップにも貢献しています。
社内報のマルチチャネル化
下記は、社内報に使われる媒体・形式の一例です。
- 印刷物
- Web
- 式典などのリアルイベント
- 一斉メール
- オンラインイベント など
調査結果によると、7割の企業が印刷物とWebを使用していました。注目するべきは、4割の企業がリアルイベントを選択していたことです。
先述の通り、2021年はコロナウィルスの影響が大きい年度です。実態としては、朝礼などもリアルイベントに含まれることで、各企業が実施しやすいイベントになっているのでしょう。伸長率はオンラインイベントが最も高いです。
紙媒体の社内報の動向
近年では経費削減などを要因として、紙媒体の発行を控える企業が増加傾向にあります。しかし、回答者のうち8割程度の企業が今後も継続して発行予定と答えています。
こちらは企業規模に関わらず、コロナウィルスの影響が減ったときに再度利用者が増えるだろうという考えからです。製造現場や接客現場で働く社員に、スマートフォンやタブレットなどを人数分配布することが困難な点も含まれます。
Web媒体は見たいときにどこでも見られるメリットがありますが、閲覧者が自分で見に行く必要があります。近年では多くの企業がセキュリティ強化のためにIDやパスワードを発行することから、不便に感じる社員も多いようです。
これから社内報はどうなる?
今後社内報を運用する際に使いたいシステムでは、下記のような回答がありました。
- PDF・電子ブック
- HTML
- CMS
- グループウェア
- クラウド上のASPサービス・アプリ
- 動画配信プラットフォーム など
最も多くの方に選ばれたのはPDF・電子ブックで4割強、動画配信プラットフォームで3割強、CMSで3割弱です。とくに、動画配信プラットフォームについては多くの企業の注目を浴びていることがわかりました。
アンケートでは、動画コンテンツを実施している企業が4割弱、将来実施したい企業が3割弱という結果でした。動画のメリットは、短時間で視覚的に情報を取り入れられる点が挙げられるでしょう。近年ではYouTubeやTikTokなどが普及していることが、動画コンテンツに興味を集めたと推測できます。
社内報の種類と特徴

社内報には、下記のように「紙媒体」「アプリ」「Web社内報」「動画社内報」の4種類があります。
紙媒体
現在、最も普及しているのが紙媒体の社内報です。紙媒体は視認性が高く、どのような方でも目を通しやすい点が特徴の媒体といえます。先述のアンケートより、今後も紙媒体の社内報を発行するという企業が多いことから、人気の高さがうかがえるでしょう。
しかし、企業規模や経費削減の観点から、紙媒体を廃止する企業も増加傾向です。
アプリ
アプリはデバイスやインターネット環境の改善によって、近年社内報を発信する媒体として、普及が進んでいるもののひとつです。自社独自のアプリや、開発業者が提供しているものなどさまざまなものがあります。
ウィズワークス株式会社でも社内報アプリを提供しており、社用携帯を配布している企業が選ぶ傾向にあります。
Web社内報
Web社内報は迅速かつ柔軟に更新できる点や、自社独自の形式で情報を発信しやすい点が特徴の媒体です。インターナルコミュニケーションを図りやすく、読まれやすい情報を容易に発信できる点がメリットです。
また、データの分析もできることから、社員が興味を持つ情報を精査できる点も魅力だといえます。
動画社内報
近年では、YouTubeやTikTokなどが普及していることにより、さまざまな企業が動画に関心を持つようになりました。動画はモバイルデバイスとWi-Fi環境があればいつでも・どこでも視聴できます。
また、動画を発信している方の熱意や思いなどをくみ取りやすい点も、動画社内報の魅力といえます。
社内報の内容は見直すべき?
結論として、社内報は定期的に見直すべきです。従来であれば社内報は変わらないもの・変えてはいけないものといった認識を持つ企業が多くありました。しかし、近年では経営のサイクルや情報の流通が速くなったことから、同じものを長く使うことが少なくなった傾向にあります。
一般的な企業では、中・長期経営計画のタイミングやミッションの変動などを社内報で発信するようになりました。調査結果によると、全体の21.6%が毎年、34.7%が2~3年に1度、社内報の見直しを行っているという回答を得ています。そのため、社内報は定期的に見直す必要がある情報誌であるという認識を持ちましょう。
まとめ|社内報を有効活用し、社内の情報格差を無くそう

今回は社内報白書とはどのようなものなのかについて、目標や特徴とあわせてご紹介しました。社内報白書はさまざまな企業の社内報に関する利用状況をまとめたもので、ウィズワークス株式会社が発行しています。
社内報のクオリティ改善が目的であり、社内報アワードの実施や社内報ナビの公開といったサービスがあります。社内報白書の特徴として、さまざまなデータを収集していることが挙げられます。下記は、社内報白書に掲載されている調査結果の一例です。
- インターナルコミュニケーション(IC)の目的
- 社内報のマルチチャネル化
- 紙媒体の社内報の動向
- これから社内報はどうなる?
近年では技術の発展などに伴い、社内報は紙媒体やアプリ・Web社内報・動画社内報といったさまざまな形式で発行されています。現代では経営状況や情報の流れが非常に速いため、社内報の内容も定期的に見直す必要があります。
社内報の活用方法に迷われている方は、社内報白書を参考にしてはいかがでしょうか。
<参考記事>
インターナショナルコミュニケーション専門会社 wis works 社内報アワード
http://wis-works.jp/award/
社内報ナビ
https://shanaiho-navi.jp/
社内報ナビ 『社内報白書2021』から見えてきた、コロナ禍でのICの変化と未来
https://shanaiho-navi.jp/archives/20397/
インターナショナルコミュニケーション専門会社 wis works 紙・Web・アプリ社内報企画制作
https://wis-works.jp/production/
社内報ナビ 『社内報白書2020 臨時号』から分析。2020年~2021年は社内報 大変革の年に
https://shanaiho-navi.jp/archives/15376/
スケジュール管理のことなら、私たちにご相談ください。
私たちは、予定共有ができるスケジュール管理クラウド「クロジカスケジュール管理」を提供しています。 豊富な知見を活かし、お客様のお仕事に合ったご利用方法をご提案します。 チームの情報共有でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。